「なんで?」で問い詰めないで!子どもに理由を聴くコツ
2021/11/15
チャイルドコーチングアドバイザー(R)の山名美穂です。
理由を聞くときに使う「なんで?」「なぜ?」。子どもに対してもよく言いますよね。実はちょっと注意が必要なことばです。
「なんで?」と思った方、ぜひ続きをお読みください。
問い詰めのことば「なんで?」「なぜ?」
「なんで?」「なぜ?」あるいは「どうして?」は、使い方・言い方によっては相手を責めるようなニュアンスがでます。
「なんで、忘れ物したの?」「なぜ、片づけないの?」「どうして、できないの?」なんて言われてばかりでは、大人でも詰問されているみたいで委縮しますよね。
では、子どもがそんなふうに「大人から問い詰められている」状況に置かれたらどうでしょう。
わざとやったわけではないのに
ちゃんと理由があるのに
本心を話せなくなってしまいます。怖くて「ごめんなさい」と言うのが精いっぱいかも。
「どのようにして、そうなったのか?」経緯をたずねる
「なんで?」「なぜ?」を使わず子どもから理由を聞くには、「経緯をたずねる」といいです。
「なぜ」ではなく、「どのようにして・どんな経緯で、それが起こったのか」を意識して聞いてください。
例:
子「友だちとケンカしちゃった……」
→ △「なんでケンカしたの?」
→ 〇「なにがあったのか、教えてくれる?」
例:
子「習い事に行きたくない!」
→ △「なんで行きたくないの?」
→ 〇「どんなきっかけで、そういう気持ちになってしまったんだろう?」
経緯を知ろうとすること。例え同じ「なんで?」ということばが出ても、その気持ちがあるだけで、質問の印象は優しいものへと変わります。
そして子どもからは、これまでとは全く違った答えが聞かれるかも知れません。
必要な情報が「理由」ではない場合がある
必要な情報が「理由」ではないケースもあります。
子どもが「ハンカチ、なくしちゃった」と言ってきたとしましょう。「なぜなくしたのか?」と聞いて、子どもから「不注意でした」と答えが返ってきても、物は出てきません。
この場合は「いつ」「どこで」なくしたのかを、明らかにしたほうがいいです。
例:
子「ハンカチ、なくしちゃった」
→ △「なんで、なくしたの?」
→ 〇「どこで、なくしたか分かる?」
〇「いつ、それに気づいたのかな?」
上の質問で解決するとは限りません。しかし具体的に「いつ」「どこで」を知ることで、問題に対処しやすくなります。
理由を知るより「大切なこと」
親が子どもに「なんで⁈」と言ってしまうときって、好ましくない状況であることが多いです。
それは子どもにとっても同じ。親に申告するころにはすでに十分落ち込んでたり、悲しんでたりするわけです。
中には「お母さんに怒られる」「親を落胆させてしまう」と胸を痛めている子もいるでしょう。
そういった心境の子どもに「なんで?」と問い続けるのは合理的でしょうか。
同じような好ましくないことが起きないように、良い状態を引き起こすようにサポートする。
そして、なにより子どものこころに寄り添う。それが、「なんで?」で理由を引き出すよりも、ずっと大切なことです。
■この記事を書いたのは…山名美穂
チャイルドコーチングアドバイザー(R)、全米・日本NLP協会NLPプラクティショナー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。ウェブライター、ストーリーライターとしても活動中。サンキュ!STYLEでは、子育てや人間関係を中心に、主婦の身近なトピックを扱って執筆しています。