お彼岸とはいつからいつまで?墓参りの常識や正しいお供え物の選び方

2021/11/16

お彼岸とは1年に春と夏の2度訪れる、ご先祖様をうやまい供養する日。

2022年の春のお彼岸は3月18日〜3月24日、秋のお彼岸は9月20日〜9月26日です。

この記事では、お彼岸の由来や墓参りをする理由、子どもと楽しめるアイデアまでご紹介します。

彼岸入り・彼岸明けはいつ?

彼岸が始まる日を「彼岸入り」、終わる日を「彼岸明け」と呼びます。これらの日を決めるための起点となるのが、「春分の日」と「秋分の日」。

それぞれのちょうど真ん中を「中日(ちゅうにち)」とした7日間がお彼岸の期間です。

2021年の秋分の日は9月23日。そのため、秋のお彼岸は9月23日を中日とした、前後3日間である9月20日〜9月26日になります。

お彼岸の初日の9月20日を彼岸入り、9月23日が中日(秋分の日)、最終日の9月26日を彼岸明けと呼びます。

お彼岸の中日である「春分の日」と「秋分の日」はどちらも国民の休日です。あらかじめ時期を把握して、お墓参りのスケジュールを決めておきましょう。

お彼岸とは?

彼岸とは仏教用語で、「理想の境地」を表す言葉です。彼岸は「この世とあの世が通じやすくなる」期間とされ、先祖供養の意味を込めて、お墓参りやお仏壇へのお参りを行います。

ご先祖様や死者となった大切な人のことを思って過ごすことで、成仏に繋がるとも言われています。

また、お彼岸には「いつか自分も迷いなく極楽浄土へ行くことができるようにと願う日」という意味合いがあります。

故人が亡くなり四十九日が過ぎてから、初めて迎えるお彼岸のことを「初彼岸」と呼びます。

お彼岸の意味や由来

お彼岸は、別名「当彼岸(とうひがん)」とも呼ばれます。お彼岸、または当彼岸の語源は、サンスクリット語のパーラミタという言葉だと言われており、仏教用語では、パーラム(彼岸)と、イタ(至る)という2つの意味を持っています。

お彼岸とお盆の違い

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お彼岸とお盆は、どちらもご先祖様や故人を思いお墓参りなどを行うものですが、意味合いが異なります。

お盆はご先祖様や故人が「この世」に戻ってくるとされる期間です。迎え火によってご先祖様をお迎えし、供養を行ったあとには、送り火であの世へ送り出します。

一方でお彼岸は、故人を思うとともに、自らも悟りの境地へ達する修行をするという意味があり、故人が「この世」に戻ってくるわけではありません。

彼岸と此岸の違い

彼岸と似ている言葉に、此岸(しがん)があります。彼岸とは故人がいる川の向こうの世界のことを指す一方で、此岸(しがん)は、私たちが生きている現世の世界、こちら側の岸のことと指します。このように、彼岸と此岸(しがん)は、まったくの別物です。

彼岸と此岸の間には三途の川が流れており、この川を境に生と死を区別し、さらには煩悩と悟り、俗世と来世を分けているとも言われています。

彼岸にすること

お彼岸の期間にすることをご紹介します。

墓参りや仏壇の手入れ

墓地墓石と花
taka4332/gettyimages

お彼岸では、お墓参りを行うのが一般的な風習です。お墓をそうじしたり、お供え物をしたりしましょう。また、お墓参り以外にも、お仏壇や仏具のお手入れやそうじを行います。

お彼岸の期間は春分の日と秋分の日の前後になり、祝日を利用して多くの方がお墓参りに訪れるためお墓が混雑しやすいです。そのため、余裕を持ったスケジュールを組んで、ご先祖様の供養を行いましょう。

彼岸会(ひがんえ)に参加する

京都,千オン寺,京都,日本で祈る僧侶
TakakoWatanabe/gettyimages

お彼岸の期間中には彼岸会(ひがんえ)と呼ばれる、仏教の法会が行われます。

お寺で行われる彼岸会は、故人やご先祖様の供養と、「六波羅密(ろくはらみつ)」の教えを知ることのできる大切な行事として執り行われています。

この彼岸会は聖徳太子の頃から始まり、平安時代から江戸時代の間に一般的になったといわれています。現在でも年中行事としてお寺で1年に2度、お彼岸の時期に行われています。

お彼岸にやってはいけないことはある?

お彼岸にやってはいけないとされていることはありません。「お祝い事をしない方がよい」と思われる方もいるかもしれませんが、9月は結婚式を挙げる月として人気なことから分かる通り、現代では気にする人が少ないと言えるでしょう。

一方で、秋のお彼岸時期に開花する「彼岸花」については注意すべき点があります。

美しい赤いクラスターアマリリスの多く。
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彼岸花とは、秋のお彼岸の時期である9月中旬〜9月下旬頃に開花して見頃を迎えるヒガンバナ科の多年草です。

彼岸花は毒をもっているため、取り扱いに注意が必要です。特に子どもはなんでも口にいれてしまいがちなので、誤って食べてしまわないように気をつけましょう。

彼岸花は秋のお彼岸の頃に、墓地の土手や田畑沿いに咲いていることがありますが、持ち帰らないのが賢明です。

お彼岸のお供え物

お彼岸のお供え物として利用されるものをご紹介します。

お団子やおはぎ

アン・クシ・ダンゴ
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お彼岸でお供え物の定番となっているものが「お団子」や「おはぎ」です。特に、おはぎの呼び方は、春には「ぼたもち」、秋には「おはぎ」と、同じものでも時期によって呼ばれ方が異なります。

ぼたもちは「こしあん」で、おはぎは「つぶあん」という違いがあります。

お彼岸のお供え物として、おはぎが定番となっている理由は、おはぎで使用する小豆の赤色が、邪気を払うことができると言われているからです。

また、おはぎで使用する小豆に含まれる砂糖は、昔は貴重なものでした。そのため、お彼岸におはぎをお供えすることで、故人に感謝の気持ちを伝えられると考えられてきました。こういった理由から、お団子やおはぎがお彼岸のお供え物として定着したのです。

果物

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果物も、お彼岸のお供えものとして好まれるものの1つです。果物は、お彼岸時には、包装済のものや盛籠(もりかご)などの形状で多く販売されているので、果物をひとつひとつ選ぶ手間はかかりません。

果物をお彼岸のお供え物として選ぶ場合は、日持ちを考え、熟れていない若いものを選ぶのがよいでしょう。

お供えするフルーツは、りんごやぶどう、ももやメロンなどが一般的。日持ちのしづらいフルーツのときは、「早めにお召し上がりください。」とひとこと添えておく心遣いもあるとよいでしょう。

実家のお供えは何がいい?

お彼岸で実家に帰る時のお供え物としては、実家だからこそのお菓子やお酒、果物、または家族が好きなものがおすすめです。お彼岸だからと形式にとらわれすぎる必要はありません。

実家にお彼岸で帰る時は、事前にお供えものの相談をするのもいいかもしれません。故人や家族の趣味趣向と合うものを考えて選ぶようにすると安心でしょう。

お彼岸に子どもと楽しめるアイデア

お彼岸に子どもと楽しめるアイデアを紹介していきます。

おはぎづくり

レンジで簡単おはぎ

おはぎ
E・レシピ

子どもと一緒にお供え物の「おはぎづくり」をしてみましょう。
道明寺粉があればレンジで簡単。包丁を一切使わないため、小さなお子さんでも安心です。
もち米をあんこで包むときは、ラップを使うとうまくできますよ。
完成したら、お供え物として仏壇にそなえ、冷めてからいただきましょう。

家系図を作る

家系の木は白い背景に隔離されています。
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お彼岸には自分たちの先祖について話す機会も多いはず。子どもたちも、自分たちがどのようにして生まれたかに興味を持っているでしょう。

そんな時には家系図を作るのがおすすめ。自分の両親や祖父母、そのさらに祖父母まで。分かる範囲で家系図に書き出してみてはいかがでしょうか。

子どもたちにとって、先祖への感謝の気持ちを持てる良い機会となるかもれません。

まとめ

お彼岸は、故人やご先祖様のためにお参りするべく大切な期間です。

春と秋にそれぞれある1週間のお彼岸。1日でよいので、ご先祖様のことを思い、お墓参りを行う日を作ってみてはいかがでしょうか。

参考サイト

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