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奨学金は2,700種類以上ある!?意外と知らない「奨学金」と「支援金」をチェック

2020/11/24

子育て家庭にとって、十分な額の「教育費」を用意するのはとても大変。そこで、広く利用されているのが奨学金ですが、奨学金にも多くの種類があることや、借りた後のトラブルなどは意外と知られていません。奨学金について知っておきたい基礎知識と、奨学金以外にも利用できる支援金について、節約アドバイザーの丸山晴美さんに解説してもらいました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年10月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「奨学金&支援金の基礎知識」!

大学生の2人に1人が奨学金を利用している!

奨学金は、経済的な理由で学校に行くことが困難な学生や優れた学生の支援として、入学金や授業料など学校に通うのに必要な費用を支給する制度です。
奨学金の種類には大きく分けて2つあり、1つは返済義務がない「給付型」奨学金。もう1つは返済義務がある「貸与型」奨学金です。貸与型はさらに「利子があるタイプ(有利子)」と「利子のないタイプ(無利子)」に分けられます。

日本学生支援機構が2020年3月に発表した「平成30度 学生生活調査結果」によると、全国の大学、短期大学本科および大学院の学生約9万5,000人のうち、何らかの奨学金を受給している学生は大学(昼間部)で47.5%、短期大学(昼間部)55.2%(※1)。約2人に1人が奨学金制度を利用しています。

貸与型奨学金の場合は、大学卒業後、本人が働きながら返済するのが一般的です。返済の月額期間は受け取った金額や利率などによって決められ、滞納すると文書や電話などによる督促があるほか、強制的に取り立てられることもあります。

奨学金の種類は学校、自治体、民間団体など、なんと2,700以上!

一般的に最も多く利用されている奨学金は、国の独立行政法人「日本学生支援機構」の制度ですが、このほかにも多くの団体が奨学金制度を持っています。大きく分けると以下の3つがあり、それぞれの数を合計するとなんと2,700以上になります。

■大学・短期大学・専修学校など学校:1,364校
学校の奨学金は返還不要の「給付型」が多いのがメリットです。

■地方公共団体:829団体
地方公共団体(都道府県や市町村など自治体)は、「貸与型」(利息なし)が多く、ほかの奨学金との併用を認めていないことも多いです。

■公益財団法人など:549団体
民間の団体などが、さまざまな特色のある奨学金制度を持っています。進学を希望する学校で、どんな奨学金を扱っているか確認が必要です。

奨学金の内容や条件は、団体によって異なります。また、奨学金というと「大学進学のためのもの」というイメージがありますが、小学生、中学生、高校生向けのものや、海外留学など特定の目的のための奨学金もあります。

どのような種類の奨学金があり、どういう条件で利用できるのか、「奨学金.Net」などの専用サイトで確認しておくとよいでしょう。

2020年春から始まった「私立高校授業料実質無償化」とは?

子どもの進学・修学を支援するものとして、奨学金のほかに「支援金」という制度もあります。そのひとつが、所得など一定要件を満たす世帯に対して高校の授業料を支援する国の制度「高等学校等就学支援金制度」です。

2020年4月よりその内容が一部改正され、私立高校に通う生徒への支援が手厚くなりました。具体的には、年収約590万円未満(※2)世帯がもらえる上限額が引き上げられ、一律39万6,000円の支援が利用可能に。世帯年収350〜590万円未満の場合、これまでより20万円以上も多く受け取れるようになりました。
また、お子さんの人数によっては所得などの要件も緩和されており、今回の改正により私立高校の授業料「実質無償化」がスタートしたとされています。

ただし、支援の対象となるのは授業料のみ。修学旅行や部活動など学校生活にかかるお金は、各家庭で準備する必要があります。

ちなみに、世帯年収590万円以上910万円未満(目安)はこれまで通り11万8,800円の支援、910万円以上の世帯は支援がありません。
国公立高校については、これまで同様、年収910万円未満の世帯に対して就学支援金が支給されます。

※2:両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合の目安。

中3・高3の受験を応援する「受験生チャレンジ支援貸付事業」もあり

教育費には学校の費用だけでなく、塾などにかかる費用も含まれます。高校進学、大学進学を目指す受験生については、その費用の支援制度もあります。

東京都福祉保健局による「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、所得など一定条件を満たす世帯の、中学3年生・高校3年生、またはこれに準じるかた(※3)を対象に、塾費用や受験料の貸付を無利子で行う支援制度です。高校・大学などに入学した場合は、返済が免除されるというメリットもあります。

これは東京都民が対象ですが、ほかの自治体でも同様の制度を持っているところもあります。まずはお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

今、コロナ禍で収入が減ってしまい、進学がむずかしい状況になっているご家庭もあるでしょう。でも、こうした奨学金や支援金などの制度を利用することで、道が開けることもあります。あきらめず、自分の希望や条件に合うものを探しましょう。

※3:準じるかたとは中学3年または高校3年に在籍していない進学を目指すかた(高校中途退学者、高等学校卒業程度認定試験合格者、定時制高校4年生、浪人生等)です。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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