2023年春ドラマ、最終回まで追う価値があるドラマは?おすすめ3選を見どころと合わせて紹介
2023/05/19
2023年春放送開始の春ドラマも中盤に差し掛かり、それぞれの作品でストーリーが転機を迎え始めています。
ドラマへの造詣が深いライターのAru ◡̈さんによれば「今期のドラマは、生活、社会の中での問題や悩みなどを包み隠すことなく、素直にリアルに描いている作品が多い」とという傾向があるんだとか。
そこで今回は、数あるドラマの中から最終回までぜひとも追ってほしい…!という作品トップ3をAru ◡̈さんに紹介してもらいました。
あなたがしてくれなくても
■フジテレビ系 毎週木曜よる10時~放送中(FODで全話配信中)
話題にしづらい''セックスレス'の問題に直球に切り込んだ、30代男女の禁断の恋愛ドラマ。
物語はセックスレスに悩む夫婦の思いを代弁するような会話劇を中心に展開し、話数が進むにつれ登場人物たちと抱える問題が浮き彫りになっていきます。
とくに印象的だったのが、岩田剛典演じる新名誠と田中みな実演じる新名楓の新名夫婦の心のすれ違いを、巧みな演出で描いた第4話"ずっとこうして欲しかった・・・"。
誠は妻である楓にお茶を入れてあげる3分すらも苦痛に感じる一方で、会社の同僚で同じ悩みを抱える吉野みち(奈緒)と過ごす3分は「あっという間」に感じてしまう。たった3分、されど3分。新名夫婦の現状を残酷に描写するひと幕でした。
これからどんな波乱が待ち受けているのか?最終話まで目が離せません。
波よ聞いてくれ
■テレビ朝日系 毎週金曜よる11時15分~放送中(TELASAで全話配信中)
金を騙し取られた小芝風花演じる主人公のミナレは、ひょんなことからラジオパーソナリティとしてデビューします。
ミナレの番組では、元カレへの復讐劇、幽霊が現れると噂のある部屋への突撃レポート、ストーカーへの公開生説教など……突飛な企画が次々と展開され、その内容はどれもインパクト抜群。
クセ、ワケありな登場人物たちも本ドラマの見どころですが、やはりいちばん魅力的なのは、主人公のミナレ。
膨大な量のセリフをキレッキレで捲し立てる姿は、番組ADに「一緒にいれば、きっと私の平凡な人生を壊してもらえるような気がするんです」と言わしめるほどで、まさに“生きるエネルギーの塊”。
また、ミナレのライバル的存在である看板ラジオパーソナリティの茅代まどか(平野綾)や番組ディレクター麻藤兼嗣(北村一輝)との兼ね合いも、まるでラジオを聴いているかのような感覚になるテンポの良さでクセになります。
毎話ジェットコースターのような物語が展開される一方、登場人物たちは人間味たっぷりに描かれているので、たとえぶっ飛んだ内容でも彼らの姿に共感できるし、パワーをもらえるはず。
物語と登場人物、どちらも魅力的なドラマなので、一度見れば最終回まで追ってしまうはず。
日曜の夜ぐらいは…
■ABCテレビ/テレビ朝日系 毎週日曜よる10時~放送中(TELASA、U-NEXTで全話配信中)
あるラジオをきっかけに運命的な出会いを果たした3人の女性の友情物語。
視聴者側に寄り添い、問いかけるようなストーリーが魅力の作品です。様々な場面で“息苦しさ”を感じる、ストレス社会の現代。
足の不自由な母と二人暮らしをし、あえて日々の生活の中に楽しみを作らないようにしている岸田サチ(清野菜名)、元ヤンキーのタクシー運転手で家族に縁を切られた野田翔子(岸井ゆきの)、両親との縁が浅く、祖母と工場勤務を続けている樋口若葉(生見愛瑠)。
生活、家庭環境、仕事も異なる3人が様々な場面でふと感じる、息苦しさがリアルに描かれていて、放送終了後には「それは私も経験したことある」「その姿、私と似ている」などの共感と反響を呼んでいます。
筆者がとくに印象的だったのは、第3話でサチが発した「煮詰まった時にコンビニに行っていちばん高いアイスを食べる。それでまたちょっとやれるかもって思う」というセリフ。この短い言葉のなかに、彼女が普段から抱えている悩みが顕著に出ていて、多くの視聴者の共感を呼び、なかには一種の“救い”と捉えるような声もありました。
しかし、本作の1番の見どころは、“希望”です。登場人物たちはみな、なにかしらの“しんどい”を抱えていますが、その重苦しさだけを描いて終わるのではなく、ちゃんと希望を見い出せる展開になっています。
ゆっくりと流れる日常の中で、出会いのきっかけとなったラジオから流れる自分達の出会いの話に耳を傾けていた3人は、それぞれ自分が今までに感じ、押し寄せてこなかった、言葉にすることができない新しい感情が少しずつではあるが、着実に表に出始めます。
彼女たちの終着点は何処になるのか、最終回までぜひ見届けてください。