生まれながらの赤ちゃんのヒールと生まれの赤ちゃんを抱く母親のベクトル1ラインアートイラスト。リニアファミリーポートレット。ハートを持つ一行の手

“命が大切”という一人一人思いが、幸せな社会をつくる~「国際助産師の日」スペシャル④

2023/06/01

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」をさまざまな角度から取り上げています。今回の連載では、5月5日「国際助産師の日※」のフェムテック スペシャル番組でオンエアされた内容をまとめてお伝えします。

※1992年、国際助産師連盟によって5月5日は「国際助産師の日」に制定されました。
助産師さんの仕事の重要性をたくさんのかたに伝えることを目的としています。

対談!参議院議員・石田昌宏さん×『小さないのちのドア』永原郁子さん

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<ゲスト>
●石田昌宏 Masahiro Ishida
自由民主党所属の参議院議員。奈良県大和郡山市生まれ、兵庫県西宮市出身。55歳。東京大学医学部保健学科卒業後、保健師・看護師として、聖路加国際病院、東京武蔵野病院に勤務。衆議院議員秘書を経て、1998年から社団法人日本看護協会政策企画室長、2002年から日本看護連盟にて常任幹事や幹事長を務める。2013年参議院選挙比例代表(全国区)にて初当選。厚生労働委員会委員長、党女性活躍推進本部事務局次長などを歴任。

http://www.masahiro-ishida.com

●永原郁子 Ikuko Nagahara
公益社団法人小さないのちのドア・代表理事、マナ助産院・院長。1993年に神戸で助産院を開業し、これまで2200人以上の赤ちゃんを取り上げる。 2018年から赤ちゃんポストの理念を受け継ぐ『小さないのちのドア』をスタート。育てることができない女性の相談を24時間電話、来所等にて受けている。また、性教育グループ「いのち語り隊」を立ち上げ、年間150か所でいのちの大切さを語っている。

https://www.fesco.or.jp/winner/2020_55/winner.php?wid=12576

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組。今回も「国際助産師の日」のスペシャル番組2回目の対談です。

ゲストは、神戸市の一般社団法人小さないのちのドア・代表理事で、マナ助産院・院長の永原郁子さん。看護師で自由民主党・石田昌宏参議院議員です。永原さんが政治に期待することを中心に、熱いトークが交わされました。

フェムテックだけでなく、妊娠・出産、子育てに関しての制度、そして、社会が抱える問題や家庭環境に、今後いっそう寄り添うことが課題として上がってきました。今回の番組が、明るい未来のきっかけになれば!と思います。

経済状況に関わらず、妊婦検診や出産が可能な国を実現したい

■石田「“政治は、ここに目を向けてほしい”というところを具体的に教えていただけますか」

■永原「国からの補助として妊婦健康診査費用補助券がありますが、妊婦健診や分娩費用などは、それだけでは足りないのが現状です。この4月から、分娩費の補助額は上がりましたが、それでも経済状況がぎりぎりのかたは、妊婦健診、そして分娩するために病院へ行けないのが現実です。お金がなくても健診を受け、出産ができる国にしていただきたいと思います」

■石田「出産時の費用の負担、子育ての予算を倍増にすることは、議論を重ねてきました。今、思うのは、街を歩いてる子どもたちの中には、“一円も持っていない” “今日食べる物がない”という本当に困っている子がいる。そんな子どもたちに手を差し伸べるような政治が必要だと思っています」 、

■永原「そうですね。駅のホームに入る入場券を買うお金もないというかたが、今まで何人かいらっしゃって、私たちが迎えに行ったこともあります。満足に食事をしていないというかたも……」

■石田「そういうことまで考えて制度をつくらないといけないですね。今、実際に運営されていて、一部の行政では、そういったかたがたに対して補助金を出したり、支援したりしていますよね」

■永原「2018年当初は、住むところがない特定妊婦さんへの制度がなかったので、民間でサポートしていくしかないと思い、『小さないのちのドア』を始めました。その当時、石田先生が来てくださって国に実情を伝えてくださいました。その結果、兵庫県から事業を受託することができました。2022年6月には、生活支援に関しても国で特定妊婦臨時支援事業が始まり、こちらも委託されました」

■石田「実際に『小さないのちのドア』を訪問し、驚いたと同時に自分の視野の狭さを痛感しました。厚生労働省の官僚に具体的な状況を話し、少しずつ彼らに感覚が伝わっていったのです。その後、厚生労働省の予算でできる事業となり、今に至っていると思います。そもそも永原さんが普段から本当に素晴らしい活動をされているから、制度に繋がっていったのだと思います」

“こども家庭庁”に期待することは?

■石田「4月1日に“こども家庭庁”が発足しました。“こどもを真ん中に置く”という政策なのですが、永原さんは子どもだけでなく、妊婦さんのことも大切にされていますよね。そういった点も含めて、こども家庭庁に期待することがあれば、お願いします」

■永原「今まで光が当たらなかった特定妊婦のことが制度に加わったことは画期的で、本当にありがたいと思います。次の時代を考える上で、幸せなかただけでなく、すべての女性が笑顔になることが、未来をつくるキーワードになると思います」

■石田「希望が持てる社会へと変わっていく期待感がありますね。実際に何ができるのかをチェックしながら、政治を行っていくのが私の仕事ですから、その熱い思いを受けて頑張っていきたいと思います。永原さんは、子どもたちの未来が明るくなるというのは、どういうことだと思いますか」

■永原「30年前も今も、いろいろな調査を見ていると、日本の子どもたちは自己肯定感が低いのです。また、親や先生を尊敬できていないという調査結果も出ています。これは自分の命や育っていく社会に対して、希望が持てていないことの現れです。“本当に命は大切” “あなたの命には夢がある”、そういう性教育を大人の責任として子どもたちに語りかけていくことが重要です。そして、今私が24時間受け付けている“妊娠したかもしれない”という命を扱う仕事についても、そのかたたちが辛い思いをすることがないように、命と性の大切さを伝えていくことが求められていると思います」

■石田「『小さないのちのドア』のような場所が日本中に広がればよいと思いますし、私たち政治家もそれを行っていかなくてはならないです。ただ、国が補助金だけでつくればよいということではなく、多くの人々が参加していくことによって、“命は大切”という思いが子どもたちにも、しっかり伝わっていくのだと思います」

■永原「期待しております。よろしくお願いします」

■石田「私も頑張りますので、みなさん一人一人の力で、『小さないのちのドア』のような場所を増やして行きましょう。それは、未来の幸せに繋がることだと確信しています。ありがとうございました」

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

 
 

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