「こどもの日」とは?いつ?意味や由来、食べ物から過ごし方まで
2022/02/18
こどもの日は、毎年5月5日と決められている日本の祝日。
子どもの人格を重んじたり、母親に感謝したりするために、1948年(昭和23年)に新たな祝日として制定されました。
今回はこどもの日はいつ?端午の節句との違いは?といった疑問だけでなく、この日に楽しみたい食べ物や風習、おすすめの過ごし方まで紹介していきます。
こどもの日はいつ?
こどもの日は、5月5日と定められた国民の祝日。
以下の祝日とともに、毎年4月下旬から5月初旬に始まるゴールデンウイークを形成するお休みの一つです。
昭和の日:4月29日
憲法記念日:5月3日
みどりの日:5月4日
1月の第2月曜日である「成人の日」や7月の第3月曜日と定められた「海の日」などとは異なり、こどもの日は年度によって日付が変わりません。
こどもの日とは?
国民の祝日に関する法律によると、こどもの日には「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」といった意味/趣旨があります。
単に子どものお祝いをするのではなく、母親に感謝する意味も込められているのです。
名称からは「子どものため」という印象を抱きますが、お祝いをする対象は子どもだけではありません。
こどもの日には、母親に感謝することの大切さも伝えてみてはいかがでしょうか。
こどもの日はなぜ祝日になった?
こどもの日は、次のような形で議論が進み祝日に制定されました。
昭和23年2月6日:三島通陽、岩本月洲、松野喜内らがこどもの日について議論する
昭和23年4月13日:武藤智雄が「5月5日をこどもの日にしてほしい」との要望を伝える
昭和23年6月8日:松澤兼人が5月5日を希望する神戸市内のアンケート結果を伝える
こどもの日が制定されたのは1948年(昭和23年)のこと。議論開始から祝日の制定までは、すべて1年以内の出来事であったとわかります。
端午の節句との違い
5月5日は端午の節句ともいわれる日です。しかし、祝日であるこどもの日と端午の節句とでは、行事の種類や意味合い・お祝いする子どもの対象が異なります。
国が定めた祝日である子どもの日に対し、端午の節句は奈良時代から続く伝統行事です。
従来、端午の節句は病気や災いを避けるための行事としておこなわれていました。しかし、時代とともにその意味合いが変化し、男の子の成長を願う日になったといわれています。
こどもの日を子どもに伝えるなら
こどもの日について聞かれたら、次のように答えてみましょう。
「毎年5月5日と決められている祝日だよ。子どもが元気に楽しく成長できるように、お祈りをする日なんだ。お母さんにありがとうを伝える日でもあるんだよ。こいのぼりをあげたり記念写真を撮ったりして、家族で仲良く過ごそうね。」
こどもの日は英語でなんという?
こどもの日は英語で「Children's Day」といいます。
子どもを意味する英語「Child」の複数系である「Children」を使った表現であり、簡単でわかりやすいですね。
なお、端午の節句は「Boys’ Festival」や「Boys’ Day」と表現されます。
こどもの日には誰をお祝いするの?
こどもの日にお祝いをする対象について紹介します。
男の子も女の子もお祝いする
こどもの日は、すべての子どもをお祝いする日です。伝統行事である端午の節句のように、男の子だけをお祝いするものではありません。
以下のように誤った認識をしている方は少なくないでしょう。
5月5日(こどもの日):男の子だけを祝う日
3月3日(ひな祭り):女の子だけを祝う日
しかし、こどもの日は、女の子の成長を祈る日でもあるのです。
実際にお祝いをする対象については、各家庭の考え方があるかもしれません。ただ、本来はすべての子どもをお祝いする日であると理解しておくとよいでしょう。
子どもの年齢に決まりはない
こどもの日にお祝いをする対象の年齢については、明確な決まりはありません。そのため、何歳までお祝いをするかは各家庭で決めることになります。
参考までに、民法上で成年扱いとなるのは20歳からです。法律に基づいて判断したい方は、この年齢を参考にしてみてはいかがでしょうか。
こどもの日に楽しみたい食べ物
こどもの日に楽しみたい定番の食べ物を3つ紹介します。
かしわもち
かしわもちは、中にあんこを入れたおもちを緑色のかしわの葉で包んだものです。
かしわの木は、新芽が育つまで古い葉が落ちません。そこで、かしわの葉のように子孫が繁栄していくようにと、おもちを包んで食べるようになったといわれています。
かしわもちの定番は、白いおもちを使ったもの。最近では、よもぎを入れた緑色のおもちや味噌あんを使った淡い紅色のおもちもあるようです。
ちまき
ちまきは、もち米やうるち米で作ったおもちをチガヤの葉で巻いた食べ物。かしわもちと同様に、こどもの日/端午の節句にいただく定番の食べ物ですね。
日本独自の食べ物であるかしわもちとは異なり、ちまきは中国から伝わってきました。
もともと中国では、高名な詩人であった屈原(くつげん)を弔う際に用いられた食べ物です。日本では、病気や災いから逃れるための食べ物として知られています。
たけのこ
成長が早くまっすぐ育つたけのこは、子どもが健やかに育つようにとの願いを込めて、昔から縁起物として食べられてきました。春に旬を迎えるため、こどもの日のお祝いをする際にぴったりの食べ物です。
たけのこは、国内だけでもなんと600種類あるといわれています。近くに自然がある方は、子どもと一緒にたけのこを探しにいっても楽しいかもしれません。
こどもの日の風習・慣習
こどもの日にはどんな慣習があるのでしょうか。ここでは、定番の風習を3つ紹介します。
こいのぼりをあげる
子どもの健やかな成長を願ってあげられるこいのぼり。もともとは江戸時代において、武士の家庭で生まれた男の子の出世を願ってあげられていたといわれています。
さまざまな色の鯉が風に吹かれて泳ぐさまを見るだけでも、楽しい気分になるのではないでしょうか。
一般的に子どもの鯉といわれるのは、青色・緑色・ピンク色のものです。鮮やかな赤色のものは、お母さん鯉といわれています。子どもに質問されたらぜひ教えてあげてくださいね。
菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る
菖蒲湯とは、浴槽に菖蒲(植物)を浮かべたお風呂のこと。
強い香りがある菖蒲は、邪気を払う存在として昔から知られてきました。また、こどもの日の5月5日頃は、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期です。
そのため無病息災を祈るために、こどもの日には菖蒲湯に入る慣習があるといわれています。なかには菖蒲酒を飲んだり、菖蒲枕で眠ったりする方もいるようですね。
五月人形を飾る
五月人形とは、端午の節句に飾る武者人形や鎧やかぶとの飾りのこと。主に厄除けの意味があり、鎧やかぶとが男の子の身を守るようにとの願いが込められています。
五月人形の起源は、こいのぼりと同様に江戸時代です。武士の時代において、家系を途絶えさせないようにと男の子の無病息災を祈っていたのでしょう。
この慣習が受け継がれ、現在ではこどもの日におこなわれる文化として知られています。
こどもの日におすすめの過ごし方
こどもの日を楽しく過ごすにはどうしたらよいのでしょうか。小さな子どもを持つ方に向けて、おすすめの過ごし方を3つ紹介します。
折り紙でかぶとを作る
気軽にこどもの日を楽しむ方法として、折り紙で遊ぶのはおすすめです。
室内でできる折り紙は雨の日でも楽しめます。かぶとは比較的容易に作れるので、子どもと一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。
かぶとの作り方は以下のとおりです。
1. 三角形に折る
2. 左右両端を下の角に合わせて折る
3. 2で折った両端の三角形を下から上に半分に折りあげる
4. 3で折った三角形を、かぶとの角になるよう中心から折り広げる
5. 下の角を点線の位置で折りあげる
6. 更に点線で折りあげる
7. 下の三角形をかぶとのなかに差し込むように折りあげる
こいのぼりロールケーキを作る
少し変わった過ごし方をしたい方は、スイーツ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。こいのぼりロールケーキなら、こどもの日をお祝いしつつ楽しい時間を過ごせます。
市販のロールケーキを購入して、こいのぼりのデコレーションだけするのもおすすめです。
こいのぼりロールケーキ
家族全員で記念写真を撮る
こどもの日に、家族で記念写真を撮るのも楽しい過ごし方です。子どもの成長を記録するために、毎年の恒例行事にしてもいいですね。
毎日一緒に過ごしていても、家族全員で写真を撮る機会は意外と少ないものです。子どもの成長を願う祝日だからこそ、ぜひ家族全員で思い出を残してみてくださいね。
まとめ
子どもの成長を祈ったり、母親に感謝したりするこどもの日。伝統行事である端午の節句と同じ5月5日と定められた国民の祝日です。
この日に込められた意味や慣習・定番の食べ物などを知って、子どもと一緒により有意義な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。