冬至とは?2021年はいつ?食べ物・冬至との関係・日照時間・行事や風習まで解説
2021/11/16
冬至とは、1年の中で最も夜が長い日のこと。
2021年の冬至は12月22日。 2022年、2023年の冬至も12月22日となります。
「寒さはこのころから厳しくなる」とも言われる、太陽が出ている時間が短い日です。
今回は冬至はいつ?冬至とは?という疑問をはじめ、「夏至」との関係性や食べ物、風習についてを紹介していきます。
冬至はいつ?
国立天文台からの発表によると、2020年~2022年の日本における冬至は、以下のようになっています。
2020年12月21日
2021年12月22日
2022年12月22日
冬至がいつかは天文学的に決まり、毎年、12月21日か22日になります。
冬至は毎年特定の日付ではありません。定めた点を太陽が通る日を「冬至」と呼びますが、年によって冬至の点を太陽が通る時間は異なるので日付が若干前後します。
最も太陽の力が弱い日である冬至を境に、1~2月にかけてどんどん寒さが増していくのです。
冬至とは?
一年間を24分割した二十四節気。22番目の節気を「冬至」と言います。
冬至は、北半球において太陽の位置が1年で最も低くなり、日照時間が最も短くなる日です。言い換えると、1年で最も昼の時間が短く夜の時間が長いのが冬至ということです。
冬が去って春が来ることから、別名「一陽来復の日」とも言われています。
冬至は太陽の力が最も弱まった日。つまり、再び太陽の力がよみがえってくる日とし、この日を境に運気が上がっていく縁起の良い日とされているのです。
昔々ヨーロッパでは伝統的な冬至のお祭りがありました。冬至を境に日が長くなっていくことを「太陽の復活」としてお祝いしていたようです。
この冬至の祝祭日は現在、クリスマスとして親しまれる12月25日へと変化していったという説があります。
冬至は太陽の復活を意味し、ヨーロッパ各地で祭りが開催されるおめでたい日。その冬至が、イエス・キリストの誕生を祝うのに、ふさわしい日とされたようです。
冬至を子どもに伝えるなら
「冬至はお昼の時間が短くて、夜の時間が一番長い日なんだよ。毎年、クリスマス前の12月21日か22日くらいにやってくるんだ。お昼の時間が短いのは、冬至の時期になると太陽がわたしたちの居る地球より遠いところに行ってしまうからだよ。日本だとお祝いをする日ではないし、幼稚園や学校はお休みじゃないの。」と教えてあげるとよいでしょう。
日照時間は?日の出と日の入りも解説
冬至の日の日照時間は、9時間45分程度です。
以下の図は数年間の日の出と日の入り、日照時間が分かります。
図:2020年~2022年の冬至の日と、東京における日の出入り
一方で、一年で最も日が長い夏至の日照時間は、14時間35分程度なので、夏至の方が5時間も日照時間が長いことがわかります。
図:2021年の東京における夏至と冬至の日の出入り
なぜ日照時間が一番短いのに一番寒くならないの?
冬至の日の12月22日は、寒い本格的な冬の始まりなので1年で最も寒くなるわけではありません。
その理由は、地面・海面・空気(気温)は「暖まりにくく、冷えにくい」という性質があるからです。
この地面・海面・空気の性質が相まって、最初に太陽の光を地面・海面が受けてから約1ヶ月~2ヶ月後に空気が暖められたり冷えたりするのです。
最も太陽の力が弱い冬至では蓄えられる熱が少なく、地面や海面は冷えてしまいます。そこから放出される冷気が時間をかけて空気を冷やし、それが2月頃放出されるという現象が起こります。
冬至は英語で何という?
冬至は英語で「 the winter solstice 」と言います。
「solstice」は至、至点という意味です。
また、冬の中間点という意味で「 midwinter 」とも言います。
冬至と夏至の関係性
「1年で最も日が短い日」である冬至と対極にあるのが、「1年で最も日が長い日」である夏至です。夏至は毎年6月21日頃に訪れます。
夏至の日照時間は14時間30分程度、冬至の日照時間は9時間45分程度ですから、冬至のほうが約5時間も日が出ている時間が短いです。
冬至と同じように、夏至は決まった日があるわけではないので、太陽の動きによって日付が変動します。
どちらも「二十四節気」の一つ
夏至・冬至は太陽の動きをもとにした二十四節気のひとつです。
1年を4つの季節ではなく24つの季節で区分していて、春夏秋冬それぞれに6つずつの節気があります。合計24つの季節を表す名称が存在します。
図:二十四節気と地球、太陽の関係性
二十四節気の中の10番目にあたるのが「夏至」、22番目にあたるのが「冬至」となります。
太陽の動きで冬至・夏至・春分・秋分を理解
二十四節気の中で「夏至」「冬至」の他にも季節を表す名称として「春分」「秋分」があります。
この春夏秋冬、4つの季節のことを「二至二分(にしにぶん)」と言います。
夏至と冬至では日照時間に違いがあるのに対し、春分と秋分は「昼と夜の長さが同じ」と言われているのです。
これには地球の回転軸と傾きが関係しています。
図:地球の公転と太陽の関係性から見た夏至・冬至・春分・秋分
地球の地軸は、地球の公転軸に対してやや傾いて太陽の周りをまわっています。夏至になると、地球の北極側が太陽の方向に最も傾いた状態になるため、日本を含む北半球では日照時間が一番長くなります。
一方で、冬至は南極側が太陽に向かって傾くため、日本を含む北半球では日照時間が最も短くなるのです。
春分と秋分は、地軸の傾きが太陽に対して平行になるため、昼と夜の時間の長さがほぼ同じになります。
ただし、実際には光の屈折によって地表付近の太陽が浮き上がって見えることなども考慮されるため、昼間の時間の方が長くなります。
図:日本から見た春分・夏至・秋分・冬至
日本から見ると、夏至の日に太陽が最も高く、冬至の日には太陽が低く見えます。
なぜ冬至は祝日じゃないの?
同じような節気なのに「春分・秋分の日は祝日」で、「夏至・冬至は平日」。なぜなのでしょうか。
基本的に日本にとって大事な日を祝日と法律で定めています。
春分の日は「春季皇霊祭」、秋分の日は「秋季皇霊祭」と呼ばれる歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式、つまり先祖を供養する儀式が行われる大切な日です。
夏至・冬至も季節的な意味合いではとても大事な日ですが、法令に結び付けられるほどの行事がないので、祝日にはならなかったのだと考えられます。
冬至の食べ物
冬至には「ん」の付く食べ物を食べて、縁起を担ぎましょう!と言う風習があります。
なぜ「ん」と言う文字にこだわるのか、理由は2つあります。
1.「ん」と「運」をかけて、運が盛るように
2.「いろはにほへと~・・・」の最後が「ん」であることから、運気が変わって新しい始まりに繋がるように
「ん」がつく食材は多くありますが、冬至七種といわれる「ん」が2つ入る食材は特に縁起が良いと言われています。
運盛り
日本では、冬至の日に運気の上昇を願って「冬至の七種」とよばれる食べ物を備えるという風習があります。
冬至の七種と言われるのは以下の7種類。
・南瓜(なんきん)
・蓮根(れんこん)
・人参(にんじん)
・ぎんなん
・金柑(きんかん)
・寒天(かんてん)
・うどん(うんどん)
運に通じる「ん」が2つも入っているので、とても縁起がいいとされています。
夏に比べて食べ物の収穫が少なくなる冬場に、「季節のものをたくさん食べて栄養をしっかり摂りましょう」と言った先人の知恵や健康祈願の意味合いもあるのです。
かぼちゃ
かぼちゃは別名「なんきん」なので、運盛りの食材として冬至では親しまれています。
冬至にかぼちゃを食べるようになったのは、江戸時代からといわれています。かぼちゃの収穫時期は夏から秋ですが、かぼちゃの旨味が増すのは収穫から2~3ヵ月経った、秋の終わりから冬。秋に収穫されたかぼちゃの食べごろは冬至の頃になります。
ちょうど、野菜が少なくなる冬に食べごろとなるかぼちゃは、江戸時代の人にとって貴重な栄養源だったそうです。
冬至にはかぼちゃと小豆を煮た「かぼちゃと小豆のいとこ煮」を食べる地域があります。
中国では小豆の赤色は厄除けの色として知られ、「冬至の朝に小豆粥を食べると1年間病気をせず元気に過ごせる」と言い伝えがあり、日本にも習慣として伝わっています。
かぼちゃを使ったレシピはこちらからご覧ください。
冬至粥(とうじがゆ)
冬至の日に食べるお粥で、一般的には小豆粥のことを言います。
小豆の赤い色は、厄除け・魔除けの効果があるとされていて、運気を呼び込む縁起の良い食べ物と言われることから、冬至には小豆の入った「冬至粥」を食べる風習があります。
こんにゃく
冬至にこんにゃくを食べると、1年の煩悩の砂を洗い流せるといわれています。
こんにゃくには食物繊維が多く含まれていることから、「腸の砂おろし」「胃のほうき」呼ばれています。
体内をきれいに掃除してくれる、つまりデトックス効果がある食材として知られているのです。
一年の締めくくりに大掃除をするように、冬至にはこんにゃくを食べて体の汚れを中から流して清めようという習慣があります。
こんにゃくを使ったレシピはこちらからご覧ください。
冬至の日にすることは?行事や風習
では続いて、冬至の日にはどんなイベントが開催されているのでしょうか。まずは日本国内の、冬至の日の行事や風習をチェックしてみましょう。
ゆず湯・柚子風呂
冬至の日にはゆず湯・柚子風呂に入る習慣がありますが、これは銭湯ができた江戸時代から始まったと言われています。
昔々、毎日入浴する習慣がなかった頃は、冬至の日に体を洗って運を呼び込む準備をしたといわれています。
ゆずを使うようになった理由は2つあります。
1.香りの強いものは邪気を寄せ付けないと言う考えから、冬至の時期に強い香りを放つゆずを使うようになった
2.ゆずは何年もかけて実をつけることから、「長年の苦労が実るように」と願いを込めている
ゆずを使うようになった由来には厄除け・願掛けとしての要素が強いですが、実際、ゆずのスッキリとした香りにはリラックス効果があります。
さらに肩こり・腰痛・冷え性・むくみが緩和されるとも言われているので、現在も親しまれている風習のひとつです。
星まつり
星まつりは冬至に行われる仏教の儀式で、来年の除災得幸「災いが無く、福が訪れますように」、息災延命「健康で長生き出来ますように」を祈願する行事のひとつです。
別名「星供養」とも呼ばれています。
年ごとに巡ってくる運命を左右する星「当年属星」。
これらの星を供養し、1年間の幸福を祈り、災いを除くと言われています。
全国の様々な寺院で行われている行事です。
子どもと楽しむ冬至の日の過ごし方
子どもと冬至の日に楽しめるアイデアを紹介していきます。
自宅で簡単ゆず湯にチャレンジ
ゆずをスーパーで購入して、丸ごとお湯に浮かべましょう。
200リットルのお湯に対し、ゆずは2~3個くらいがおすすめです。
たくさん入れた方が見た目が鮮やかになり、香りを楽しむこともできます。
輪切りのほうが香りを放ちますが、丸ごと入れると刺激成分が出にくいので、敏感肌・お肌の弱いお子さまでも安心です。また、丸ごとなら手間もかからないので手軽に楽しめます。
丸ごとでも直接ゆずが肌全体に触れるのが心配な場合は、洗面器にゆずを入れて入浴中に香りを楽しむのまた一興です。
冬至の日の食べ物を楽しむ
冬至といえばの食材、かぼちゃを使って一緒にお菓子づくりをしてみましょう。
かぼちゃを使ったお菓子の「かぼちゃプリン」「かぼちゃクッキー」「かぼちゃマフィン」等だと、お子さまも喜んでお手伝いしてくれるかもしれません。
蒸しかぼちゃで作る!絶品濃厚かぼちゃプリン
子どもと一緒に「かぼちゃプリン」作りにチャレンジしてみましょう。
圧力鍋を使って蒸しかぼちゃを作れば、プリンにするのは簡単。
野菜嫌いなお子さんでも、濃厚で甘いなプリンならパクパクと食べられるかもしれません。
冬至の思い出作りにぜひお試しあれ。
海外の冬至は?
冬至は日本だけの出来事ではありません。
世界各地にて冬至にまつわる風習が存在しているので、一部を紹介していきます。
世界的に有名なクリスマス
世界的にイベントが行われるクリスマスは、実は冬至と密接に関係していると言われています。
12月25日がクリスマスとした親しまれる前、ヨーロッパでは「長い夜が短くなる春への起点、太陽が再び復活する日」としてお祭りしていました。
しかし、キリスト教の布教とともに冬至のお祭りを吸収して、12月25日はクリスマスとして新たに浸透していきました。
太陽が復活するイメージは神の子であるイエス・キリストの誕生を連想させ、見事に融合していったのです。
日本では恋人と過ごす日と言う印象が強いですが、当時の寒い地方の人々にとっては春を求める深層心理として響きあったのだと考えられます。
中国
冬至は中国で「冬節、交冬」とも呼ばれていて、約2500年前の春秋時代には冬至の日が決められていたと言われています。そもそも、日本の冬至は中国から由来しているのです。
中国ではこの日に紅白2色の団子を食べる風習があり、「冬至に金団子(紅い団子)と銀団子(白い団子)を食べないと年を越せない」という言い伝えがあります。
冬至は中国では大事な節気のひとつであり、「気は冬至に始まる」と言われ、養生の大切な時期とされています。
スウェーデン
スウェーデンでは冬になると1日中太陽が昇らない日が続くことがあります。
なので、冬至の最も日照時間の短い日を「太陽の陽が長くなり始める特別な日」とし、聖ルチア祭としてお祝いします。
聖ルチア祭では、頭にロウソクの火を灯して街や教会の中を行進するようです。
冬至にはルッセカットと呼ばれるサフラン入りのパンやジンジャークッキーが欠かせません。
まとめ
言葉は聞いたことはあっても、深堀りしてみると知らないことも多い冬至。
一年のうちで一番夜が長くなる日。そんな天文学的にも、世界的にも特別な日と理解できれば、これから訪れる冬至の日をいっそう楽しめるのではしょうか。