死ぬまで続くやりくりをうまくやる秘訣は「夫を巻き込む」!夫との話し方4カ条
2022/04/09
お金を貯めるには、夫婦で協力するのがいちばんです。でもどうやってお金について相談すればいい?夫とうまく話し合うコツを、夫婦そろってファイナンシャルプランナーという関口さんと横山さんに教えて貰いました。
<教えてくれた人>
・関口博美さん【妻】
ファイナンシャル・プランナー。
当時看護師の関口さんは23歳で横山さんと結婚。「夫は元は浪費家タイプでパチンコにはまったことも。30歳ごろ、夫が転職を繰り返すなか勢いで家を買って家計が厳しくなり、夫婦でお金の話をするように。家計や仕事の目標を2人で共有できたことでピンチを脱出!」。横山さんがFPで起業し借金を抱えたときは、関口さんがへそくり100万円を渡してサポート。その後横山さんは2万3000件以上の家計相談を受けた一流コンサルタントに!
・横山光昭さん【夫】
ファイナンシャル・プランナー。
男は、妻がポジティブに話してくれるとやる気が出る!
家計や仕事のピンチも、妻が私を信じて前向きにあと押ししてくれたおかげで、一家の大黒柱の自覚も新たに、奮起して頑張れました。「協力してよ」と上から目線で言うより、信頼感や感謝をベースに前向きに話すほうが、何十倍も夫の協力を引き出せますよ!
いち早く夫を巻き込んだほうがもっと貯まります
「やりくりは老後までずーっと続きます。だから妻1人で奮闘するより、今すぐ夫を巻き込み夫婦で取り組むのが得策。毎日の会話を少し工夫するだけで、夫のやる気を引き出せます。すると節約効果もやる気もぐっと高まり、貯蓄スピードがUPしますよ!」。(関口さん)
貯まる!夫との話し方4カ条
夫が家計のよき相棒になってくれたらお金を貯めるのもぐっとラク!それは上手に夫と話すことでかないます。お金に無関心な夫を振り向かせ、ギスギスせずに話し合う秘訣をレクチャー。
1 「お金の雑談」をちょこちょこしておく
【効果】本人が気づかぬうちに、夫のやりくり関心度がUPします。
夫とお金のことを話す機会が少ないなら、家電の買い替えなどお金の雑談を日常的にして、家計を話し合う下地づくりを。「今の冷蔵庫は○万円」「どこからお金を出す?」などと話をつなげば夫が家計に関心を持つきっかけに。
OK 「冷蔵庫の買い替え、どうしよう?」
OK 「今、欲しい物はある?」
〈私もやってます〉
お金の小ネタをそろえておけば、何を話せばいいか、悩まずすみます。
『サンキュ!』読者 有田優美さん〈仮名〉【月貯蓄額 5万円】
欲しい物やお得な買い物など小さな話題でも、お金の使いみちや私の頑張りが伝わるもの。「俺も頑張ろう!」と夫も思ってくれます。
〈有田さんのネタ帳〉
●今、欲しい物と値段
●子どもへのプレゼントの内容と値段
●フリマアプリで売買した物と値段
2 「数字」を見せながら話す
【効果】生活費を数字で話すと、夫を家計に巻き込めます。
妻だけがやりくりをしていると、夫はお金の流れがわからないもの。でも数字を見せて話せば、何にいくら必要かをイメージしやすい!家計収支のほか、1カ月の教育費や通信費でもOK。「そんなにかかるの!?」となったら夫を家計に巻き込むチャンス。
NG 「毎月赤字で困っちゃう」 → 言い換えると……
OK 「うちは収入が月28万円だけど、支出は30万円。2万円赤字なの」
OK 「今、教育費は月5万円よ」
〈私もやってます〉
数字で伝えたら「生活するにはお金がかかる」とわかってくれた。
『サンキュ!』読者 紺野千里さん〈仮名〉【月貯蓄額 6万円】
世帯月収44万円に対し固定費、生活費、貯蓄額を説明したら、生活に必要なお金が伝わり、小遣いUPをあきらめてくれました(笑)。
3 夫が悪くても責めない。「相談ベース」で話す
【効果】家計のピンチを相談すると、夫も問題が「自分事」になり、協力したくなります。
赤字や臨時出費でピンチのとき、夫の浪費が原因でも責めないで。夫にも言い分があるし、ケンカになり溝ができるだけ。それより貯蓄が減るなど「夫にとっても困った状況」であることを伝え、「どうしたらいい?」と聞くと解決策も出たりして、協力を得られやすい。
〈私もやってます〉
貯蓄減など都合の悪いことは「事実」を話してケンカを回避。
サンキュ!アンバサダー とこさん 【月貯蓄額 15万円】
「臨時出費で今月の貯蓄は厳しい」「来月巻き返したい」など事実と私の考えだけを伝え、夫に「○○して」と指図しないように気をつけています。これでケンカにならない。
〈私もやってます〉
ありのままのダメ家計を見せたら夫婦で危機感を共有できた。
『サンキュ!読者』 有田優美さん〈仮名〉【月貯蓄額 5万円】
やりくり下手だったころ、赤字の家計簿を夫に公開して「俺もかかわらなきゃダメだな」と思ってもらうことに成功(笑)。貯まる家計になれた。
NG 「もっと稼いできて」 → 言い換えると……
OK 「何か違うことで収入増やせるかな?」
NG (高い物を買いたいと言い出されて)「ダメに決まってるでしょ!」
→ 言い換えると……
OK 「貯蓄が少ないけど、大丈夫かな?」
OK 「生活費が残りわずかだけど、どこからお金を出す?」
NG 「あなたが浪費したからお金がない!」 → 言い換えると……
OK 「今月赤字になりそうなの。どうしたらいいかなあ?」
4 時々「花」を持たせる
【効果】感謝を伝えると、夫の「家計を守る責任感」が育ちます。
家計管理は妻の担当でも、外食の会計や子どもに小遣いを渡す係など一部を夫に任せ、家族で「ありがとう」と感謝する機会をつくって。夫は「自分が家族を支えている」と実感し、責任感が生まれます。給料日も褒めて花を持たせると効果的。
NG 給与明細を受け取って(顔を見ずに)「お疲れさま~」 → 言い換えると……
OK 営業手当や残業代が多かったら「今月すごいね~。頑張ったね!」
OK 夫が子どもに小遣いをあげるそばで「パパが一生懸命お仕事してくれたおかげね!」
〈私もやってます〉
お金を使うタイミングなら、照れずに感謝を伝えられます。
サンキュ!アンバサダー ここゆきさん【月貯蓄額 18万円】
家族で外食や買い物、旅行をしたら「パパのおかげ。ありがとう」と感謝。夫も「予算は大丈夫?」と気にかけてくれます。
夫をやりくりに巻き込むコツ、貯め達人に聞いてみた
貯め達人は夫とどう話をしてやりくりに巻き込んでいるの?コツや傾向を探りました。
「月2~3回」お金の話をする人が多い
給料日や臨時出費があったときなどに月2~3回話す人が多数。話題は貯蓄額の報告、高額の買い物や家族イベントの費用の相談など。
「話すタイミング」に気をくばる
特に出費が増えそうなときの相談は、重くならずポジティブに話せるようひと工夫。「夫が疲れていたり趣味に夢中なときは避けます」(ここゆきさん)、「光が差し込む時間帯を選んで明るい雰囲気を演出します」。(紺野さん)
「日々のコミュニケーション」を大事にしてお金の話をしやすい雰囲気に
貯め達人は結婚後10年たっても夫を大事に扱い、話しやすい雰囲気づくりをしていました。夫とお金の話がしにくい人は、下のリストを参考にコミュニケーションを再点検。よりていねいに接すれば話しやすくなるはず。
Check!
□出勤時には「いってらっしゃい」と玄関まで見送る
□夫の雑談をちゃんと聞く
□おはよう、おかえり、おやすみのあいさつをする
□夫の好物を月に数回作る
Have a try!
□夫に「ありがとう」と伝えてみる
□話し合いたい内容をメモにまとめてみる
□ふだんからコミュニケーションを心がけてみる
参照:『サンキュ!』2020年3月号「疲れない節約、貯まる新常識」より。
監修/関口博美、横山光昭 編集/サンキュ!編集部
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