家事のプロが教えるじつは「やめていい」「しなくてもいい」家事6選
2020/12/14
家事を「やめる」「しない」というと、罪悪感を覚える人もいるかもしれません。でも、家事の中には、やめてもそれほど不便や不快を感じないものもあります。そんな「やめていい」「しなくてもいい」家事を見つけて、家事の量を減らせば、毎日の負担がぐんと軽くなることも。
そこで今回は料理にまつわる「やめていい」「しなくてもいい」家事を暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんにお伺いしました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
【1】献立を毎日考えない
ごはんづくりには「料理をする」ことだけでなく、買い物をしたり、献立を考えたり、食材の管理をしたりと、多くの家事が必要です。その中でも特に面倒なのが献立を考えることではないでしょうか。冷蔵庫にある食材や栄養バランス、家族の好みを踏まえながら、何をつくるか考えるのは、実はかなり大変なことです。
ごはんをつくるとなれば、献立をまったく考えないというのは難しいことかもしれませんが、その回数を減らすことは比較的簡単です。例えば、朝ごはんは「パンとスープとフルーツ」と決めてしまって、毎日同じものを出したり、余った食材の整理を兼ねて、「金曜日は鍋料理」にするというのもアリです。
また、市販のミールキットを取り入れて、献立づくりをまるっとお任せしてしまうというのもひとつの手。プロの料理家や栄養士が考えたものも多くあるので、費用は高くなるかもしれませんが、安心して利用できます。毎日でなくても、忙しい月末だけ、疲れの出やすい週末など、自分のペースに合わせて使ってみると、ぐんと楽になりますよ。
【2】買い置きしない
「買い物の回数を減らしたいから、食材はたくさんあった方がいい」と思うかもしれませんが、買い置きが多すぎると、食材のむだや管理の負担につながることがあります。安心感はあるかもしれませんが、賞味期限間近の食品をどう使い切るか頭を悩ませたり、ときとして期限内に使い切れずに捨てざるをえないことも。
コロナ禍以降ストックを多めに持とうとするご家庭も多いかもしれませんが、「安いから」「保存が利きそうだから」という理由だけでなく、よく食べるものなのか、量は多すぎないかなどを考えて買うようにしましょう。冷蔵庫の中や収納スペースに余裕ができると、食材の管理もラクになり、むだが減り、節約にもつながります。
【3】包丁とまな板を使わない
食材を切るのに欠かせないと思われがちな包丁とまな板。でも、まな板を出すと、スペースを大きく取って調理の邪魔に感じたり、食材ごとに洗わなければならなかったり、きちんと乾かして片づけなければならなかったりと、意外と手間が増えます。もちろん料理に必要なものではありますが、できるだけ使わないように心がけるだけで、料理がスムーズに捗ることも。
食材は可能な限り、キッチンばさみで切ると手軽。薄切り肉や葉物野菜などは、キッチンばさみの方が切りやすいことも多いです。また、忙しいときや疲れているときなどは、カット野菜や冷凍食品を使うというのもおすすめ。特に冷凍食品は急速冷凍することで、栄養価も損なわれにくく、長期間保たれると言われています。調理の手間が省けて、栄養もとれるのであれば、使わない手はないですよね。
【4】火を使わない
電子レンジ調理や炊飯器調理など、火を使わずにつくれる料理が人気です。コンロを使わずに料理をすると、鍋やフライパンといった大きな調理器具がなく、洗い物が減ります。また、火を使っているときのように必ずしも近くにいる必要がないので、調理中にキッチンから離れることができるのもうれしいところ。朝や夕方の慌ただしい時間にも安心です。
【5】食器を拭かない
食後の片づけといえば、食器を洗って、拭いて、片づけるというのが流れですが、「食器を拭く」のはやめていい家事のひとつです。食器を自然乾燥させるのは不衛生に思われるかもしれませんが、しっかり水気が切れる状態であれば、問題なし。食器を洗うときは、できるだけ熱めのお湯を使うと、汚れ落ちもよく、水の乾きも早いです。
食器よりも雑菌が繁殖しやすいのが、食器を拭くふきんです。生乾きだったり、きちんと洗濯されていないふきんで拭くのは、自然乾燥より不衛生。食器を拭くのをやめれば、面倒な食器用ふきんのお手入れの手間もなくなります。
【6】ごはんをつくらない
毎日というわけにはいきませんが、たまにはごはんをつくらない日があってもいいのではないでしょうか。外食や宅配、テイクアウトなどはもちろん、おうちにレトルトや冷凍食品、インスタントなどを用意しておいて、「今日はそれぞれが好きなものを好きなように食べる日!」にするのも特別感があっていいかもしれません。
コロナ禍以降は家族が家にいることが多く、料理をする人の負担が増えています。たまには何も考えない、何もしない日があってもいいはずです。栄養やカロリーなどが気になるかもしれませんが、「たまにならOK!」と割り切ることも大事。ごはんをつくらないと決めたなら、あとは楽しく食べることが一番です。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。