秋分の日とは?2022年はいつ?食べ物・春分との違い・慣習を解説
2021/11/16
2021年の秋分の日は9月23日です。2022年も9月23日です。
秋分の日とは、日本の祝日であり、昼と夜の長さがほぼ等しい日でもあります。
また、お彼岸のちょうど真ん中の日であり、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」日とされています。
今回は秋分の日はいつ?という疑問をはじめ、「春分の日」との関係性や食べ物、風習や子どもとの楽しみ方について紹介していきます。
秋分はいつ?
国立天文台からの発表によると、2020年~2022年の日本における秋分の日は以下のようになっています。
2020年9月22日
2021年9月23日
2022年9月23日
秋分の日は、前年の2月1日に「歴要綱」という翌年の暦の発表により、正式に発表されます。毎年何月何日とは決まっておらず、9月22~24日あたりで年によって変動します。
秋分の日とは?
秋分の日とは、国民の祝日であり、彼岸のちょうど真ん中である中日(ちゅうにち)にあたる日です。天文学的には、太陽が「秋分点」を通過する日のこととされ、昼と夜の長さがほぼ等しい日です。ここでは、秋分の日の特徴をご紹介してきます。
昼夜の時間がほぼ等しい日
秋分の日の特徴として、昼夜の時間がほぼ同じになるということがあります。
ここで、注意したいのは、昼の方が少しだけ長いという点です。
国立天文台のデータより、日の出・日の入を昼と夜の境目として、それぞれの時間を算出した結果が以下の表です。
2021年の秋分の日は、夜よりも昼の方が18分長くなっています。
昼の方が少し長くなる理由
ではなぜ秋分の日は昼の方が夜よりも長くなるのでしょうか。
それは、現代の天文学における日の出と日の入りの定義が関係します。
日の出とは、太陽の上端が地平線に接した瞬間であり、日の入りは太陽の上端が地平線に接した瞬間なのです。
もし、日の出・日の入の定義が、「太陽の『中心』が地平線と一致する瞬間」であれば、昼と夜の長さは同じになります。
しかし、現在の定義では、日の出から日の入までの時間の方が、日の入から日の出までの時間より、太陽が長い道のりを移動するため、昼が長くなるのです。
昼の時間の方が長くなるもう一つの理由には、光の屈折が関係しています。地球上の大気の影響で光が屈折し、太陽の見え方が実際の位置より少し浮き上がって見えます。そのため、日の出と日の入を計算する際に、浮き上がりを考慮に入れるため、昼の時間が長くなるのです。
1年で2回目の「彼岸」の「中日(ちゅうにち)」
秋分の日は、お墓参りで一般的な「彼岸」のちょうど真ん中にあたる「中日(ちゅうにち)」になります。2021年は秋分の日が9月23日なので、その前後3日間が彼岸です。
彼岸は秋分の日前後だけではなく、「春分の日」前後にもあります。春の彼岸もまた同様に春分の日が中日です。
彼岸とは仏教で、この世である「此岸(しがん)」と、あの世である「彼岸」が最も近づく時期とされています。この時期に先祖の供養をするとともに、自らも悟りの境地へ達する修行をするという意味があります。
「秋分の日」を英語で言うと?
秋分の日は英語で「Autumnal Equinox Day」です。
「Equinox(エクイノックス)」とは天球上で天の赤道と黄道とが交わる点である「分点」のこと。これと秋を意味する「Autumnal」と掛け合わせて「Autumnal Equinox(秋分点)」となり、この日を「Autumnal Equinox Day(秋分の日)」と呼びます。
秋分の日と春分の日の関係性
「秋分の日」とセットになっているのが、毎月3月20日頃に訪れる「春分の日」です。よく似ているこの2つの日には、暦(こよみ)としても、天文学的にも深い関係があります。
どちらも「二十四節気」の一つ
「秋分の日」と「春分の日」はともに、中国の古い暦である「二十四節気」のひとつです。
二十四節気とは古くから中国で使われている暦で、1年を春夏秋冬の四つの季節に分け、さらにそれを6分割し、計24等分したものです。
図:二十四節気と地球、太陽の関係性
二十四節気は「立春」からはじまり、「秋分」は16番目です。
春分点と秋分点
天文学的にも「秋分の日」と「春分の日」は密接にかかわっています。
法律で定められた「秋分の日」の正確な定義は、太陽が「秋分点」を通過する日のこと。
秋分点とは、地球から見た太陽の通り道である「黄道」と、地球の赤道を天まで延長した「天の赤道」が交わる点のうち、太陽が北側から南側に通過する点のことです。
図:秋分点と春分点
一方で、「黄道」と「天の赤道」が交わる点のうち、太陽が南側から北側に通過する点のことを「春分点」といいます。
太陽の動きで春分・夏至・秋分・冬至を理解
「春分」「秋分」のほかに季節を表す二十四節気の中には、「夏至」と「冬至」があります。夏至は毎年6月21日ごろ、冬至は毎年12月22日ごろです。
夏至は1年の中で一番昼が長い日、一方、冬至は、一番夜が長い日です。
これは地球の回転軸と傾きが関係しています。
図:地球の公転と太陽の関係性から見た春分・夏至・秋分・冬至
地球の地軸は、地球の公転軸に対してやや傾いて太陽の周りをまわっています。夏至になると、地球の北極側が太陽の方向に最も傾いた状態になるため、日本を含む北半球では日照時間が一番長くなります。
一方で、冬至は南極側が太陽に向かって傾くため、日本を含む北半球では日照時間が最も短くなるのです。
春分と秋分は、地軸の傾きが太陽に対して平行になるため、昼と夜の時間の長さがほぼ同じになります。
図:日本から見た春分・夏至・秋分・冬至
日本から見ると、夏至の日に太陽が最も高く、冬至の日には太陽が低く見えます。
秋分の日と春分の日の日の長さは違う?
「春分の日」と「秋分の日」の昼と夜の長さは、ほぼ同じになります。
以下の表は、2021年の「春分の日」と「秋分の日」の日の出、日の入を比較したものです。
わずか1分だけ、秋分の日の方が昼が長くなっていることが分かります。
秋分の日の食べ物は、おはぎとぼたもち
秋分の日は彼岸の中日にあたるため、彼岸の食べ物、「おはぎ」と「ぼたもち」をご紹介します。
彼岸には江戸時代の中頃から「おはぎ」と「ぼたもち」を食べる風習があったようです。その理由は、小豆の赤色が邪気を払うと信じられていること、当時貴重だった砂糖を使うことで先祖への感謝を表したことがあると言われています。
ちなみに、「おはぎ」と「ぼたもち」の違いには諸説があります。おはぎは「萩」の花(7~9月に開花)に見立てたもの、ぼたもちは「牡丹(ぼたん)」の花(4~6月に開花)に見立てたものであり、季節によって呼び名が異なると言われています。
秋分の日にすることは、お墓参り
秋分の日は彼岸の中日であるため、墓参りをすることが一般的です。
彼岸の歴史はかなり古く、その起源は延暦25年(806年)の平安時代までさかのぼります。この年に日本で初めて仏教の行事として彼岸会が開催されました。
この日はあの世とこの世が近づき、あの世との扉が開く日と考えられていて、先祖を敬い、感謝する日となりました。
なお、彼岸の墓参りをするというのは日本特有の習慣のようです。
秋分の候とは?いつまで使える?
「秋分の候」とは、主に手紙などで使われる時候の挨拶です。現在では手紙以外に、メールで使うこともあります。
手紙やメールの冒頭に、「秋分の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」というような形で使うことができます。
「秋分の候」が使える時期は、秋分の期間、毎年9月23日頃~10月7日頃です。
子どもと楽しむ秋分の日の過ごし方
秋分の日に子どもと楽しめるアイデアを紹介していきます。
レンジで簡単おはぎ
子どもと一緒に、おはぎづくりにチャレンジするならなるべく簡単なほうがいいですよね。
こちらの おはぎは、「道明寺粉」を使うことでレシピ名にあるとおりレンジでつくれるのがポイント。時間がかかるおはぎづくりが簡単・短時間でできるのはうれしいですね。
家系図を作る
お墓参りをする機会があれば、亡くなった親戚や先祖について話すことがあるでしょう。この機会に、自分たちの親や祖父母など、分かる範囲で家系図を作成してみるのはよいかもしれません。
子どももきっと自分がどのようにして生まれたのか、先祖がどのような人だったのかに興味があるはず。彼岸を機会に、自分たちのルーツについて子どもに話してみてはいかがでしょうか。
海外では秋分の日に何をする?
メキシコのチチェンイッツァ遺跡では、年に2回、春分と秋分の日に「ククルカンの降臨現象」が起きます。
「ククルカン」とは、羽を持つ蛇の姿をした農耕の神のことで、
「ククルカンの降臨現象」とは、ピラミッド下の蛇の頭部とピラミッドの影が合体して、巨大な蛇のように見える現象です。
この現象を見るために、世界中から観光客が多く訪れるようです。
まとめ
日本人にとって馴染み深く、国民の祝日である秋分の日には、さまざまな意味合いが含まれています。
その意味を知っておけば子ども達に日本の歴史や、自分の家系についてなど、普段は話さないような話をする機会になるかもしれません。