「イースター」とは?いつ?何する?イースターエッグの作り方やイースターバニーの意味まで解説
2021/11/16
「イースター」とは、イエス・キリストがゴルゴタの丘で十字架にかけられて息絶えた後、預言通りに死後3日で復活したことを祝うお祭りです。
実は、イースターはクリスマスのように毎年決まった日にちにやってくるわけではありません。それは、イースターが「春分の日の後の、最初の満月の、次の日曜日」と定められているためです。
イースターの日には、家族で教会に行ったりごちそうを食べたりします。また、「イースターエッグ」や「イースターバニー」を飾ったり、特別なゲームをしたりする風習も残っています。
イースターとは?
イースターは、イエス・キリストの復活を祝う春のお祭りで、2世紀頃から開催されていたと言われるキリスト教の最古のお祭りでもあります。イエス・キリストとは、キリスト教の始祖。旧約聖書の預言通りに死後3日で復活したと言われています。そのため、イースターは、日本語訳では「復活祭」といいます。
一方、英語表記では「Easter」とあらわすイースター。
イースターの語源には諸説ありますが、ゲルマン神話の春をつかさどる女神「Eoster(エオストレ)」が語源になったという説が有名です。
これは昔、イースターの習わしが広まっていくなかで、ゲルマン民族の春のお祭りと混ざり合ったからとも言われています。
また、イースターは、クリスマス(イエス・キリストの降誕祭)、ペンテコステ(聖霊降臨祭)とともに、キリスト教の三大イベントのひとつ。
そしてキリスト教徒がクリスマスと同じくらいに、もしくはそれ以上に大切にしているイベントでもあるんです。
人々は、イースターの日が来ると「Happy Easter!」と挨拶し合い、イエス・キリストの復活と春の訪れを祝福します。
ちなみに、モアイ像で有名な南太平洋東部の島「イースター島」。
イースター島は1722年のイースターである4月5日に、オランダ人のロッヘフェーンによって発見されたため、そのように呼ばれるようになったのだそうです。
イースターはいつ?
同じキリスト教のお祭りでも、クリスマスの日にちが毎年12月25日と決まっているのに対して、イースターの日にちは毎年異なります。
これは、イースターが移動祝祭日だから。
イースターは「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日(イースター・サンデー)」と定められているのです。
また、イースターの日にちは西方教会と東方教会で異なります。
グレゴリオ暦を使ってイースターの日を算出する西方教会(カトリック教会・プロテスタント教会)では、2021年のイースターは4月4日、2022年は4月17日。
ユリウス暦を使ってイースターの日を算出する東方教会では、2021年のイースターは5月2日、2022年は4月24日となります。
イースターエッグとは?作り方解説
イースターには、卵に美しく色を付けた「イースターエッグ」を飾ったり贈り合ったりします。
「イースターエッグ」はイースターのシンボルとも言えるでしょう。
さて、イースターにはなぜイースターエッグを飾ったり贈り合ったりするのでしょうか?
それは、「卵」が生命や復活、春の始まりの象徴とされているからです。
また、キリスト教ではイースターの前日までに至る1週間のことを「聖週間」「受難週」などと呼びます。
イエス・キリストの受難を偲び、そして記念するこの期間には、かつて卵を食べることが許可されませんでした。
この期間に生まれた卵は全て保存され、美しく装飾されて、イースターの日に子どもたちに贈られたのだそうです。
このような歴史が現在に伝わり、イースターエッグを部屋に飾ったり贈り合ったりする習慣ができたのです。
また、イースターエッグの彩色に使われる色には、様々な意味が込められています。
〇赤・・・イエス・キリストの血や愛
〇緑・・・自然の恵み、希望
〇青・・・空、天上
〇黄色・・・知恵、ひらめき
〇ピンク・・・喜び、成功
イースターエッグの作り方
イースターエッグを作るときには、ペイントしやすいように、できればM~Lサイズの卵を選びましょう。
イースターエッグの作り方には、中身を抜いた卵に色を付ける方法と、ゆで卵にしてから色を付ける方法があります。
木に吊るしたり飾りつけに使ったりしたい時には、軽いほうがよいので中身を抜く方法に。小さい子どもと作る時には、壊れにくいほうがよいのでゆで卵を使う方法にするとよいでしょう。
ゆで卵を使う場合には、後から食べられるように野菜や果物などの植物色素を使って染めるのがおすすめですよ。
ただし、常温のゆで卵は長期保存には向かないので注意してくださいね。
卵の中身を抜く方法
1.生卵の丸い先端部分にフォークの先の1点をトントンとあてて、小さな穴をあける。
2.小さな穴があいたら少しずつ穴を広げ、直径1cmくらいになるまで広げる。
3.つまようじや箸で黄身をつぶしてかき混ぜ、出しやすくする。
4.中身を出して水で洗い、よく乾かす。
※抜いた卵の中身は後で料理に使いましょう。
また、卵の殻が乾いたら、色を付ける前にアルコールスプレーで消毒しておくと安心です。
植物色素を使って卵を染める方法
ゆで卵を作るときにお湯の中に野菜や果物などを加えることで、自然で優しい色合いに染めることができます。
また、マスキングテープやシールを利用すれば、白いままの部分を作ることもできておもしろいですよ。
〇赤・・・ビーツ
〇緑・・・ほうれん草
〇青・・・ブルーベリー
〇黄色・・・サフラン
〇茶色・・・玉ねぎの皮
他にもいろいろな野菜を使って挑戦してみてくださいね!
ある程度大きい子どもなら、色の持つ意味について教えてあげながら作るのもよいでしょう。
イースターバニーとは?
西方教会で行われるイースターでは、卵と並んで「ウサギ」もシンボルとされています。
なぜなら、ウサギは1年に何度も子どもを産めるということや、1度に6~7頭程度も産むことから、新しい生命の象徴と考えられているからです。
イースターには、「イースターバニー」がイースターエッグを運んで来たり、隠したりするという伝説が残っています。
また、春の女神エオストレ(Eoster)の使いが野ウサギだということからイースターにウサギが登場するようになったという説もあります。
子どもと楽しむイースターの過ごし方
さて、イエス・キリストの復活と春の訪れを祝福するイースター。
日本ではまださほど馴染みのない文化ですが、子どもたちにとっては異文化に目を向ける絶好のチャンスでもあります。
イースターならではのイベントを一緒に楽しみながら、海外の生活や文化について、少しずつ教えてあげてくださいね。
また、飾りつけやゲームなどで使われるイースターエッグは、できれば中身を抜いた卵や飾り用のおもちゃの卵などを使うのがおすすめ。
ゆで卵は常温保存に向かないので、ゆで卵で作ったものはなるべく早く食べるようにしましょう。
卵やウサギで部屋を飾り付ける
イースターを楽しみたいと思ったときに、小さな子どもでも気軽に参加できるのがイースターエッグやイースターバニーを使った飾りつけです。
アイデア次第で自由に楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
「春のお祭り」という側面もあるイースターなので、パンジーやチューリップなど、春の花を一緒に飾るのもよいでしょう。
他にも、バスケットなどに入れてテーブルや窓辺に置いたり、クラフト用ボンドや両面テープなどでリボンをつけて花瓶に結び付けたり、カーテンやドアノブから吊るしたりしてもよいですね。
また、観葉植物やお庭の木にイースターエッグを吊るし、「イースターツリー」として飾り付ける方法もあります。
イースターツリーは、特にドイツやオーストリアで有名です。
エッグハント
エッグハントとは、イースターエッグを探す定番の遊びです。
本記事でもイースターバニーがイースターエッグを運んで来たり隠したりするという伝説を紹介しましたが、この伝説が現在まで語り継がれて、「エッグハント」というゲームに発展しました。
ゲームの準備としては、まず大人が芝生の上や花壇の中など庭のいろいろなところにイースターエッグを設置します。
設置が終わったら、バスケットを持った子どもたちが庭に出て「エッグハント」を開始!
春の暖かい日差しを浴びながら行うエッグハントは、宝探しのような感覚でとても盛り上がりますよ。
外でエッグハントを行う時には、中身の抜いてある卵を使ったり、市販の卵型のおもちゃにお菓子を入れて使ってもよいでしょう。
エッグレース
「エッグレース」はスプーンなどを使ってイースターエッグを運ぶゲームです。
単純ですが意外と難しく、大人から子どもまで楽しめます。
大人はスプーンを使い、子どもはお玉を使うなど、ハンデを設けたりしてもよいですね。
子どもには自分で選ばせるのでもよいでしょう。
障害物を用意したりチーム戦にしたりすることで、いろいろな楽しみ方ができます。
エッグロール
エッグロールは卵をコロコロと転がすゲームで、先にゴールに着いた人が勝ちです。
エッグレースのように落としてしまう心配はありませんが、卵の形はまん丸ではないので、まっすぐに転がすのは至難の業!
また、アメリカのホワイトハウスでもイースターにエッグロールを行うのが恒例になっているそうです。
小さい子どもでも気軽にチャレンジできる、イースターの定番の遊びです。
卵料理を作って食べる
イースターの日には卵を使った料理を楽しみたいものです。
イースターにぴったりのレシピを2つご紹介します。
ゆで卵まるごと!スコッチエッグ
ゆで卵を魚肉ソーセージ入りのあわせだねで包んでフライにした、イースターにぴったりの華やかな一品です。
付け合わせにブロッコリーとミニトマトを添えれば彩も良く、栄養バランスも良いですね。
ボリュームたっぷりで大人から子どもまで満足できます。
フルーツプリン
子どもの大好きなプリンは家でも簡単に作ることができます。
卵たっぷりのプリンに旬のいちごをのせれば、春のお祭りにぴったりのかわいらしいデザートに。
自然の恵みに感謝して、家族みんなでいただいてくださいね。
まとめ
イースターは、イエス・キリストの復活を祝福する春のお祭りです。
子どもたちにとって、宗教や海外の文化について理解するのは難しいことではありますが、まずは触れてみることが第一歩。
イースターの日には、ゲームやごちそうを一緒に楽しむことから始めてみてくださいね。
異なる文化の行事を共に楽しむことが、異なる文化を尊重する心を養うためにきっと役立つことでしょう。