キャッシュレスでも確実に貯められる家計簿の選び方とポイント
2020/07/25
現金中心からキャッシュレス中心の生活へ移行する人が増えています。そうなると気になるのが家計管理です。
「上手に節約して貯蓄を増やすには、家計簿をつけるのがベスト。ただし、現金と同じ方法ではキャッシュレスは管理できません」と話すのは節約アドバイザーの丸山晴美さん。
キャッシュレスを管理して貯蓄を増やす家計簿のコツを教えてもらいました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年5月時点の取材情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「キャッシュレス時代の家計簿」!
紙の手書き家計簿でキャッシュレス管理をするには
家計簿には、紙の手書き家計簿と、スマホなどにインストールして使うアプリ家計簿があります。紙の家計簿に慣れていて、今後も同じ方法を続けたい場合は、現金とキャッシュレスを別々に記載するのが上手に管理するポイントです。
キャッシュレスで支払った分は赤や青のアンダーラインを引いて色分けするなどして、見た目にすぐわかるようにしましょう。月の支出額も現金とキャッシュレス別々に出し、それぞれの金額と全体像の両方を把握することが大切です。
週や月の予算を決めて買い物をしている場合は、キャッシュレスで使った分をその都度現金から取り分け、予算の帳尻を合わせることを忘れずに。
こうすれば、現金だけのときより支出が増えたか減ったか、キャッシュレスにムダな支払いはなかったのかなどを、簡単にチェックできます。
ただし、クレジットカードとスマホ決済、交通系カードなど、数種類のキャッシュレスを併用している場合は、それぞれどこでどれだけ使ったのか管理する必要があります。手書きの家計簿でそこまで記入するのは、なかなか大変です。
その点、アプリ家計簿は、利用している銀行口座やクレジットカード、キャッシュレス決済サービスなどを一度登録すれば、自動的に利用履歴が更新されます。収支計算も自動でやってくれます。最初に多少手間がかかっても、結果的にはラクに上手に管理できるでしょう。
キャッシュレス中心の生活になってきたら、家計簿もアプリに移行するのがおすすめです。中でも操作が比較的ラクで機能が充実している、3つのアプリ家計簿をご紹介します。
「Zaim」は紙の家計簿に近く、お得情報も満載
「Zaim(ザイム)」はメイン画面に手入力欄があって、現金中心の人にも使いやすい家計簿アプリです。レシートもスマホで撮影して取り込むことが可能。あらかじめ入力した設定予算に対して、「今月」「今週」「今日」単位で「いくらお金が残っているか」なども教えてくれます。
ほとんどの機能を無料で使えるのもうれしい点です。なかでも人気が高いのが、自分がもらえる給付金を教えてくれる「わたしの給付金」機能。「Zaim」には家族構成を入力する欄があり、それを基にもらえる可能性のある給付金や手当、控除を割り出してくれます。
また、「コンビニで○○ペイを使うと20%還元」「今週はあのお店が全品10%OFF」など、スマホ決済に関するキャンペーンを集約した「オトクカレンダー」もあり、お得情報の収集が簡単にできるのも便利です。
ただし、証券会社などの連携数が少なく、すべての資産を一元管理する点ではほかの家計簿アプリに比べてやや弱めと言えるでしょう。
有料会員になると広告が非表示になり、金融機関やクレジットカードの残高がいつでも最新情報に更新できます。
「Moneytree」は無料版でも充実の機能で、全財産が一目瞭然
「Moneytree(マネーツリー)」の魅力は、登録できる金融機関やサービスが豊富な点。銀行口座やクレジットカードだけでなく、電子マネー、マイル・ポイントカード、証券口座まで、2,700以上の金融サービスの情報を無料で50件まで登録できます。
登録には金融機関1件1件のIDとパスワードを入力して連携させる必要がありますが、それさえしてしまえば、あとは自動で更新。残高や利用明細などの情報を記録し、収支も自動計算して、人工知能が食費、医療費、衣服などの項目分けまでしてくれます。
貯めているポイント数や有効期限も確認でき、期限切れ前には通知してくれるので、ポイントをムダなく使い切ることができます。
アプリの画面構成もシンプルで、デジタル初心者や家計簿初心者にも使いやすい家計簿アプリです。有料版は経費精算サービスなどを使うことができ、フリーランスや自営業のかたにとくに便利です。
「MoneyFoward ME」は家計をグラフ化し、改善点まで教えてくれる
家計簿アプリのパイオニアで、利用者数もナンバーワンなのが「Money Forward ME(マネーフォワードミー)」です。魅力は家計の状況を円グラフなどで視覚化し、高額な出金や給与・子育てサポート金の入金などを通知してくれるところ。複数の口座に散らばった入出金記録を、食費や光熱費などのカテゴリーに自動で分類し、内訳をグラフ化してくれます。また、ポイントや年金、不動産も資産として一元管理できます。
無料版で登録できる銀行、クレジットカードなどは10件・過去1年分の情報までですが、月額500円のプレミアムサービスを利用すると、2,600以上の金融関連サービスの情報を自動取得して、過去分すべての情報を表示してくれます。
プレミアムサービスには、ポイント・マイルの有効期限を表示させたり、カード引き落とし時の残高不足通知など、優れた機能が多いのも特徴。
無料版でも多くの機能が使えますが、しっかり家計管理して節約・貯蓄したいというかたにはプレミアムサービスがおすすめでしょう。
手軽に管理するなら「Moneytree」、しっかり節約したいなら「MoneyFoward ME」か「Zaim」
利用している銀行口座やクレジットカードなどが多い人は、50件登録できて操作も簡単な「Moneytree」が便利でしょう。全財産や日々の収支状況を、ひと目で見渡すことができます。
ただし、家計分析などの機能はないので、ざっくり家計が把握できるという感じです。収支の記録が見られればよいという人におすすめです。
一方、何にどのくらい使っているのか、収支がどう変化したかなどもチェックしたい場合は、「MoneyFoward ME」か「Zaim」がよいでしょう。
「Zaim」は紙の家計簿に近いので、予算を決めてそのなかでやりくりするタイプのかた向き。「MoneyFoward ME」は家計全体を詳しく把握できるので、本気で家計管理して節約に結びつけたいかた向きで、有料版(プレミアムサービス)がおすすめです。
なお、「紙でもアプリでも家計簿は面倒。でも家計は気になる」という人は、利用するキャッシュレスを1つに絞るのも手。こうすれば、そのキャッシュレスの利用明細が、そのまま家計簿代わりになります。いつ、何に使ったかがわかるだけですが、「いくら使ったかわからない」という事態は避けられます。
現金とキャッシュレス、使うシーンは同じでも、お金の流れや管理のポイントは異なります。家計の変化に合わせて柔軟に、ラクに管理していきましょう。
取材・文/かきの木のりみ