「ハロウィン」とは?2022年はいつ?起源や由来・食べ物・海外と比較
2021/12/20
近年、日本でも盛り上がりを見せている秋のイベント、ハロウィン。仮装したり、かぼちゃを飾ったりするほか、アメリカでは子どもたちが「トリック・オア・トリート!」と言ってお菓子をもらう風習があります。
今回の記事では、意外と知らないハロウィンの起源や由来を解説。さらに、ハロウィンの食べ物や海外の伝統、子どもとの楽しみ方もご紹介します。
ハロウィンはいつ?
ハロウィンは、毎年10月31日です。毎年決まった日なので、ぜひ覚えておきましょう。
2020年10月31日(土)
2021年10月31日(日)
2022年10月31日(月)
とはいえ、実際にハロウィンを楽しめるのは当日だけではありません。テーマパークなどのハロウィンイベントは9月から始まることが多く、10月になると街中でもハロウィンの装飾が増えていきます。
また、ハロウィン当日が平日の場合は、その前の週末(10月最後の週末)にイベントが行われることも多くなっています。
ハロウィンとは?収穫祭との関係
ハロウィンとは、カトリック教会の祝日「諸聖人の日」(すべての聖人を記念する日)の前夜に行われるお祭りのこと。この夜、仮装した子どもたちが近所の家を訪ねてお菓子をもらう風習があります。
古代ヨーロッパ発祥のお祭りですが、アメリカの大衆文化として根付き、その後は英語圏を中心に世界各国へと広まりました。
諸聖人の日は英語で「All Hallows’ Day」、その前夜は「All Hallows’ Eve」といいます。これが短くなり「Halloween(ハロウィン)」と呼ばれるようになったそうです。
ハロウィンの起源・由来・発祥の地
ハロウィンの始まりは、2000年以上も前。古代ケルト人のお祭り「サウィン祭」が起源と言われています。
古代ヨーロッパの先住民族とされるケルト人は、11月1日を新年の始まりとし、大晦日にあたる10月31日には秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払うお祭りをする風習がありました。
1年の終わりとなるこの日は、あの世から先祖の霊が戻ってくる日でもあり、そこにまぎれ込んで悪霊もやってくると信じられていたため、人々は仮装したり火を焚いたりすることで、悪霊から身を守ろうとしたのです。
この伝統行事がカトリック教会の「諸聖人の日」と融合し、ハロウィンが生まれました。19世紀にはアイルランドやスコットランドから大量の移民がアメリカに渡り、ハロウィン文化がアメリカに広まったのが現代ハロウィンの起源です。現在では宗教的な意味合いは薄れ、大衆文化として定着しています。
ジャック・オー・ランタンの意味
ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)とは、ハロウィンのシンボルともいえる「かぼちゃのランタン」のこと。
オレンジ色のかぼちゃをくりぬいて目・鼻・口を作り、中にロウソクを立てます。ジャック・オー・ランタンは玄関先に飾ることが一般的。これは怖い顔に仕立てることで悪霊を追い払う意味があるためです。
ジャックとは、アイルランドの物語に登場する男の名前。生前に悪いことばかりしていたジャックは死後、天国にも地獄にも行くことができず、かぶで作ったランタンに火を灯して暗闇の中をさまよい続けている、という話が由来となっています。物語に登場するのは「かぶ」ですが、アメリカに伝わってから「かぼちゃ」を使うようになりました。
トリック・オア・トリートの意味
ハロウィンの日の夜、魔女やお化けに仮装した子どもたちは、近所の家を訪ねて「トリック・オア・トリート(Trick or Treat)」と唱えます。
Trickとは「いたずら」、Treatとは「おやつ」「もてなし」で「お菓子をくれないと、いたずらするぞ!」という意味ですね。子どもたちに「トリック・オア・トリート」と言われたら、大人は「ハッピーハロウィン!」と言ってお菓子をあげましょう。
この風習は、中世ヨーロッパの儀式「ソウリング」がルーツと言われています。主に貧しい人たちが家々を回って亡くなった人への祈りを捧げ、そのお返しとして死者に供える「ソウルケーキ」をもらっていたようです。
ハロウィンを子どもに伝えるなら?
子どもに「ハロウィンってなに?」と聞かれたら、次のように説明してあげましょう。
「ハロウィンは海外で生まれた行事で、魔女やお化けに変身して『トリック・オア・トリート!』と言うと、お菓子をもらえる日だよ。
昔の人たちは、この日にご先祖様があの世から帰ってくると信じていたんだって。でも、ご先祖様だけじゃなくて、怖いお化けも一緒にやってきたの。だから、お化けを追い返すために、お化けそっくりに変身してびっくりさせたんだよ。
それと、ヨーロッパの国ではこの日、食べ物に感謝するお祭りをしていたんだって。だから、お菓子をもらったら『ありがとう』、食べるときは『いただきます』と言おうね。」
ハロウィンの食べ物
ハロウィンといえば、かぼちゃをイメージする人が多いと思いますが、具体的にはどのようなものを食べるのでしょうか。
ここでは、海外におけるハロウィンの伝統料理や、ハロウィンパーティーにぴったりのレシピをご紹介します。
かぼちゃのグラタン
ハロウィンといえば、かぼちゃ。ハロウィンパーティーの献立には、かぼちゃを丸ごと使ったグラタンがおすすめです。
ジャック・オ・ランタン・グラタン
かぼちゃを丸ごと使い、中をくりぬいて具材とホワイトソースを流し込みましょう。チーズをのせて、オーブンで焼けば完成です。ジャック・オー・ランタンを見立てて顔を作れば、子どもたちも大喜びすること間違いなし!
マカロニチーズ
マカロニチーズは、アメリカで子どもたちに大人気の家庭料理。「マッケンチーズ(Mac'n Cheese)」の愛称で親しまれ、ハロウィンの定番料理にもなっています。
レシピは簡単。茹でたマカロニと一緒に、チェダーチーズとバター、牛乳を絡めながら火にかけるだけ。一度にたくさん作れるので、パーティーにもぴったりです。とろりとした濃厚なチーズに、やみつきになること間違いなし!
ソウルケーキ
ソウルケーキはイギリスの伝統菓子で、諸聖人の日に先祖へお供えするものとして用いられてきました。
地域によってさまざまなレシピがありますが、サクサクとしたバタークッキーのようなものが主流。シナモンやナツメグなどのスパイスを混ぜ合わせた生地で、中央には切り込みを入れたり、スグリやレーズンなどのドライフルーツを載せたりして十字架の形を作ります。
コルカノン
コルカノンとは、ハロウィン発祥の国・アイルランドの伝統料理。マッシュポテトに、ケールやキャベツ、ベーコンなどを混ぜ合わせたものです。
ハロウィンは「コルカノン・ナイト」とも呼ばれるほど、アイルランドのハロウィンには欠かせない料理となっています。コルカノンの中に指輪やコインを隠して将来を占う風習があり、指輪を見つけた人は1年以内に結婚する、コインを見つけた人はお金持ちになると言われているんだとか。
ボクスティ
ボクスティとはアイルランド北部の郷土料理で、じゃがいものパンケーキのようなもの。ソースをかけたり、チーズや肉を添えたりして食べるのが一般的です。
寒冷地のアイルランドにとって、じゃがいもは欠かせない食材。ボクスティはハロウィンの日に食べられるだけでなく、「ボクスティを作れないとお嫁に行けない」と言われるほど定番の家庭料理です。
海外でのハロウィンの楽しみ方
続いて、海外の国々でのハロウィンの楽しみ方をご紹介します。
アメリカ
大衆文化としてハロウィンが根付いているアメリカでは、子どもたちが仮装して近所の家を回り、「トリック・オア・トリート」と唱えてお菓子をもらいます。玄関先にかぼちゃのランタンが置いてある家は、訪ねてもOKという目印。
また、この日は各地で大規模なイベントが開催されます。アメリカ最大級のハロウィンイベント「New York's Village Halloween Parade」では、毎年5万人以上が仮装して大行進。ボストン北東に位置するセーラムは、かつて魔女狩りが行われた町として知られ、ハロウィンのメッカとして多くの観光客が集まります。
メキシコ
メキシコでは、11月2日は祝日「死者の日」です。亡くなった人の魂が戻ってくるとされ、10月31日から11月2日にかけて盛大なお祭りが開かれます。
死者の日が近付くと、先祖の霊を迎えるために「オフレンダ」と呼ばれる祭壇を用意します。街中にはガイコツの置物が溢れかえりますが、色鮮やかなマリーゴールドやケイトウの花、カラフルな切り絵の装飾で彩られ、とても明るい雰囲気。
故人を偲ぶ日ですが、悲しみに暮れるのではなく、楽器を演奏したり踊ったりして楽しく賑やかに過ごすのがメキシコ流です。
韓国
韓国でハロウィンが認知されるようになったのは、ここ10年ほどのこと。ソウル中心部の梨泰院(イテウォン)には米軍基地があったため、多くのアメリカ人が集まり、韓国におけるハロウィン文化の中心地となりました。
ハロウィンの夜は、中心地のクラブに仮装した人たちが集まり、朝まで大混雑。10~30代の若者を中心に盛り上がりを見せています。
アイルランド
古代ケルト人が暮らしていたアイルランドでは、現代でも伝統行事としてハロウィンをお祝いしています。
10月最後の月曜日から11月2日までは「ハロウィン休日」として学校がお休みで、ハロウィン当日は家族とともに過ごすのが一般的。コルカノンやボクスティなどの伝統料理を用意し、歌を歌うなどして家族の絆を深めます。
また、北アイルランドの都市・ロンドンデリーでは、世界最大級のハロウィンイベント「DERRY HALLOWEEN」が開催されることで有名です。
フランス
フランスには、もともとハロウィンを祝う習慣はありませんでした。
カトリック教徒が多いフランスでは、11月1日の「諸聖人の日」こそが重要なイベント。この日は祝日で、なんと前後2週間は学校がお休みに。日本のお盆のように、家族揃って先祖のお墓参りをし、菊の花を供える風習があります。
最近は子どもたちが仮装して楽しむこともありますが、ハロウィンの装飾をしたり家庭で祝ったりすることは少ないようです。
子どもと楽しむハロウィンの過ごし方
最後に、子どもと楽しむハロウィンの過ごし方をご提案します。
おうちの飾り付けを楽しむ
ハロウィンが近付いたら、子どもと一緒におうちの飾り付けを楽しみましょう。
色画用紙を切り貼りして、かぼちゃやお化け、コウモリなど、手作りのハロウィン装飾を作ってみてください。ひもで繋げて壁に飾れば、オリジナルガーランドの完成です!
また、最近は100円ショップにもハロウィングッズが充実していて、手軽に装飾を楽しむことができます。貼ってはがせるステッカーは窓や壁にペタペタと貼るだけなので、小さなお子さんにもおすすめです。
ハロウィンクッキー作り
ハロウィン当日は、子どもと一緒にクッキー作りをしてみましょう。
ハロウィンクッキー
こちらはホットケーキミックスを使った簡単レシピ。クッキーの型がなくても大丈夫。おうちにある厚紙で、かぼちゃやお化け、コウモリなど、ハロウィンらしい形を作ってみましょう。焼き上がったら、チョコペンで顔を書いて完成です!
ハロウィン映画の鑑賞会
ハロウィンの夜は、ハロウィンを題材にした映画を見ながら、おうちでゆっくり過ごしましょう。
ピクサー映画「リメンバー・ミー」はメキシコの死者の日をテーマとした物語。陽気でカラフルなお祭りの様子を知ることができます。
また、冒険アニメの「モンスター・ハウス」は、主人公の少年と仲間たちが町を守るために “ モンスター・ハウス ” に立ち向かう、ワクワク・ドキドキの物語。
このほか、「スヌーピーとかぼちゃ大王」や「おさるのジョージ おばけ伝説のなぞ」、「くまのプーさん/プーさんのオバケたいじ」など、子どもたちに人気のアニメシリーズからも、ハロウィンをテーマにした作品が出ていますよ。
まとめ
ハロウィンは、2000年以上前から伝わる歴史あるお祭りです。そして、長い年月を経て、さまざまな文化や宗教が混ざり合って発展してきました。その起源や由来、海外での過ごし方を知ることで、今までとは一味違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
異なる文化に触れることは、子どもたちが豊かな心を育むことにも繋がります。ぜひ、大人も子どもも一緒に、ハロウィンを楽しんでくださいね。