生活費を考える日本人カップル

ボーナスのつかい方でわかる!いま最も危うい「ボーナス依存家計」になってない? 

2020/11/14

この冬は、ボーナスが減額またはゼロになる企業が多くなる、と言われています。そんな今、最も危ういと言われているのが「ボーナス依存家計」です。ボーナス依存家計とは何か、そこから抜け出す方法と対策を、節約アドバイザーの丸山晴美さんにお聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年10月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。

今回のテーマは「ボーナス依存家計からの抜け出し方」!

ボーナスの減額、給料カットなどのコロナ禍不況は、まだまだ続く!?

2020年の冬ボーナスは、コロナ禍の影響で減額、または支給ゼロとする会社が増えています。国家公務員も10年ぶりにボーナスを削減する方向で調整が続いています。

業界によってはボーナスのみならず、雇い止めやリストラ、給料カット、諸手当のカットなども起こっており、この状況はまだしばらく続くと言われています。

企業が会社を守ることを第一に考えてボーナスを削減する今、私たちは家計を、そして家族を守ることを考えねばなりません。そのためには、どういう状況になっても家計を崩壊させない対策が必要です。

「ボーナス依存家計」にありがちな2つのタイプとは

この冬のボーナスが減額またはゼロとなった場合、来年の夏ボーナスもあまり期待できないと考えたほうがいいでしょう。となると、赤字額が急拡大しやすいのが「ボーナス依存家計」です。

ボーナス依存家計とは、その名のとおりボーナス依存度が高い家計のこと。大きくわけて2つのタイプがあり、1つが「ボーナス払いで住宅ローンやクレジット払いを利用している」家計です。もう1つは「毎月の生活費が給料ではたりず、その補填にボーナスを充てている」家計。どちらもボーナスが貯蓄に回らずに、何かしらの支払いや消費に回っているのが特徴です。

これらボーナス依存家計は、ボーナスが減っただけでもローンが支払えなくなったり、生活費が赤字に転じたりします。それが続くと最悪の場合、自己破産に陥る可能性も出てきてしまいます。

目指すは「月の収入だけでやりくりできる家計」

ボーナス依存家計を抜け出すには、「ボーナス払いをやめる」ことが第一歩です。買い物でボーナス一括払いを使わないのはもちろんのこと、住宅ローンにボーナス払いを組み込んでいる場合は、返済プランを見直してボーナス払いを含まないプランに変更しましょう。生命保険料や税金などを、ボーナスで年払いするのもNGです。

ボーナスで生活費を補填している場合は、お金のつかい方を見直す必要があります。ボーナスはないものと考え、毎月の収入の中でやりくりできるようにすることが大切です。

少ないお金でも「楽しく暮らせる工夫」も忘れずに

今はコロナ禍の影響で、ボーナス以外にも厳しい状況が続いています。世帯収入が減ったという場合は、ボーナス依存家計を抜け出すと同時に、「減った収入に見合う生活にシフトする」ことも必須です。

食費を節約したり、レジャーの回数を減らしたり、家族全員で格安スマホに切り替えるなど、減らせる支出を見つけ出して改善しましょう。友達と会う際は、対面ではなくオンラインお茶会やオンライン飲み会にするのも一案。お金を節約できると同時に、感染の不安なく思う存分おしゃべりできることでストレス発散もできます。

先が見通せず不安が募りやすいときだからこそ、ただ切り詰めるのではなく、少ないお金でも楽しく暮らせる工夫を考えることが大切です。

ネットワークを活用して、新たな働き方を見つける

可能であれば、減った収入を取り戻す方法も考えたいところ。副業を始めたり、パートを増やしたりするなど、自分ができる働き方を探しましょう。

ひとりで探すのは限界があるので、友人、知人にもオンラインなどで声をかけるのがおすすめ。仕事を紹介してもらうのは無理でも、話すことでよいアイデアやヒントが見つかることがあります。この機会に、しばらく会っていない友人など、幅広い人と連絡をとってみてはどうでしょう。

また、子どもが高校生以上で、学校がアルバイトを認めるのであれば、子どもにもアルバイトをしてもらうのもよいでしょう。家族全員で家計を守ることは、子どもにとっても意味のある経験になるはずです。

すべてやっても苦しい!というときは早めに相談を

いろいろ対策をしたけどどうにも生活が苦しい、という場合は、傷口が大きくなる前に相談をすることも大切です。

例えば、三井住友信託銀行では、住宅ローンの利用者が失業した場合、1回の失業で最長3カ月間のローン返済を免除する仕組みを導入すると発表しました。この免除措置は、外資系保険会社のカーディフ損害保険と共同で開発した疾病保障特約つきの住宅ローンを、11月1日以降に契約した人が対象ですが、このような救済措置を行うところも増えてきています。税金にしても、相談すれば支払い延期や減額、免除など、さまざまな支援を得ることができます。

金融機関や公的機関など、相談できるところはすべてあたり、利用できる制度をどんどん活用していきましょう。

コロナ禍は今が「底」。家計の土台固めをするつもりで踏ん張って

現代は、生きているだけで何かとお金がかかります。それだけに、収入が減ったり仕事がなくなったりしてしまうと、絶望的な気持ちになることが多いでしょう。

でも、コロナ不況は今が「底」とも言われており、永遠に続くわけではありません。必ず状況が上向きになるときが来るので、それまであきらめずに生きることが何より大事です。

今、ボーナスに依存せず、節約しながら収入を増やす仕組みをつくれば、家計の土台をしっかり固めることができます。1~2年ほどをそうやってがんばって乗り越えれば、状況が上向いたとき、今度は「お金が貯まりやすい家計」になれます。今が本当の踏ん張りどころですから、前向きに乗り切っていきましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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