失敗や人目を気にし過ぎることなく、天命だと思えたらまずは挑戦!~連載『はじめよう!フェムテック』

2023/12/18

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった32歳。

<ゲスト>
●石川加奈子さん Kanako Ishikawa
grigry(グリグリー)代表取締役社長。早稲田大学法学部を卒業後、内閣官房内閣情報調査室で情報収集分析業務に従事。2013年にアメリカへ渡り、グローバルレジリエンス研究所の総務開発部長を務める。2015年に帰国後、コンサルタントとして独立。2019年春にMBAを取得し、同年7月に株式会社grigryを設立する。https://www.grigry.com/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。今回のゲストもgrigry株式会社代表取締役社長の石川加奈子さんです。

「起業家としても注目されている石川さん。起業のきっかけとなった出来事や、決断の時に大切にされていることなどについて伺いました。きっと背中を押され、一歩前進してみようと思われるリスナーのかたも多いのではないかなぁと思います」(伊久美)

思い込みを捨てたら、自分が本当に進むべき道が見えてきた

■東島アナ「株式会社grigry 代表取締役社長・石川加奈子さんをゲストにお迎えしています。なぜご自身で起業されようと思われたのでしょうか」

■石川「起業したことの理由には、直接結びつかないかもしれませんが、私にとって人生を変えるきっかけとなったのは、ドン・ミゲル ルイスの 『四つの約束』という一冊の本との出合いでした。その本には、人間の思い込みに関して記されていて、読んだ時に、“これまで私は、人からどう思われているかということを、ずっと気にして生きてきたなぁ“と思ったのです。そして、何かしら “こうあるべきだ” という、勝手な思い込みを持っていたことにも気づきました」

■東島アナ「例えば、どんなことでしょう」

■石川「私は女性だということもあり、20代で子どもを産みたい。そして、出産前に5年間は働きたいと思い、人生設計を立てていました。 “結婚をして家庭を持ち子どもを育てること” が、私の幸せだと思っていたわけです。もちろん、それも幸せの一つの形ですが、30代半ばで『四つの約束』を読んだ時に、ふと、なぜ自分はそのように考えていたのか疑問を抱きました。その時初めて私は、”自分にとっての幸せ”を真正面から考えたことはなく、勝手に思い込んでいたのだと気づいたわけです」

■伊久美「私もよく本を読みますが、一冊の本で自分の人生が変わるようなことは、めったにない気がします。きっと石川さんは、自分が思い込んでいた幸福観に、実は以前から疑問を抱いていたのかもしれませんね」

■石川「そうだと思います。常に何か生きづらさを感じていて、どこかしっくりこないなと思いながら生きていたのですが、思い込みだとは自覚していませんでした。気づきを与えてくれたのがこの本でした」

■伊久美「このお話は、皆さんや私たちにも当てはまることではないかと思います。間違っているわけではないけれど、結構、人は思い込みで生きているような気がします。そして、思い込みから脱することは勇気が必要ですよね」

■石川「勇気も必要ですし、人からどう思われているのか、どうしても気になってしまいますよね。でも、ある時、自分が思うほど、他人は自分のことを見ていない と気づきました(笑)。ですから、どんな失敗をしても、誰も気にしていない。いちばん気にしているのは自分だと思えるようになり、前進することができました」


決断の時に迷ったら、心がときめく方を選べば後悔はない

■東島アナ「一冊の本との出合いから、“自分らしく生きていこう”と思い、自分の思いを形にしていこうと決意された石川さんですが、実際に起業されていかがですか」

■石川「大変!の一言です。壁だらけですし、心が休まる日は一日たりともないですね。ただ、後悔をしたことはなく、日々 “生きている!” という実感があります。特に公務員時代は、“こういうことしなさい” と言われて仕事をしてきた部分が多かったのですが、今は自分がやりたいこと、やるべきだと思うことに、全身全霊をかけて取り組めています」

■伊久美「生きている実感! 取り組みたいことがあるというのが大きいですよね」

■石川「そうですね。やりたいと思えること=天命だと感じていますが、それを見つけられて、本当に幸運だと思っています」

■東島アナ「リスナーのかたも、どちらの道へ進むべきか迷われることがあると思います。石川さんは決断の時に、どのように選択されてきましたか」

■石川「私はいつも、“どちらの道を選んだ方が、自分がワクワクするか” という基準で決断をしています」

■伊久美「ワクワクって簡単な言葉に聞こえますが、私も大事にしているキーワードです。ワクワクすることを選ぶと、後悔はしないですよね」

■石川「そう思います。挑戦しないで後悔をするより、取り組んでうまくいかないほうがよい、そう思いながら毎日今を生きています!」

■東島アナ「わぁ、そういうことですね! 今、石川さんのエネルギーをものすごく感じています。よく伊久美さんも “真面目と真剣は違う” と言われています。真剣に人生と向き合う瞬間、多分、それがいろいろな人にとっての決断のタイミングだと思いますが、そこに自分の気持ちをもっていける強さが必要ですね」

■伊久美「安定した生活を考えると、石川さんほどの勇気が持てずに決断することができないかたも多いと思いますが、少なくとも、ときめいたりワクワクすることを、久しぶりに思い出してみてはいかがでしょう。自分自身に対してもそう思いました」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回は、薬剤師で漢方カウンセラーの大久保愛さんをゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

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