立秋とは?2022年はいつ?食べ物、残暑見舞いの書き方、時候の挨拶まで解説
2021/11/16
立秋は秋の始まりの日を指します。2021年、2022年ともに8月7日が立秋です。
しかし、8月の初めというと、まだ夏の盛りというイメージが強く、秋と言われてもピンと来ないかもしれません。
そこで、旬を迎える食べ物や花、時候の挨拶など立秋に関するさまざまな事柄を解説していきます。
立秋はいつ?
国立天文台の発表によると、2020年~2022年の日本における立秋は以下の通りです。
2020年8月7日(金)
2021年8月7日(土)
2022年8月7日(日)
毎年8月7日というわけではなく、太陽の動きに合わせて8月6日~8日の間で変動があります。立秋には「秋」という文字が入っていますが、8月上旬はまだ真夏で秋を感じさせない気候ですね。
これからもっと詳しく立秋について解説していきます。
立秋とは?
立秋とは秋が始まる日のこと。しかし実際に立秋にあたる8月7日頃は暑さの全盛期で、子どもたちは夏休み真っ最中でしょう。立秋の意味や由来、子どもへの伝え方について説明します。
立秋の意味と由来
立秋は二十四節気の1つ。二十四節気とは中国から伝わってきた太陰太陽暦のことで、太陽の動きを基に1年間を24に分けて季節を把握する方法です。
立秋は夏至と秋分のちょうど真ん中にあたり、太陽の黄経が135°に達する時期。祝日になっている秋分は秋真っ盛りですが、立秋はこの日から秋が始まるスタートの日といえます。
立秋は秋の始まりである1日を指すことが多いのですが、1年を24に分けた暦でもあるため、約15日間ほどの期間を表す言葉でもあります。同じく二十四節気である大暑と処暑の間が立秋で、だいたい8月7日~22日という期間です。
立秋の期間を3つにわけると?
日本では、二十四節気をより細分化した七十二候という暦も使われます。七十二候によって立秋の約15日間を5日ずつに分けると次のようになります。
涼風至(すずかぜいたる)
立秋期間の最初の5日間(8月7日~11日頃)は「涼風至」といいます。日中は暑い時期ですが、朝晩に涼しい風が吹いて秋を感じることがあるかもしれませんね。
寒蝉鳴(ひぐらしなく)
8月12日~16日頃、ちょうどお盆の時期は「寒蝉鳴」と呼ばれます。ヒグラシというセミの仲間が鳴き始める時期です。
蒙霧升降(ふかききりまとう)
8月17日~22日頃は「蒙霧升降」です。標高のある山では朝晩に冷え込み、霧が立ち込めることもあることから、こういった名称が付いたのでしょう。
梅雨明け宣言は立秋まで
梅雨明け宣言は立秋までというのが慣例です。
もし立秋を過ぎても梅雨明け宣言が出されない場合、その年は梅雨明け発表なしということになります。実際に2020年は8月に入ってからも梅雨のような雨の日が続いたため、東北北部の梅雨明け宣言が出されませんでした。
立秋までに梅雨明けの判断ができない場合、その後訪れる秋雨前線と分けることができないことから、梅雨明け宣言は行われないのです。
立秋を子どもに伝えるなら
子どもから「立秋って何?」と聞かれたとき、どのように答えたらよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
「中国のこよみのうえでは、この日から秋が始まるんだよ。今の日本のこよみとは1ヵ月くらいずれていて、まだまだ暑さ真っ盛りだね。」と答えてあげると子どもにも伝わりやすいでしょう。
立秋は英語で何という?
立秋とは中国や日本で使う暦なので、英語でそのままずばりと表す言葉はありません。
英語で表現する際には、次の言葉を使いましょう。
the beginning of autumn
秋の始め
the first day of autumn
秋の最初の日
「暑中見舞い」は立秋まで、「残暑見舞い」は立秋から
夏に出すお便りといえば暑中見舞いと残暑見舞い。何となくで使い分けている方も多いのではないでしょうか?
実は、立秋を境に暑中見舞いから残暑見舞いに変える必要があります。
暑中見舞いの書き方と例文
暑中見舞いは、二十四節気の小暑から立秋の前日までに出すお便りのこと。だいたい7月7日~8月6日に該当します。
暑中見舞いの書き方
暑中見舞いは、まず冒頭に「暑中お見舞い申し上げます」と挨拶を入れます。本文よりも少し大きめの字で書くのが見栄えがよくなるポイントです。
挨拶のあとに、相手を気遣う文章と近況報告などの本文が続きます。最後に「〇〇年 盛夏」と加えましょう。
暑中見舞いの例文
暑中見舞いの例文をご紹介しますので、実際に書くときの参考にしてみてはいかがでしょうか?
<例文>
暑中お見舞い申し上げます
全国的に暑い夏だと言われていますが、いかがお過ごしでしょうか?
こちらは子どもたちのベランダプールに付き合う毎日です。小さなプールに浸かりながら、子どもたちは「じいじとばあばと海に行きたいな」と、言っています。
酷暑の折、夏バテなどしませんように。お正月には帰省するつもりですので、元気にお会いできるのを楽しみにしています。
2021年 盛夏
残暑見舞いの書き方と例文
立秋を境に、暑中見舞いから残暑見舞いに変わります。年によって異なりますが、だいたい8月7日~8月22日の立秋期間が残暑見舞いにふさわしい時期です。8月23日以降処暑に入ったあとも、8月いっぱいは残暑見舞いを出せます。
残暑見舞いの書き方
残暑見舞いも冒頭で「残暑お見舞い申し上げます」と挨拶を入れます。本文よりもやや大きめの字で書くと格好がよいでしょう。
挨拶のあとは本文を続けます。本文は、相手を思いやったりこちらの近況報告をしたりという内容が適切です。
最後に「〇〇年 晩夏」で締めます。「晩夏」のほかにも、「立秋」や「葉月」と入れてもよいでしょう。
残暑見舞いの例文
残暑見舞いを実際に出すときの例文をご紹介します。
<例文>
残暑お見舞い申し上げます
暦の上では秋になったとはいえ、まだまだ暑い日が続いていますね。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?
こちらも日中暑くて外出しにくいお天気ですが、かき氷や花火など子どもたちと夏を満喫しております。(こどもの名前)はお盆明けに幼稚園の納涼祭があり、(こどもの名前)送っていただいた浴衣を着るのを楽しみにしているところです。
夏の疲れが出る頃ですので、無理をせずお身体を大切にしてくださいね。
2021年 晩夏
「立秋の候」の使い方
立秋の候は、時候の挨拶として、立秋の時期に手紙を書くときに使うことができます。立秋の候は「立秋の時期になりましたね」程度の意味を持っています。
具体的な使い方をご紹介しましょう。
「立秋の候、いかがお過ごしでしょうか?」
「立秋の候とは名ばかりの暑い日が続いています」
このように、「立秋の候」を文章の頭に持ってきて使います。
立秋の食べ物
立秋の時期に旬を迎える食べ物をご紹介します。
とうもろこし
6月~9月が旬のとうもろこしは、ビタミンやミネラルが豊富に含まれるため、暑い時期にぴったりの食材です。立秋の時期は甘い実をびっしりつけたとうもろこしがスーパーに並びます。
そのまま湯がいても美味しいとうもろこしですが、とうもろこしご飯やスープにするときは芯も一緒に入れると旨味が出てさらにおいしくなります!
とうもろこしご飯
枝豆
子どもも大人も大好きな枝豆。たっぷりのお湯で塩茹でして食卓に並べれば、それだけでステキな1品になります。枝豆はタンパク質とカリウムがたくさん摂れる栄養満点な食材です。定番の食べ方に飽きたら、仙台名物の「ずんだ」のようにみじん切りして砂糖を加えてデザートにするのもおすすめ。
立秋はいろいろな枝豆の食べ方を試してみましょう。
手作りずんだ餅
桃
甘くてジューシーな桃も立秋に旬を迎えます。この時期は街のケーキ屋さんなどでも、桃を使ったスイーツがたくさん並びます。桃のタルトやゼリー、シャーベットなど、この時期ならではのスイーツを楽しみましょう。
桃のミルクゼリー
立秋の頃にすることは?行事や風習
立秋の頃に行われるイベントや風習をご紹介します。まだまだ暑くて夏バテしやすい立秋の時期ですが、季節を感じるイベントで楽しく過ごしたいですね。
お盆
お盆とは、先祖の霊を家に迎え、供養する行事です。東京など一部の地域では7月に行われるお盆ですが、多くの地域では立秋の1週間後(8月13日頃)がお盆の始まりです。1年に1度ご先祖様があの世から帰ってくるといわれるお盆。盆入りの日には、先祖の魂が迷わずに家に帰ってくるように火を焚き(迎え火)、盆明けの日には、先祖の魂が無事にあの世へ戻れるように火を焚く(送り火)習わしがあります。
暑気払い
暑気払い(しょきばらい)とは、夏の暑さを払いのけることです。暑気払いというと、大人は「宴会をすること」をイメージするのではないでしょうか?たしかに、8月上旬は各地でビアガーデンなど夕涼みをしながらお酒の飲めるお店が繁盛する時期ですね。地域の納涼祭などもこの時期に行われることが多いでしょう。
また、水浴びをしたりかき氷を食べたりすることも暑気払いになります。夜祭りなどに家族で出かけて、夕涼みするのもよいですね。
立秋を感じる花
立秋に見られる花をご紹介します。
ひまわり
ひまわりは8月上旬に見頃を迎える花です。子どもと一緒に栽培したり、ひまわり畑を見に行ったりと、さまざまな楽しみ方ができますね。
つゆくさ
つゆくさはかつて布を染めるのに使われた花です。青くて小さな形が涼しげですね。散策中などに見つけたら、子どもと一緒に色遊びができるでしょう。
子どもと楽しむ立秋の過ごし方
立秋を子どもと一緒に楽しみたいとき、おすすめしたいのが次の3つの過ごし方です。楽しみながら子どもが生きた知識を得られる体験をご紹介します。
空を見上げてみよう
立秋の時期は空が澄みきっているので、雲を観察するのにぴったり。ぜひ子どもと一緒に空を見上げてみましょう。この季節に特徴的なのは、「いわし雲」というイワシの大群のように小さく細長い雲の集まりです。いわし雲が見られると天気が崩れて雨になるといわれています。
桃狩りに行ってみよう
立秋の時期に旬を迎える桃。場所によっては桃狩りをできる農園もあるので、子どもと一緒に楽しんではいかがでしょうか?自分で収穫した桃は格別のおいしさで、子どもにとっても忘れられないイベントになることでしょう。
お盆用の精霊馬を作ってみよう
お盆前の時期であれば、子どもと一緒に精霊馬(しょうりょううま)を作るのもおすすめです。
精霊馬とは、お盆のお供え物のひとつで、材料はキュウリ・ナスと割り箸1本のみ。キュウリやナスに短く切った割り箸を4本挿すだけで、ご先祖様を乗せる馬と牛ができあがります。完成した精霊馬は仏間や玄関などに飾ってもよいですね。
まとめ
秋の始まる日である立秋。しかしながら、実際にはまだまだ暑い日が続き、夏バテをしてしまいそうな季節です。旬のものを楽しみながら上手に暑気払いをしたいですね。
またこの時期は子どもが夏休み中という家庭も多いでしょう。子どもと一緒に立秋を感じられる過ごし方を紹介しましたので、親子で楽しんでみてはいかがでしょうか?