教育費の間違った思い込みを一刀両断!しくじり母ちゃんに学ぶ教育費の備え方
2021/11/15
子どもの教育費は、「え、こんなにかかるの!?」と驚く出費の連続です。しくじりがちなポイントや、間違った思い込みに気をつけて。プロの最新アドバイスを読んで、後悔しない備え方を学びましょう。
<教えてくれた人>
竹下さくらさん
ファイナンシャル・プランナー。大学生2人のママでもあり、今の教育費のリアルに沿った実践的なアドバイスが大人気。『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日経BP)など著書も多数。
みんなが「しくじり」がちな教育費の落とし穴に気をつけよう
教育費は、やりくり上手なしっかりママでも、"しくじる"ことが多いと竹下さん。「そのほとんどは、思い込みや情報不足が原因。親の常識で考えてしまったり、よく調べなかったばかりに損したりと、もったいないミスが目立ちます」。
読者アンケートでも、大学のお金は用意していたのに、受験費用でつまずいたなど、想定外の出費に慌てたという声が多数。「教育費は制度も変わりやすく、そのときになって初めて気づく出費も多いため、アンテナを張り続けることが大事。やりくりを頑張る以前のちょっとした心がけが、明暗を分けます」。
しくじり3大ポイントはコレ
1 自分の経験からの思い込み
教育費だけでなく、受験や進路も、昔と今では大違い!「例えば、大学へ半数以上が推薦で進学する時代。親世代の常識で考えてしまうと、判断を誤り、親も子もしなくていい苦労や出費を抱え込む結果になります」。
2 情報収集不足による無知
教育費は情報戦。その影響は大きく、知らないと何百万円も損するケースも。「国や企業、大学による返済不要の奨学金は、年々充実。でも、そもそも知らなければ申し込めません。情報収集力が、負担の差になるのです」。
3 夫と話せていない共有不足
夫と妻の意見が食い違うと、トラブルのもとに。「親は自分の通ってきた進路がいちばんと考えがち。ママは私立、パパは国公立など出身が違うと、教育費の考え方も対立しがち。後々お金の使い方でもめ、溝が深まる原因に」。
みんなの思い込みを一刀両断
教育費は間違った知識や思い込みに惑わされると、命取りに。読者アンケートで明らかになったみんなの"ありがち"を、プロが正しくリセットします。
1 ずーっと公立なら、そんなにお金はかからないはず
公立中に通う中3生は、年57万円※もかかります。
「公立なら教育費は無料、と思いがちですが、給食費や教材費、塾・習い事代などは家計からの出費です。平均では小学校でも年間30万円前後、中学校で40万円を超え、高校受験を控える中3では57万円に」。
<学年別に見た学習費総額>
あくまで全国平均!
「塾や習い事をしていない子も含めての平均なので、通っている場合は、もっと高額です」。
※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より。学習費総額には、給食費など学校に納入する費用のほか、学校外活動費(塾や習い事、体験活動など)も含む。
国公立大の学費も値上がり!県外なら私立より高くつく
国公立大の授業料は30年前の1.5倍。「国公立のほうが安いからと県外に進学し、生活費を支援すると、自宅から私立大に通うより高くつきます。さらに、公立大学は、県内の入学者よりも入学金を高く設定しており、学校によっては50万円を超えるところも」。
2 大学の入学金は学資保険で備えてるから大丈夫
1人10学部受ける時代。受験するだけで30万円かかることも。
「今は同じ大学・学部を複数回受験できてチャンスが増える半面、受験料だけで30万~40万円かかるのも普通。模試や塾代、滑り止めの入学金などもあり、入学前にお金に苦労する家庭が増えています」。
3 いざとなったら奨学金に頼ればいいよね?
奨学金の給付は入学後!入学金は貯蓄で備えて。
「奨学金は入学後からの給付で、受験費用や入学金、春期の学費などには間に合いません。大学入学時は、パソコンやスーツの購入もあるので、ある程度の貯蓄をしておく必要があります」。
「教師になると奨学金免除」の制度は2004年に廃止
学校の先生になれば奨学金を返さなくていい……のは昔の話。まだまだこの制度があると思っている人は多いので、子どもに間違った情報を伝えないよう注意。
4 教育費に備えて住宅ローンの繰り上げ返済を頑張っています
住宅ローンは金利が低い。無理のない返済にとどめて。
「繰り上げ返済を頑張りすぎて、教育費がたりなくなるのが心配。教育ローンの金利は住宅ローンの何倍も高く、もし借りるようなことになったら本末転倒です。あくまで余力の範囲で行いましょう」。
Have a try!
□塾や習い事代にいくらかかるか計算してみる
□模試や受験料の貯蓄について考えてみる
□最新の奨学金情報を調べてみる
参照:『サンキュ!』2020年8月号「しくじり母ちゃんに学ぶ教育費の備え方」より。
編集/サンキュ!編集部
『サンキュ!』最新号の詳細はこちら!