「憲法記念日」とは?いつ?意味や由来、子供向けの伝え方や過ごし方まで
2022/04/03
憲法記念日は、毎年5月3日と定められている祝日。
1947年の5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念して、国民の祝日となりました。
今回は憲法記念日はいつ?意味や由来は?といった疑問だけでなく、文化の日・建国記念の日との違いや有意義に過ごすためのアイデアまで紹介します。
憲法記念日はいつ?
憲法記念日は、毎年5月3日と決められています。
日付が固定された祝日であり、1月の第2月曜日である「成人の日」や7月の第3月曜日と定められた「海の日」などのように、年度によって変動することはありません。
以下の祝日とともに、ゴールデンウイークを形成するお休みでもあります。
昭和の日:4月29日
憲法記念日:5月3日
みどりの日:5月4日
憲法記念日とは?
憲法記念日の意味や子どもへの伝え方、英語での表現方法を紹介します。
憲法記念日の意味
国民の祝日に関する法律によると、憲法記念日には「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」といった意味/趣旨があります。
憲法の施行をお祝いし、国家のさらなる成長を願うための祝日といえるかもしれません。
年に1回の憲法記念日には、日本国憲法の三原則について振り返ってみたり、憲法にまつわるイベントに参加したりしてみてはいかがでしょうか。
憲法記念日を子どもに伝えるなら
憲法記念日について聞かれたら、次のように答えてみましょう。
「日本のみんなが自分らしく平和に暮らすためのお約束がスタートした日だよ。毎年5月3日と決められているんだ。おうちや幼稚園でも、みんなで仲良く過ごすためのお約束があるよね。憲法記念日にはお約束の大切さについて一緒に考えてみよう。」
憲法記念日は英語でなんという?
憲法記念日は英語で「Constitution Memorial Day」といいます。
「Constitution」は憲法を意味するため、これを記念(Memorial)する日となっていますね。
「Memorial」を省略して「Constitution Day」と表現されることもあるようです。
5月3日が憲法記念日になったのはなぜ?
5月3日が憲法記念日になったのは、1947年5月3日に日本国憲法が施行されたからです。
日本国憲法は1946年の11月3日に公布されました。公布とは、新しい法令を一般に広く知らせることです。つまり、日本国憲法の内容を国民に発表されたのがこの公布日となります。
その後法令に効力が発生する施行日となったのが、公布日から半年後の1947年5月3日でした。国民が新たな憲法を把握するために、施行までに半年の期間が設けられたのです。
そして憲法が施行されたことをお祝いするために、5月3日が国民の祝日となりました。
憲法記念日と文化の日・建国記念日の違いは?
憲法記念日とよく混同されるものとして、文化の日・建国記念日があります。
そこでこの章では、各祝日との違いについて解説します。
文化の日との違い
憲法記念日と文化の日は、日付や祝日に制定された理由・意味/趣旨が異なります。
文化の日は、毎年11月3日と定められた祝日です。日本国憲法が1947年11月3日に公布されたことを踏まえ、同年7月に成立した法律によって祝日となりました。
また国民の祝日に関する法律によると、文化の日の意味/趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」となっています。第二次世界大戦での悲惨な体験から、日本国憲法には「戦争の放棄」が含まれました。そのため憲法の公布日である文化の日は「自由と平和を愛す日」とされたのかもしれません。
建国記念の日との違い
憲法記念日と建国記念の日は、日付や祝日に制定された理由・意味/趣旨が違います。
国民の祝日に関する法律によると、建国記念の日の日付は「政令で定める日」です。そして別の政令にて、建国記念の日は2月11日と定められています。
建国記念の日が2月11日なのは、初代天皇の神武天皇が即位したと推定されるのがこの日であるためです。日本国の原型ができた日であるため「建国記念」とされているのですね。
建国記念の日には「建国をしのび、国を愛する心を養う」といった意味/趣旨があります。文字通り、建国を祝うための祝日であるといえるかもしれません。
日本国憲法の三原則ってなに?
日本のすべての法律や決まりの基盤となる日本国憲法では、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の三原則を柱として定めています。
しかし名称は知っていても、三原則の意味を把握できていない方もいるでしょう。そこでこの章では、日本国憲法の三原則の概要について解説します。
国民主権
国民主権とは、国民が日本の政治のあり方を決める権利を持つ原則のこと。
この原則に基づいて、18歳以上のすべての国民が選挙権を持っていたり、選挙で選ばれた方が国の政治をおこなっていたりします。
日本国憲法の設立以前は、国の政治のあり方を決める主権は天皇にありました。政治だけでなく、外交や軍を指揮する権利なども天皇が持っていたのです。
国民主権がないと、投票によって国の政治に意見を示すことはできません。主権者を国民とする「国民主権」は、重要な原則といえます。
基本的人権の尊重
基本的人権の尊重とは、だれもが生まれながらに持っている人間らしく生きる権利を尊重するという原則のこと。憲法第11条に「侵すことのできない永久の権利」として、すべての国民に与えられることが宣言されています。
基本的人権には、思想や信教・学問・職業選択などがあります。つまり思想の自由などが保証されているのは「基本的人権の尊重」という原則が存在するからなのです。
第25条にて「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」と記された生存権も、この原則に則ったものです。年齢・性別・障害の有無などに関わらず健康で文化的な暮らしができるのは、この原則があるからといえるでしょう。
平和主義
平和主義とは、平和な暮らしを維持するために他国との戦争をしないという原則のこと。
日本は第二次世界大戦で、多くの尊い命を失う悲惨な経験をしました。同様の経験を二度とすることがないように、平和主義の原則が掲げられているのです。
具体的には、憲法第9条にて以下の3つが掲げられています。
・戦争の放棄
・戦力の不保持
・交戦権の否認
日本国憲法が施行されてから戦争がおこなわれていないことは、この原則が大切にされている証明といえるかもしれません。
憲法記念日を有意義に過ごすアイデア
日本国憲法の施行をお祝いする憲法記念日には、どんな過ごし方をしたらよいのでしょうか。ここでは、憲法記念日を有意義に過ごすためのアイデアを3つ紹介します。
憲法にまつわる行事やイベントに参加する
憲法記念日には、憲法にまつわるイベントに参加してみてはいかがでしょうか。
法務省では、毎年5月3日の憲法記念日を含む5月1日〜7日までを「憲法週間」として、憲法や司法にまつわるさまざまなイベントを開催しています。
たとえば、次のようなイベント情報を確認できました。(2022年2月時点)
・新型コロナウイルス感染症の時代と人権(東京都港区)
・民事裁判って何?/体験してみよう!民事調停(神戸地方裁判所)
オンラインにて申し込み不要で開催されるイベントもあるため、子どもと一緒に自宅からでも参加できます。日本国憲法について理解を深めたい方は、ぜひ公共のイベントを有効活用してみてくださいね。
子どもと約束ごとについて話してみる
子どもの憲法への理解を深めるために、約束ごとを題材にしてお話するのもおすすめです。
憲法は、日本全体における約束ごとともいえます。そのため、子どもにとって身近な約束を題材に会話をすると理解を深めてくれるかもしれません。
・朝起きたらあいさつをする
・靴をそろえる
・おもちゃで遊んだらもとの場所に片付ける
上記のような約束は、子どもにとっても身近なもののはずです。これらがなぜ大切なのか一緒に考えると、憲法や約束ごとの重要性を理解してくれるきっかけとなるでしょう。
帰省や旅行など連休ならではの過ごし方をする
憲法との関連性にこだわりすぎず、ゴールデンウイークならではの過ごし方をするのも一つの選択肢です。大型連休ではまとまった時間を確保しやすいため、帰省や旅行などをするのもよいかもしれません。
実家が遠方にある方でも、大型連休であれば帰省しやすいはずです。時間の少なさが原因で普段は実行できていないことがあれば、ぜひゴールデンウイーク期間をうまく活用してみてくださいね。
日本以外の国にも憲法記念日はある?
憲法記念日を祝日とする国は、日本だけではありません。
たとえば次のような国でも、憲法記念日が祝日として定められています。
メキシコ:2月4日
ポーランド:5月3日
デンマーク:6月5日
カンボジア:9月24日
各国が憲法記念日として定めた経緯はさまざまなため、共通した日付ではありません。
ただ偶然にもポーランドは日本と同じ5月3日が憲法記念日となっています。
まとめ
日本国憲法の施行を祝い、国のさらなる成長をお祈りする憲法記念日。
国民が日本の政治のあり方を決める権利を持ったり、自分らしく平和に暮らしたりするための三原則を定めた「日本国憲法」の施行をお祝いする祝日です。
この日に込められた意味や趣旨を知って、憲法記念日をより有意義に過ごしてみてはいかがでしょうか。