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「クリスマス」とは?由来・歴史・料理・ケーキから世界の祝い方まで

2021/12/20

心浮き立つイベント「クリスマス」。きらびやかな祝福ムードに包まれたクリスマスを、今年はどのように過ごすか?毎年、悩ましくもワクワクしますよね。

クリスマスイブは、12月24日。クリスマスは、12月25日です。

今回は、クリスマスとは?クリスマスの起源や由来は?という疑問に加えて、意外と知らないクリスマスの歴史や風習、シンボルの意味、サンタクロースとプレゼントの意味、世界のクリスマス事情について紹介します。

クリスマスとは?どこの国の行事?

美しいクリスマスプレゼントや装飾ライト
cyano66/gettyimages

クリスマスとは、イエス・キリストの降誕祭のこと。毎年12月25日に世界中で行われている行事で、多くのキリスト教の諸教派がイエス・キリストの降誕を祝うミサを盛大に行います。

勘違いしている方も多いのですが、クリスマスは、イエス・キリストの誕生日ではありません。イエス・キリストの誕生日を特定した記録は存在しておらず、聖書にも記述が存在していないようなのです。

クリスマスは1年に一度、毎年12月25日に訪れます。年越しを迎える前に1年をお祝いムードで包み込む、最も大きなイベントの一つといえますね。

クリスマスの起源・由来

クリスマスは、今から約2000年前にユダヤのベツレヘムの馬小屋で、聖母マリアのもとに生を受けたとされるイエス・キリストの生誕をお祝いする日のこと。

クリスマス(“Christ” ”mas”)は、それぞれ「キリスト」「ミサ・礼拝」という意味で、毎年12月25日に、世界中の多くのキリスト教の諸教派がミサを催すお祭りです。

その起源は4世紀のローマ帝国にあり、土着信仰との融合に由来したとの説があります。当時のローマ帝国では、コンスタンティヌス大帝の強大な権力により、キリスト教は国教として制定されつつありました。一方、対立軸として、太陽神ミトラスを信仰神とした民衆信仰「ミトラス教」がありました。

ミトラス教では、その日を境に昼の時間が長くなる「冬至」を「不滅の太陽の誕生日」「光の祭り」として、12月25日に祝っていました。それを、キリスト教の聖書の記述にある「義の太陽」との解釈を合わせた形、いわば折衷案として始められたのが、12月25日のクリスマスといわれています。

日本のクリスマスの歴史

日本でのクリスマスの歴史は、室町時代の1552年、イエズス会の宣教師、フランシスコ・ザビエルが、現在の山口県でおこなったイエス・キリストの降誕祭に始まります。

その後のキリスト教弾圧などを経て、今のような形になったのは、明治以降です。明治時代には、東京銀座でクリスマス飾りが始まり、大正時代には子ども向け雑誌の挿絵にクリスマスが登場。

昭和初期には繁華街の庶民にも浸透し、戦争中には下火になったものの、戦後の復興、ベビーブームなどとともにクリスマスを祝う風習は広がっていきました。

クリスマスイブとは?

クリスマス七面鳥のディナー
AlexRaths/gettyimages

クリスマスイブは、日本では毎年12月24日の夕方から夜のことを指します。しかし、本来クリスマスイブとは「クリスマス当日の夜」ということをご存知でしたか?

クリスマスイブの「イブ」は、英語の “ evening(夜)” を指す古語 ” even ” の意味。すわなち、クリスマス当日の夜のことになりますよね。

このことについては、ほかにも、キリスト教の前身にあたるユダヤ教の「日没が日付の境界であり、新しい日付の切り替えのタイミング」としたユダヤ暦の解釈も関係するようです。

日本では、クリスマスイブはクリスマス前夜との解釈があるのも事実です。しかし、上記から、そもそものクリスマスイブには、そうした意味合いは含まれないといえます。

クリスマスに関する風習と意味

クリスマスがもっと楽しくなるよう、ここではクリスマスに関する風習や意味、その成り立ちについて解説していきます。

サンタクロースとプレゼントの意味

キャンディー杖と魔法の森の中でクリスマスのそりでハッピーサンタクロース。
Vadmary/gettyimages

サンタクロースのモデルとして有名なのは、4世紀頃の現在のトルコに実在した神父セント・ニコラス(聖・ニコラス)です。サンタクロースが空を飛んでくる設定は、北欧神話に登場する「空駆ける神オーディン」に由来するなど、その原型には複数の説があります。

サンタクロースという呼び名は、聖・ニコラスを意味するオランダ語なまりの「シンター・クラース」から。イギリスでは「ファザー・クリスマス」、フランスでは「ペール・ノエル」と、その国々によって変わるもの。つまり、世界共通語ではないようですね。

プレゼントの意味は、私財を投入して行った聖・ニコラスによる施しや、ベツレヘムの星のお告げによってイエス・キリスト生誕を知り、そのお祝いに駆けつけた東方の三賢人の贈り物など、やはり諸説が混在しています。

ちなみに、サンタクロースの衣装の赤い色はカトリックの神父服の色に由来したもの。そして、ふくよかな体形で恰幅(かっぷく)のよいイメージは、20世紀に入ってから、アメリカの某有名清涼飲料メーカーの広告に始まったようです。

デコレーションの意味 ーそのシンボルと由来ー

光沢のある黄金のボーブルクローズアップでクリスマスツリーを飾る女性。クリスマスの時間の準備。ライトでお祝いの木の背景に手で現代的なキラキラの装飾。楽しい休暇をお過ごしくだ�
Bogdan Kurylo/gettyimages

クリスマス飾り(デコレーション)のシンボルにも、その由来や意味があります。たとえば、星は、イエス・キリストの生誕を東方の賢人に知らせた「ベツレヘムの星」。天使は、聖母マリアに受胎告知をした大天使「ガブリエル」。オーナメントボールは、アダムとイブが口にした「禁断の果実」。ステッキ型のキャンディケイン(candy cane)は、Jの形が「Jesus(ジーザス)」や堅牢な信仰心など。

このように、クリスマスのデコレーションに欠かせないシンボルの一つひとつは、イエス・キリストの降誕や聖書、伝承に由来した意味が込められているのですね。

クリスマスツリーの意味

クリスマスツリーとギフトに囲まれて
Tom Merton/gettyimages

クリスマスツリーは、北欧の古代ゲルマン民族が、冬至のお祭り「ユール」で、樫の木に供物を捧げた「樹木信仰」の名残との説があります。つまりそもそもはイエス・キリストの降誕を祝うクリスマスとは無関係でしたが、15世紀頃のドイツで、樫の木からモミの木に変更され、そののちに現在のようなクリスマスのシンボルツリーとして育っていったようです。

ちなみに、クリスマスツリーの電飾は、アメリカの発明家エジソンが、白熱球を開発したプロモーションから始められたといわれています。

ポインセチアの意味

赤いポインセチア、伝統的なクリスマスの花と冬の窓の窓のろうそく。
Timofey Zadvornov/gettyimages

ポインセチアは、メキシコが原産の常緑植物です。メキシコ(スペイン語)では、聖夜を意味する「ノーチェ・ブエナ」と呼ばれます。代表的な花言葉は「幸運を祈る」です。

ポインセチアとクリスマスとの関連は、17世紀、メキシコで布教活動をしていた宣教師が、ポインセチアの形をベツレヘムの星に見立て、赤く色づいたその色を「清純なキリストの血」になぞらえたことから。そしてイエス・キリストの降誕祭に使用して以来始まったものとされています。

「ポインセチア」の名前は、19世紀前半にメキシコに自生していたこの植物をアメリカへ持ち帰った初代メキシコ公使ポインセット氏にちなんだものです。

赤と緑がクリスマスカラーであるのはなぜ?

クリスマス イルミネーションで街
EvgeniiAnd/gettyimages

赤と緑はイエス・キリストの「愛と永遠の命を象徴した色」であるとしたキリスト教の宗教的な意味合いから、クリスマスカラーとして定着していったようです。

鮮やかな色彩のコントラストが美しい赤と緑。「赤」は、イエス・キリストが十字架の上で流したとされる血の色の象徴で、寛大さや愛を意味するもの。一方の「緑」は、枯れない常緑樹の力強い生命力の象徴で、イエス・キリストの永遠の命を、それぞれ意味します。

ほかにもクリスマスカラーとして馴染み深い「白」は、雪の色に象徴されたイエス・キリストや支持する者たちの純潔な魂を象徴。「金」は、イエス・キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星の象徴であり、高貴さを意味するものとされています。

クリスマスに楽しみたい料理・飲み物

1年にたった一度の大切なクリスマスの日を、より豊かに楽しみたい。そんな気分を盛り上げてくれる演出に欠かせない、珍しい料理や飲み物などについてご紹介していきます。

七面鳥

伝統的なローストトルコオンホワイト
evgenyb/gettyimages

鶏肉と比較すると、サイズがかなり大き目で、淡泊なお味の七面鳥。ハーブや野菜とともに、丸ごと1羽をオーブンでローストした「ローストターキー」。七面鳥にスタッフィング(パンやソーセージミートやハーブなどを詰める)」し、肉汁と赤ワインや玉ねぎ、スパイスなどを加え、グレービーソースを添えた料理が人気です。

七面鳥は、元々はアメリカの感謝祭のシンボルでしたが、1843年に出版のチャールズ・ディケンズ著の『クリスマスキャロル』に登場以来、クリスマスの定番のごちそうとして、英国を中心に広まっていったようです。

エッグノッグ

エッグノッグ、シナモン
Mizina/gettyimages

エッグノッグは、泡立てた卵黄と砂糖、牛乳を原料とした甘味のある飲み物です。ケーキのような味わいにバニラエッセンスの甘い香りや、シナモン、ナツメグ、クローブなどのスパイスなどで風味づけをします。

さらに、ラム酒やブランデーなどのアルコールを加えた、熱々のエッグノックは、欧米の寒いクリスマスシーズンに、身も心も、そして大切な人たちとの語らいの場をも温める特別な飲み物として、愛飲されているようです。

ブッシュドノエル

チョコレートブッシュドノエルケーキ
etorres69/gettyimages

ブッシュドノエルは、ロールケーキに、生クリームやココアクリームなどがデコレーションされたクリスマスケーキの一種です。

フランス語で、ブッシュは「木」「丸太」、ノエルはラテン語の natalis「生誕」を示すもの。すなわち「クリスマスの木」を意味します。

木の切り株や薪の形状の由来については、北欧の古代ゲルマン民族の樹木信仰説、生誕したばかりのイエス・キリストを暖炉で温めた薪の説などがあります。

ジンジャーマンクッキー

クリスマスのビスケット、ジンジャーブレッド
Choreograph/gettyimages

可愛らしい人形型にかたどられたジンジャーマンクッキー。この形は、16世紀に流行した疫病・ペスト対策として、身体を温め病気予防に効果的な生姜(ジンジャー)を国民に推奨した当時のイギリス国王・ヘンリー8世(1491年~1547年)を模したものが、その始まりといわれます。

はちみつや生姜、シナモンといった身体によい食材をふんだんに使用して硬く焼き上げたクッキーには、大切な人の無病息災や魔除けの願いが込められ、クリスマスのお祝いの日にも使われるようになったようです。

パネットーネ

パネットーネ - 伝統的なイタリアのクリスマスケーキ
arina7/gettyimages

パネットーネは、イタリア・ミラノが発祥の菓子パンです。大きなドーム型の形をしています。作り方は、バターや砂糖、卵がふんだんに使用されたブリオッシュ生地の中に、レーズン、プラム、オレンジピールなどのドライフルーツを、ラム酒に漬けて刻んだものを混ぜて、オーブンで焼き上げます。

菓子パンとケーキの間のような柔らかな食感は、パネットーネ種という酵母菌の発酵によるもの。発酵により保存期間が長く楽しめる点にも、その特徴や人気の秘密があるようです。

世界のクリスマスの祝い方

クリスマスに対する解釈や風習は世界各国で異なります。ここでは世界の国々がどのようなクリスマスの準備をし、豊かにお祝いをするかについて、みていきましょう。

アメリカ

一緒にクリスマスを祝う友人
SeventyFour/gettyimages

アメリカでは、クリスマスシーズンに、実家に帰省するのが伝統。日本に例えるとお盆シーズンのように、空港や駅が帰省客で賑わいます。

クリスマスツリーをリビングルームに置き、リースやポインセチアで家の飾り付けをするのが定番。12月24日のクリスマスイブには、多くの人たちが教会の礼拝に出席し、クリスマス・キャロルを歌い、ツリーの下に家族やサンタクロースからの贈り物を置きます。

クリスマス当日は、自宅や友人の家でプレゼントを開き、ごちそうを食べたりして過ごします。

イタリア

イタリアの伝統的な張りキリスト降誕シーン クリスマスの休日の装飾
Cristiano Gala/gettyimages

カトリックが国教のイタリアでは、クリスマスは一年で最も大切な日。例年12月8日の「聖母マリア無原罪のお宿り」という祭日から、イエス・キリストの降誕の物語を再現したジオラマ「プレゼピオ(Presepio)」を飾ります。

また、クリスマスイブには、肉食を控え、魚や野菜を中心とした料理で体を清めつつ、クリスマス当日には、家族が一堂に会して大聖堂のミサへ行くのが一般的です。家族と過ごす時間を優先するため、クリスマスには、ほとんどの商店が閉店します。

イギリス

メリークリスマスと新年あけましておめでとうございます!- 多人種の若い笑顔の友人はバーで休日を祝っている - 若いビジネスマンのグループは、コワーキングでシャンパンを乾杯し、飲ん�
charmedlightph/gettyimages

イギリスでは、親戚一同でクリスマスを祝う習わしがあります。 クリスマスのごちそうは、イギリス伝統の七面鳥やガチョウの「ロースト」が基本。そしてずっしりとした食べごたえのクリスマスプディングを食します。

例年12月25日の15時からは、エリザベス女王によるメッセージのテレビ中継があります。そしてその翌日の12月26日から1月にかけて、18世紀頃から始まった「ボクシングデー」というウィンターセールが続き、クリスマスに続く大きな経済効果があるようです。

フランス

丸の内近くの東京の冬のイルミネーション
wnmkm/gettyimages

クリスマスのイルミネーションの美しさに定評があるフランスでは、早くも10月下旬から「マルシェ・ド・ノエル」と呼ばれるクリスマス商戦が始まります。

クリスマスイブには、「レヴェイヨン」と呼ばれるディナーを家族で楽しむ風習があります。レヴェイヨンとは、フランス語で目が覚めるという意味で、夜通し飲んだり食べたりします。グルメのお国柄らしくフォアグラ、生ガキ、エスカルゴといったフランス伝統のごちそうや、シャポンと呼ばれる鶏料理などを楽しむようです。

イスラエル

ハヌカユダヤ人の休日に幸せなユダヤ人の母と娘
chameleonseye/gettyimages

イエス・キリストの生誕の地、イスラエルでは、クリスマス飾りなどは定着していません。その理由は、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教がそれぞれの聖地とするため。また、国民のおおよそ8割を占めるユダヤ教とキリスト教をめぐる長い歴史的な対立の影響などによるものといわれています。

そうしたなかでも、生誕教会などイエス・キリストにまつわる聖地を中心とした教会では、信者が集まったり、行われるクリスマスのミサの様子が世界に配信されたりもするようです。

子どもと楽しむクリスマスの過ごし方

子どもたちと楽しむ手作りの時間は、ほんの少し手間を加えただけでも、スペシャルな思い出に!世界にたったひとつのクリスマスの思い出づくりのため、手作りを取り入れてみましょう。

クリスマスカードやリースを作ろう

コーヒーとクリスマスの装飾のカップとブランクプランナーのフラットレイ。
Anna Ostanina/gettyimages

クリスマス飾りを手作りでつくるのは、子どもにとって最高にワクワクすること。カラフルなペンで彩った特別なクリスマスメッセージを添え、色紙や厚紙、ビーズ、リボンなど、手頃な材料をつかって、クリスマスカード作りをしてみましょう。

クリスマスリースも同様です。もしも野山を散策すれば、松ぼっくりやツタなどの材料が、運よく手に入れられる可能性があります! 最近では、写真を撮るだけで植物の名前がわかるアプリなどもありますので、お子さんとお散歩がてら材料探しから始めるのも、楽しい思い出づくりに一役買ってくれそうですね。

すべて手作りでは負担という方は、市販の手作りキットなどと組み合わせたアレンジで手作り感を味わうのも満足感が高くなるので、おすすめです!

クリスマスソングを歌おう

素朴な木製のテーブルに文字列ライト付きクリスマスオーナメント
RomoloTavani/gettyimages

下記のようなクリスマスソングの歌詞をお子さんと覚えるのもよいですよね!

・ジングル・ベル
・あかはなのトナカイ
・ひいらぎかざろう
・あわてんぼうのサンタクロース
・もろびとこぞりて
・ウインター・ワンダーランド
・サンタがまちにやってくる
・きよしこのよる
・Twinkle, Twinkle, Little Star
・We Wish You a Merry Christmas

やさしいメロディにわかりやすい歌詞は、誰もが親しめる内容で、楽しいクリスマスの気分を盛り上げてくれるでしょう。

出典:Amazon

クリスマスの絵本を読もう

絵本を読む母と娘
maruco/gettyimages

クリスマスの時期になると書店の店頭などにずらりと並ぶクリスマスに関連した絵本。美しい装丁や楽しい良本などがたくさんあって、つい目移りしてしまいますよね。そんなクリスマスの絵本選びの一番のコツ。それは、温かい気持ちになってお子さんと一緒に楽しめるかどうかです。

たとえば、日本のロングセラー「ぐりとぐらのおきゃくさま」は、子どもたちが大好きなかわいい動物たちがたくさん登場する1冊。世代を超えて長く愛されています。

まとめ

クリスマスが世界中の人たちを魅了し、愛され続ける理由。それは、お祝いムードでいっぱいの華やかさに加えて、世界各地で大切に守られてきた伝承が折り合いをつけ、進化して広まっていったその成り立ちにも、あるのかもしれません。

また、世界中の多くの人が同じ日をお祝いをするクリスマスは、世界規模で見てみても、貴重な1日といえるでしょう。年に一度の、大切なクリスマスの思い出を、大切な人やご家族、そしてお子さんとともに、目いっぱいお楽しみくださいね!

参考サイト

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