立春とは?2022年はいつ?節分・春分との違い、花や食べ物、時候の挨拶まで解説
2021/11/16
立春とは、中国で生まれた古い暦のなかで、春の始まり、そして1年の始まりのことを指します。
今の暦で考えると、2021年の立春は2月3日。2022年の立春は2月4日です。
今回は立春はいつ?立春とは?という疑問に加えて、「節分」「春分」との違いや立春に関する行事や風習、立春の日に子供と一緒にやってみたいことなどについて、幅広く紹介していきます。
立春はいつ?
国立天文台からの発表によると、2020年~2022年の日本における立春は、以下のとおりです。
2020年2月4日
2021年2月3日
2022年2月4日
春の始まりとは言っても、まだまだ寒いころですね。
立春の日として毎年決まった日があるわけではありませんが、おおよそ2月4日頃が立春になることが多いでしょう。
このように立春の日が毎年違うのは、立春の日が太陽の行路によって定まっていることによります。
立春とは?
立春とは、春の始まり、そして1年の始まりのこと。
これは、昔の中国や日本で使われていた「太陰太陽暦」において、季節と暦をうまく調整するために用いられた「二十四節気」という考え方によるものです。
二十四節気では、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれを6分割し、計24等分して考えます。
これら24の節気のうちで初めに来るのが立春。また、立春は春という季節の中で最初の節気でもあります。
春とは言っても春の初め、冬が終わったばかりの時期になるので、まだまだ寒いのにもうなずけますね。
現在ではこの立春という節気のなかでも、最初の日を立春の日とすることが慣例となっています。
立春を子どもに伝えるなら
「昔使われていた暦の中で、春の始まり、そして1年の始まりのことなんだよ。立春はおめでたい日として、古くから大切にされてきた日。今の暦で言うと毎年2月4日頃だよ。」
と答えてあげると良いでしょう。
立春は英語で何という?
英語には「立春」に相当する言葉があるわけではありませんが、立春を説明するためのフレーズをご紹介します。
Beginning of spring
春の始まり
The first day of spring
春の最初の日
立春と春分、節分、旧正月との関係性
次に、立春と間違われたり混同されたりしやすい言葉について解説します。
立春と春分の違い
立春と同じように二十四節気の中のひとつで「春分」というものがあります。
春分は、日照時間が最も短くなる「冬至」から、日照時間が最も長くなる「夏至」へと移り変わる間の真ん中の時期を指します。
つまり、昼の時間と夜の時間がほぼ同じ長さになるのが春分なのです。
また、立春は冬至から春分に至るまでのちょうど真ん中の時期にあたります。
二十四節気の図をもう一度使って説明すると、立春は春の初まりの時期、春分は春の真ん中の時期と言うことができますね。
旧正月との違い
太陰暦による旧正月と二十四節気による立春は、昔の暦における1年の始まりという点では似通っていますが、実は全く別物です。
なぜなら、暦を定めるうえで月の満ち欠けをよりどころにしている太陰暦と、太陽の動きをよりどころにしている二十四節気では、根本的に考え方が異なっているからです。
太陰暦での1年の始まりと二十四節気での1年の始まりが重なることはめったにありませんが、まれに重なる場合は「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」と呼ばれ、大変めでたいこととされてきました。
ちなみに、太陰暦では月の始まりは必ず新月になります。朔旦立春とは、立春が新月になる日のことを言います。
節分との関係性
「節分」とは、立春の前日に当たる日のことを言います。
二十四節気において立春が1年の始まりであることをふまえると、節分は大みそかのような意味合いを持っているということがわかるでしょう。
1年の終わりの日である節分には、新しい年が良い年になるようにという願いを込めて、厄払いなどいろいろな行事が行われます。
立春にすることは?行事や風習
それでは、立春にまつわる様々な行事や風習について紹介しましょう。
節分の行事
古来、立春の前日である節分は大みそかに匹敵する大切な日でした。
このような大切な日に行う行事として、最も有名なのが「豆まき」。小さなお子さんのいる家庭では、定番のイベントと言えますね。
豆まきは「追儺(ついな)」という悪鬼を追い払うための宮中行事が民間に広く広まったもので、「鬼は外、福は内」と唱えながら炒った大豆をまき、厄払いをします。
また、いわしを焼く匂いや煙を鬼が嫌うということや、棘のある柊の葉で鬼を遠ざけようとする考えから、ひいらぎの枝に焼いたいわしの頭をつけて戸口に立てたり挟んだりするということも厄払いの一環として行われます。
最近では、歳神様のいる恵方に向かって食べる「恵方巻き」も有名ですね。
立春大吉
「立春大吉」とは、邪鬼を追い払うためのお札です。
立春大吉の文字は左右対象で、裏側から透かして見ても立春大吉と読むことができますね。
このことから、立春大吉のお札を貼っておくと、家に入って来た鬼がお札を裏側から見て「まだ家に入っていない」勘違いし、もう一度門をくぐって外へ出ていくと言われています。
立春大吉のお札はお寺や神社で貰っても良いですが、自分で書いても良いと言われています。
今年の節分にはぜひ試してみてくださいね。
お札は玄関や門、鬼門に当たる部屋の壁などに、ノリやテープを使って貼ります。押ピンなどでお札に穴をあけないようにしましょう。
また、貼るときには文字の書いた側を家の外に向けるのをお忘れなく!
立春大吉のお札は立春の朝に貼り、1年たったら神社や寺院にお返ししたり、とんど祭りなどでお焚き上げしてもらったりすると良いでしょう。
立春を感じる花
立春の頃に咲いて、私たちに春の訪れを教えてくれる花々があります。いくつか紹介しましょう。
桜の開花はまだ先
立春と言えば春の始まり。
でもカレンダー上ではまだ2月4日頃なので、ソメイヨシノはまだ咲いていません。
春の楽しみである「お花見」は、もう少し先に取っておきましょう。
ただし、河津桜など早咲きの桜は咲いている場合もあります。一足先に春の気分を味わいたい人は、早咲きの桜を探してみても良いですね。
梅
ちょうど立春の頃に見頃を迎える「梅」。梅はバラ科、サクラ属の植物で、2月の誕生月の花でもあります。
赤や白のかわいい花を咲かせる梅は、春を告げる木として多くの人に愛されています。時期がくるとフラワーショップなどでもよく見かけるでしょう。
お部屋に飾ると良い香りがするので、立春の日に合わせて飾ってみるのもステキですね。
余談ですが、「桜伐(き)る馬鹿、梅伐(き)らぬ馬鹿」というおもしろいことわざがあるのを知っていますか?
桜は剪定を最小限にとどめておく方がよく、梅はまめに剪定をしたほうがよいということから、「木の性質をよく学んだうえで手入れをしなさい」ということわざです。
桜や梅はお庭に植えることも多い植物ですが、手入れの際は思い出してみてくださいね。
福寿草
「福寿草」は、立春の頃に花を咲かせるキンポウゲ科、フクジュソウ属の植物。「元日草(がんじつそう)」「朔日(ついたちそう)」という別名があります。
太陽を連想させるような大輪の黄色い花が美しく、あたたかい季節の訪れを私たちに感じさせてくれます。
おめでたい名前が付いているため、お正月には縁起を担いで福寿草と南天(難を転ずるという響きによる)の寄せ植えもよく販売されています。
福寿草の花は2月~4月が見頃です。
立春に食べるもの・飲むもの
立春の日に食べたり飲んだりすると良いとされるものについて紹介します。
立春朝搾り
立春の日の早朝に搾りあがった日本酒を「立春朝搾り」といいます。
立春朝搾りは1年の始まりの日に生まれ、当日中に飲まれる祝い酒。出来上がりが早すぎたり遅すぎたりしないように細心の注意を払って作られています。
新鮮なお酒を立春のうちに届けるため、蔵人たちが夜通し作業して出来上がる新春朝搾りは、私たちに春の訪れを教えてくれる縁起のよいお酒です。
立春朝生菓子
立春の日の朝に作ってその日のうちに食べる生菓子を「立春朝生菓子」と言います。立春朝搾りのお菓子バージョンと言えるでしょう。
生菓子に使われるお餅は昔から特別な日に食べる縁起のよい食べ物とされており、また、小豆も赤い色をしているので厄除けになると言われています。
立春朝生菓子としては、春らしさが感じられる桜餅やうぐいす餅などが食べられることが多いようです。
立春大吉豆腐
真っ白な色をしており邪気を払うと言われている豆腐を、立春の日に食べるのが「立春大吉豆腐」です。
前日の節分の日に食べることでそれまでに溜まった1年の穢れを落とすことができ、立春の当日に食べることで福を呼び込み新年をより良い年にすることができるとも言われています。
豆腐が真っ白であることに意味があるので、調味料はなるべく使わずに食べるようにしましょう。
立春の候とは?いつまで使える?
「立春の候(こう)」とは手紙などで使われる時候の挨拶のひとつで、「春がやってきましたね」といった意味で使われます。
ただし、立春の候という言葉が挨拶として使えるのは立春の間だけ。二十四節気では立春の次は「雨水(うすい)」となりますが、雨水がやってくるまでの約2週間に限って使うことができる時候の挨拶です。
子どもと楽しむ立春の過ごし方
春の始まり、そして1年の始まりである立春。1年の1度のおめでたい日なので、せっかくなら子どもと一緒に楽しみたいですよね。
子どもと一緒に簡単に取り組める行事についてまとめました。
立春朝生菓子にチャレンジ!
立春の日の朝には少しだけ早く起きて、立春朝生菓子作りにチャレンジしてみませんか?
白玉粉、あんこ、青きな粉(うぐいすきな粉)などをあらかじめ用意しておけば、30分ほどで簡単にうぐいす餅を作ることができます。
立春の日は平日であることの方が多いので、時間がなければもちろん和菓子屋さんで買ってきてもよいでしょう。
食べるときには、「この生菓子が厄を払ってくれて、これからの1年を元気で楽しい1年にしてくれるんだよ」と子どもに教えてあげましょう。
立春大吉のお札を貼ろう!
邪鬼を追い払ってくれる新春大吉のお札は、立春の日の早朝に貼るのが良いとされます。準備は前日までにすませておきましょう。
立春大吉のお札は、神社やお寺で手に入れることもできますが自分で書くこともできます。
自分で書く場合には習字道具があればよいですが、なければ筆ペンなどでも大丈夫。白い紙に縦に「立春大吉」と書きましょう。
無病息災の気持ちを込めて、子どもと一緒に書くのも良いですね!
お札は玄関の外、向かって右側に貼るのが一般的です。お札に穴をあけないようにノリやテープを使って、大人の目線より少し高いくらいの位置に貼りましょう。
子どもには「このお札を貼っておけば、もし悪い鬼が来てもすぐに帰っちゃうんだよ。おうちを守ってくれるお札だよ」と教えてあげましょう。
夕飯は立春大吉豆腐で決まり!
立春の日は夕飯に縁起のよい立春大吉豆腐を食べて締めくくりましょう。真っ白な豆腐が1年の福を呼び込んでくれると言われています。
なるべく豆腐に色がつかないように、塩や白みそなどで味付けをします。
家族で湯豆腐を囲み、今年の抱負などを語り合うのもステキですね。
中国でも立春を祝う
二十四節気が生まれた国、中国では立春に「春餅」を食べます。春餅とは小麦粉で作った薄い皮に野菜などの具を包んで食べるというもの。
中国の人にとって春餅は、春を告げる特別なごちそうと言えるでしょう。
他にも風車を飾ったり、ピクニックに出かけたりするなど、様々な伝統が残っているようです。
まとめ
立春は春の始まり、1年の始まりであるおめでたい日です。
まだまだ寒い時期ではありますが、これから本格的に訪れる春に期待を膨らませつつ、立春ならではのイベントを楽しんでみてくださいね。