コワーキングスペースで学ぶアジア人女性の手

大学選びの最新事情。「大学全入時代」だからこそ知るべきことを専門家に聞いてみた

2023/01/12

親世代の頃からどんどん変化する学校教育、ついていけていますか?今どきの教育・進学事情や新しい用語を、専門家にインタビュー取材します。

<教えてくれた人>
・進学指導のプロ 谷本祐一郎さん
ベネッセコーポレーション教育情報センター長。島根県総合教育審議会委員。国内最大規模の「進研模試」のデータ分析などをもとに「これからの大学入試」について指南。メディア取材や講演等も多数。

・ジャーナリスト 宮本さおり
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と小学生の母。

Q 最近よく聞く「大学全入時代」って何ですか?

A 入学者数が入学定員総数を下回ることです。

列の折りたたみ椅子とテーブル
Tom Merton/gettyimages

2021年度入試では私立大学の入学者数が入学定員総数を下回りました。つまり、全国の私立大学の定員数を合わせると、合格の席が余っていたということです。数だけ見れば全員に席がある状態のため、これを「大学全入時代」と呼びます。
2010年頃に約120万人いた18歳人口が、現在は111万人まで減っています。しかし、私立大学全体の定員数は大きく変わっていないため、席に余りが出るようになったのです。ですが、これは全員が希望の大学に進学できるようになったということではありません。難関大は依然として倍率が高く、狭き門となっています。
コロナ禍や経済不安など、ネガティブな要因の多かったここ数年の動きを見ても、難関大については相変わらず志願者を集めています。試験方法の違いで倍率に差は見られますが、人気難関校では変わらず10倍を超える大学もあります。一方、やや入りやすくなった大学も。私立大学の入学定員厳格化の影響から倍率が上がっていた中堅校は落ちつき始めています。

大学進学率は、親世代と比べてどれくらい上がっているの?

18歳人口は減りましたが進学希望者は増えたため、進学率は上昇しています。1990年の4年制大学進学率は男女合わせて24.6%、これが2020年には半数を超え、ほぼ倍になりました。さらに昨年公表された文部科学省の学校基本調査によると、4年制大学への進学率は54.9%で、短大・専門学校への進学者を合わせると約84%が進学しています。商業高校など専門高校でも大学への進学者が増えています。(谷本さん)

4年制大学への進学率の推移

大学進学率が上がることでさらに高学歴志向になっていく?

真夏の公園の木々と芝生。
ranmaru_/gettyimages

難関大の人気はあるものの、志望校を選ぶ基準については変化もあります。首都圏の大学への進学について希望調査をしたところ、地方在住の生徒の場合、希望者が前年度から約1万人減少しました。「どこの大学に入るか」よりも、「どう生きるか」に重きを置く傾向も見られ、経済的負担もかかる都市部の大学にムリして行くよりも「地元の大学で良くない?」と考える家庭も多くなっています。(谷本さん)

参照:『サンキュ!』2023年1月号「今どきの教育事情どうなってるの?」より。掲載している情報は2022年11月現在のものです。撮影/押尾健太郎 プロップ制作/川村ちゃん 取材・文/宮本さおり 編集/サンキュ!編集部

 
 

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