寒い時季の食卓は、あったかい「お鍋」が大活躍しますよね。
そんなとき、お鍋にまつわる「絵本を読む」と、家族でお鍋を囲む「幸せな時間」を2倍楽しむことができます。
絵本のふしぎな力を借りて「お鍋づくり」も、親子の特別なイベントに変えてしまいませんか?
今回は、元絵本・教材編集者のこうむらゆうこが、親子でいっしょにキッチンに立ちたくなる「お鍋」絵本をピックアップ。読み聞かせ現場でのリアルな反応を交えてご紹介します。
せっしゃ、なべぶぎょうでござる!【ポプラ社】
くいしんぼうな家族のために「お鍋」を作りたい小学生・ヒロ。そこへ、サムライみたいな妖精「なべぶぎょう」が参上。「キュートなべ」「おにくパラダイスなべ」など、みんながあっと驚く絶品アイディアを授けてくれます。
子どもの「お料理してみたい」気持ちを、じょうずに刺激できるお話です。巻物でなべの材料を明かしたり、金のさいばしを受け継ぐシーンがあったり、子どもをわくわくさせるしかけがいっぱいです。
「ござる」調の語り口が、とってもリズミカル。子どもが自然とマネる魅力があります。ヒロの料理初心者らしい失敗シーンは、子どもたちから総ツッコミ! もっと読んでほしいと言われた一冊です。
【読み聞かせのポイント】
・「ござる!」「しからば ごめん!」と語尾を強めて、武士になりきる。
著:しめのゆき/絵:大串ゆうじ/出版社:ポプラ社/2021年/80ページ/目安時間:15分
おなべさんとおたまちゃん【福音館書店】
おなべさんとおたまちゃんが出会った、お腹を空かせた力士・さとのいも。聞けば、相撲部屋の食べ物をみんな泥棒に盗まれてしまったんだとか。そこで、おなべさんとおたまちゃんは町の人と力を合わせて、特製「ちゃんこ鍋」を作り始めます。
おすもうさんならではのダイナミックなクッキングシーンが秀逸です。「キャラの名前」など、文章には登場しない情報を、絵から読み取って楽しむ子どももいました。
文章には、調理ならではのオノマトペがふんだんに登場。食材名で韻を踏んだセリフもあり、テンポよく読みきかせできます。
【読み聞かせのポイント】
・「ぺったん ぺったん」「ばちん ばちーん」など、オノマトペを強調すると臨場感が出る。
作:宮本えつよし/絵:国松エリカ/出版社:教育画劇/2019年/32ページ/目安時間:5分
おなべ おなべ にえたかな?【福音館書店】
おおばあちゃんにお鍋の番を任された、きつねのきっこたち。「おなべ おなべ にえたかな?」と声をかけると、お鍋が「にえたか どうだか たべてみよ」と返事をします。鍋のいう通りに味見をするうちに、スープの中身が少しずつ変わっていって……。
ドキッとさせるハプニングから、心がほっと温まるラストシーンへの流れが印象的です。お料理ができあがるのを待つワクワク感や、おいしい料理が作れた誇らしさを、自分のことのように味わえます。
2回目からは、小さく描かれている「お客さんたち」にも着目すると、さらに物語を楽しめます。繰り返しでてくる「おなべ おなべ にえたかな?」のセリフは、子どもたちに読んでもらっても盛り上がります。
【読み聞かせのポイント】
・「おなべ おなべ にえたかな?」は、使い方次第。
・子どもに読んでもらう、「フタを開けていい?」と問うなど、お話により没入できるフックにする。
作:こいでやすこ/出版社:福音館書店/1997年/32ページ/目安時間:10分
「お鍋」の絵本は、お料理デビューにぴったり!
わが家では、5歳の息子がお鍋づくりに挑戦! 「せっしゃ、なべぶぎょうでござる!」を参考に、コーンたっぷりのお鍋を作りました。
普段は、しぶしぶ買い物に同行していますが、この日ばかりは「巻物メモ」を握りしめて、スーパーへ出動。テキパキ食材を選んだあとは、買ってきた白菜を洗い、包丁で切る工程まで挑戦しました。
絵本は読んで楽しいだけでなく、そのストーリーを普段の生活にも広げることができます。何気ない日常のひとコマを「特別な瞬間」にする絵本のパワーを、ぜひ子どもとの暮らしに役立ててくださいね。
■執筆/こうむらゆうこ
元えほん・教材編集者のライター&デザイナー。園児・小学生の子どもを育てながら年100万円を投資し、総資産2,000万円を達成。執筆ジャンルは、えほん・マンガ・グルメ・資産運用などさまざま。“好き”にあふれた生き方を目指し、ラクなお金の増やし方を考案中。読み聞かせ活動も行っています。
編集/サンキュ!編集部