2022年の天皇誕生日はいつ?歴代天皇の誕生日は祝日?主な祝賀行事もご紹介
2022/02/26
2022年の天皇誕生日は2月23日で、国民の祝日です。
2019年に元号が「平成」から「令和」に改正されたことに伴い、天皇誕生日は12月23日から2月23日に変更となりました。
今回の記事では、天皇誕生日の位置付けや歴史を解説するとともに、「歴代天皇の誕生日は現在どのような扱いになっているの?」という疑問にお答え。さらには天皇誕生日の主な祝賀行事もご紹介します。
天皇誕生日とは?2022年はいつ?
まずは、天皇誕生日の位置付けや歴史からご紹介します。
令和の天皇誕生日は2月23日
令和における天皇誕生日は2月23日。
天皇陛下・徳仁さまは1960年2月23日生まれで、2022年には62歳を迎えられます。
現在の上皇陛下である明仁さまが天皇を退位されたことに伴い、元号が「平成」から「令和」に変わり、2019年5月1日に徳仁さまが天皇に即位されました。これにより天皇誕生日は、上皇陛下の誕生日である12月23日から、天皇陛下の誕生日である2月23日に変わったのです。
なお、徳仁さまが天皇に即位された5月1日にはすでに誕生日が過ぎていたため、2019年は天皇誕生日がない年となりました。
天皇誕生日は国民の祝日
皆さんもご存じの通り、天皇誕生日は国民の祝日です。
これは1948年制定の「国民の祝日に関する法律」(以下、祝日法)によるもので、「天皇の誕生日を祝う」ことを趣旨とした祝日として定められています。
天皇が変わると自動的に祝日も移動するわけではなく、2017年6月に成立した「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」によって祝日法も改正され、2月23日が新たに祝日となりました。
天皇誕生日の歴史
天皇誕生日は、かつては「天長節」と呼ばれていました。
起源は奈良時代にさかのぼり、775年に光仁天皇の誕生日をお祝いしたことがはじまりとされています。老子の言葉「天長地久」が由来で、天地が永久に尽きないように、物事がいつまでも変わることなく続くことを意味しているのだそう。
その後「天長節」が廃止されていた期間もありましたが、1868年には復活し、1873年に正式に日本の祝日になりました。そして、戦後の1948年に現在の祝日法が制定され、名称が「天皇誕生日」に改められました。
天皇誕生日を英語で言うと?
天皇誕生日は英語で “ the Emperor’s birthday ” と言います。
Emperor は「天皇」を意味する単語ですね。「陛下」を意味する “ His Majesty ” を付けて “ His Majesty the Emperor ” と言うと、より丁寧な表現となります。
なお、「天皇誕生日」という場合は、単に天皇陛下の誕生日であることだけでなく、国民の祝日であることも意味する場合が多いのではないでしょうか。そのため、より的確に伝えるためには以下のような説明を加えてみましょう。
“ 23rd February is the Emperor’s birthday, which is one of the national holidays in Japan. ”
- 2月23日は天皇誕生日で、日本における国民の祝日の一つです。
崩御・退位後はどうなる?歴代天皇の誕生日は祝日?
崩御・退位された後の天皇誕生日の扱いはさまざまで、その後も祝日として残っている日もあれば、平日に戻っている日もあります。ここでは歴代天皇の誕生日が現在どのような扱いになっているかをご紹介します。
明治天皇の誕生日「文化の日」
明治天皇の誕生日は11月3日で、現在は国民の祝日「文化の日」となっています。
1912年に明治天皇が崩御された後、11月3日は祝日でなくなりました。しかし、「近代日本の礎を築かれた明治天皇の功績を後世に伝えたい」という国民の声により、1927年に「明治節」として祝日に定められたのです。
そして、1948年の祝日法制定時に「文化の日」に改正。1946年11月3日に日本国憲法が公布されたことを記念する日として位置付けられていますが、実際には憲法公布日を明治節に合わせたと考えられています。
大正天皇の誕生日
大正天皇の誕生日は8月31日。現在は祝日ではありません。
大正天皇の誕生日は暑さが厳しく式典を行うのが困難と判断されたため、2カ月後の10月31日に「天長節祝日」という新たな祝日を設け、式典を実施していました。これにより祝日が1日増えたわけですが、昭和になってからは10月31日も祝日ではなくなっています。
一方、1926年12月25日に大正天皇が崩御されてから20年間は、命日が「大正天皇祭」として休日になりました。そのことは日本でクリスマス文化が広まるのを後押ししたといえるでしょう。
昭和天皇の誕生日「昭和の日」
昭和天皇の誕生日は4月29日で、現在は国民の祝日「昭和の日」となっています。
昭和天皇が崩御された後、4月29日は「みどりの日」として祝日のままでした。ゴールデンウィークとして親しまれてきた祝日を廃止すると、国民生活への影響が懸念されたためです。植物に造詣が深かった昭和天皇にちなんで、みどりの日と名付けられました。
2007年には祝日法が改正され、名称が「昭和の日」に。「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨とし、現在も祝日として存続しています。
平成の天皇誕生日(上皇さまの誕生日)
平成の天皇である上皇陛下の誕生日は12月23日。まだ祝日のイメージが残っているかもしれませんが、天皇を退位された2019年以降は祝日ではありません。
12月23日を祝日として残すか否かについては、政府関係者や有識者の間でもさまざまな議論がありますが、ご存命中の上皇陛下の誕生日を祝日にすると「二重権威」になりかねないため、当面の間は祝日とはしないことになりました。
将来的に祝日になる可能性もありますが、政府としては「国民各層の幅広い議論が必要」という方針のようです。
天皇誕生日の主な祝賀行事
続いて、天皇誕生日に催される主な祝賀行事をご紹介します。
祝賀の儀・宴会の儀・茶会の儀
誕生日当日には、祝賀行事「祝賀の儀」「宴会の儀」「茶会の儀」が皇居・宮殿で行われます。
「祝賀の儀」とは、天皇陛下が、皇族方や三権の長(内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官)から祝賀をお受けになる儀式のこと。
「宴会の儀」とは、天皇皇后両陛下が、三権の長をはじめ、官僚や国会議員、都道府県知事、各界代表者などから祝賀をお受けになる宴会。例年500人ほどが招かれ、宮殿「豊明殿」で昼食を囲まれます。
そして「茶会の儀」とは、各国の駐日大使夫妻を招いて催される茶会のこと。天皇皇后両陛下が立ったまま招待客と歓談され、祝賀をお受けになります。
天皇誕生日一般参賀
一般参賀とは、天皇陛下が国民から祝賀をお受けになる行事。天皇陛下にお目にかかれる貴重な機会で、毎年数万人が訪れます。
午前の部と午後の部に分かれており、午前には天皇皇后両陛下が皇族方とご一緒に宮殿のベランダにお出ましになり、天皇陛下からお言葉があります。午後は宮殿内で祝賀行事が行われるためお出ましはなく、記帳もしくは名刺を提出する方法での参賀となります。
なお、新型コロナウイルスの影響により、残念ながら2020年と2021年は取り止めとなりました。
祝賀レセプション
祝賀レセプションとは、外務大臣主催の恒例行事。各国の駐日大使夫妻や、国内の政治・経済関係者など約400人が出席し、天皇陛下の誕生日を祝います。
また、日本国内だけでなく、各国の在外公館においても、その地の政府関係者らを招いて祝賀レセプションを開催。会場では地方自治体によるPR活動も行い、日本の魅力を世界に発信しています。
これらの行事は、国際親善に精励されている天皇陛下の誕生日をお祝いすると同時に、各国との外交関係を強化する重要な機会とも言えるでしょう。
天長祭
宮中三殿では、宮中祭祀の一つである「天長祭」が執り行われます。
さらに、伊勢神宮や出雲大社をはじめとする、各地の神社でも「天長祭」を実施。これは天皇陛下の誕生日をお祝いし、天皇陛下のご長寿と国民の平安をお祈りするお祭りで、神社によっては一般人が参列できることもあります。
まとめ
天皇誕生日は奈良時代から続く伝統行事で、かつては「天長節」と呼ばれていました。歴代天皇の誕生日は、現在も祝日として残っているものと、祝日ではなくなっているものがあり、その扱いはさまざまです。
「どのような歴史的背景があるのか」「どのような行事が行われるのか」を理解できれば、天皇誕生日が今まで以上に馴染みのある日になるのではないでしょうか。
新型コロナの感染拡大が落ち着いたら、ぜひ一般参賀にも行ってみてくださいね。