エレベーターと乗り降り口の隙間に落ちていった2歳息子のミニカー。苦難を越え戻ってきた姿が「粋」だった

大事なミニカーを宿泊先のホテルに落としてきてしまったのは、卯月さん（@uduki47）の2歳の息子さん。落とした場所はエレベーターと乗り降り口のわずかな隙間でした。苦難を越えて戻ってきたミニカーの粋な姿に、29万件のいいねが集まっています。

粋すぎる計らい

5歳と2歳の兄弟のママである卯月さん。
宿泊先のホテルで次男くんが落としてきてしまったというミニカーについて投稿したところ、話題となりました。

ミニカーが大好きな次男くんは、当時、覆面パトカーのミニカーを手に持っていたのだそう。お気に入りのミニカーを手に、さぞご機嫌だったことでしょう。

しかし、ふとした拍子にミニカーを落としてしまった次男くん。
落とした場所はエレベーターと乗り降り口の床との間にあるわずかな隙間でした。簡単に取り戻せないことが、容易に想像できますよね。
卯月さんご家族はホテル側に相談し、その後、帰宅。

すると数日後、ホテルから自宅宛てに荷物が届きました。
中身はもちろん次男くんお気に入りのミニカー。しかも元の姿より、さらに特別な姿で帰ってきたのです。

卯月さんが投稿した写真には、レッカー車に引かれるミニカーが。
なんという粋な計らい……！
同封されていた手紙には「レッカー車にてお車のお届けに参りました。お車に不具合等ございましたら、我々メカニックチームまでご連絡くださいませ。　メカニックチーム一同」と、こちらの内容もまた”粋”ですね。

コメント欄には「いいなあ。こういう遊び心」「粋な計らいで素晴らしすぎる」「子ども心を分かってらっしゃる」と感動の声が次々に寄せられました。

卯月さんに当時の状況をお聞きしました。

吸い込まれるように落ちていった

ミニカーを落とされた際は、どのような状況だったのでしょうか。

「次男と私が1階エレベーターから降りるときに『おとしちゃった』という声とともに、カタッと何かが落ちた音が聞こえました。
下を見るとその瞬間、エレベーターと1階の床との隙間にカタカタカタ……と吸い込まれるように落ちていきました」

卯月さんも次男くんも驚きの瞬間だったと思います。次男くんはどんな様子でしたか。

「すぐには取れないことを伝えると大泣きしました」

落ちていく様子を目の当たりにしたとのことですから、悲しみは当然のものですよね。

ミニカー回収までの流れ

その後、「フロントに相談した」という卯月さん。ミニカーが回収されるまでにはどんなことがあったのでしょうか。

「フロントでは、すぐにエレベーター業者に問い合わせてくれました。
その場でエレベーター業者を呼んで回収すると料金が発生するけれど、月に一度の点検日なら料金は発生しないとのことだったので、そのときに取り出してもらい、着払いでいいので郵送してもらうことにしました」

取り出せる見込みがあって、本当によかったですね。
落とした当時の卯月さんはミニカーが手元に戻ってくることをどれぐらい期待していましたか。

「正直、帰ってこないという発想がありませんでした。次男にもそう言い聞かせていました。
今思えば帰ってこない可能性もあったんだな、と感じます（笑）」

フロントの方がしっかりと対応してくれたことで、不安を感じることなく、ミニカーの救出を信じて待つことができたんですね。

落としたのは世界にひとつのミニカーだった

今回の投稿写真に写っていた覆面パトカーのミニカーは、次男くんにとってどのようなものなのでしょうか。

「2年くらい前に初めてのミニカーイベント参加時に、長男が作ったオリジナルの覆面パトカーです。
次男は必ず毎日2台ほどミニカーを持ち歩かないと落ち着かないようで、この旅行中はたまたま思い入れのある一台がお気に入りの日でした」

世界にひとつしかないミニカーだったんですね。

届いたミニカーを見た次男くんの反応は？

ミニカーが手元に戻ってきて、次男くんはどのような反応でしたか。

「ホテルから届いた郵送物を長男が早く見たがり、袋を開封すると、写真の通りの状態でプチプチに包まれたレッカー車と落としたミニカーが透けて見えました。

長男が『レッカー車付いてる！』と大喜びし、家にあるもう1台のレッカー車のミニカーと一緒に並べていました。
落とした本人の次男もうれしそうに見ていました」

お子さんたちの喜ぶ姿を見て、卯月さんはどのように感じましたか。

「私は最初、レッカー車は別の子が落としたものが間違って一緒に届いてしまったのかと思いました。
ですが、手紙を読んですぐに理解し、ホテルの粋な対応に感動しました」

世界にひとつの特別なミニカー。ホテル側の計らいは、落としてしまった悲しみを一気に覆してくれるような、本当に粋なものでした。救出されたミニカーは一段と特別なものになったのではないでしょうか。

取材協力：卯月さん（@uduki47）