うちの子は消極的?慎重な子どもの背中を押す声かけとは
2021/11/15
チャイルドコーチングアドバイザー(R)の山名美穂です。
「『やってみようよ!』『できるよ!』と伝えても、イマイチ反応してくれない。うちの子は消極的。このままで大丈夫?」と不安なお母さん。
声のかけ方をアレンジするだけで、お子さんの行動が変わる可能性があります。
「問題を避けたい」と考える子どもたち
獲得したいものやゴールがあると、やる気になる子がいます。こういったお子さんにとっては、「欲しい」「やりたい」などの気持ちが原動力です。
一方で、問題を避けたいという思考を持つ子どもがいます。「失わない」「失敗しない」自分の姿が見えたほうが、安心してことに臨める子どもたちです。
「できるようになりたいよね」「勝ちたいよね」などの声かけでなかなか動いてくれないとしたら、お子さんは後者かもしれません。
効果的な声かけ「成功する」は「失敗しない」に
問題を回避したいと考える子には、「〜しない」という言い回しをすると響きやすいでしょう。
例:
・成功する → 失敗しない
・努力の成果を出す → 努力をムダにしない
具体的な例を挙げると「試合に勝つために、なにをしたらいい?」は「どうしたら、試合に負けないかな?」に言い換えられます。
「なにかを手に入れる」より「好ましくないことを避ける」発想のほうが、行動につながりやすいわけです。
「積極的にチャレンジする子どもがいい」のワナ
「問題を避ける思考」というと、ネガティブな印象を受けるかもしれません。なんでも積極的に挑戦する子が理想とされる風潮もありますよね。
しかし世の中には、問題回避の考え方で成り立っていることがたくさんあります。例えば電車や飛行機は、「事故を起こさない」「不備がない」ことが念頭に置かれているはず。「やってみよう」精神で運行されては困りますよね。
失敗や問題を回避する考え方も必要なのです。「積極的なのがいい」と思いすぎて、慎重な子どもを否定しないようにしましょう。
どちらの考え方をしているかわからなければ「両方続けて言う」
自分の子が目的を達成しようと考えるのか、問題を避けようと考えるのか、わからないことがあると思います。
そういうときは
「成功したいよね。失敗はしたくないよね」
などと、両方の言い回しを続けて使ってみてください。
そして「成功する」「失敗しない」、どちらに大きい反応を見せるか観察して。お子さんの考え方が、その場でわかることも。
タイプ分けはしない。そのときを見極める・受け止める
同じ人間でも考え方は、対象とする物事などよって変わります。試験で「落ちるのはイヤだ」と考えるからといって、「なにに関しても問題を避けたいタイプ」と決めるのは危険です。
子どもは成長とともに大きく変わります。そして長い目で見ると「どうやったら達成できるか」を、たくさん考えられるようになったほうがいいのも確かです。
子どもが問題回避の考えをすれば、最初はそれに合わせた声かけを。チャレンジした経験と自信の増幅にあわせて、やってみよう・成功させよう!といった励ましのことばも増やしていきましょう。
この記事を書いたのは・・・山名美穂
子育て・心理分野を得意とするWEBライター。チャイルドコーチングアドバイザー。
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