“あたりまえをあたらしく。” という考えがよい循環を生み、快適な社会を目指す

2024/10/17

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。32歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった33歳。

<ゲスト> 
●藤田麻美さん Asami Fujita
1988年北海道生まれ。大学卒業後、テレビ業界へ。物理的に「機械」に頼る力と、熟練の目や手といった「人」に頼る力が合わさりはじめて成り立つ資源リサイクル事業に興味をもち、2023年5月に「鈴木商会」へ転職。ひとりひとりが自然にフォローし合う、思いやりにあふれた社風の中、無駄なエネルギーを使わず、人と環境にやさしい社会の実現を目指しながら過ごしている。モットーは“ワーク イズ ライフ”。 https://www.suzuki-shokai.co.jp/


認知が広がりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。今回のゲストも、鈴木商会・広報部の藤田麻美さんです。 「働きやすい環境に欠かせない育休について伺います。“お互いさま”の精神で、自然にフォローし合える。鈴木商会のチームワークのよさは、世に誇れるものだと思っています」(伊久美)

男性社員の平均育休取得日数は105日。休むことはキャリアへのダメージにならない!?  

■東島アナ「今回のゲストも、資源リサイクル会社・鈴木商会・広報部の藤田麻美さんです。資源のリサイクルや産業廃棄物の収集運搬処理を行う会社ということもあり、男性が活躍する職場のイメージが強いですが、前回のお話で、現場で活躍する女性も増えていると伺いました。女性が働きやすいのは、なにか特別な仕組みがあるのでしょうか」

■藤田「最近ですと、昨年、重機の遠隔操作を本格導入いたしました。オペレーターが、札幌の街中にある本社から、60キロ以上離れた苫小牧にある重機を遠隔操作しております」

■伊久美「東島さん、イメージがわきますか?無人で動いているわけです」

■東島アナ「ここまで進化しているとは! すごいですね」

■藤田「ゲームセンターにあるガラス張りのコックピットのようなものが会議室に置いてありまして、そこでオペレーターが60キロ離れたところの重機を運転しているのです」

■東島アナ「遠隔操作のメリットは、危険が少ないということでしょうか」

■藤田「はい。あとは北海道の冬は寒さが厳しいので、天候に左右されないという利点もあると思います」

■伊久美「結構、画期的なことですよね」

■藤田「そうですね。性別や年齢にとらわれず、優秀なかたがたに働いていただける環境づくりという点で、内外から興味をもっていただいています」

■伊久美「ガラス張りのコクピットみたいな操縦エリアに、よくお客様が視察にいらっしゃっています」

■東島アナ「快適な職場の環境づくりを、会社を挙げて行っている一例ですね。働きやすい環境づくりというと、育休というのも大きなポイントになりますが、女性だけではなく、男性の育休に関するシステムも、御社は進んでいるとお聞きしました」

■藤田「そうなのです。男性の育休取得の平均日数は、昨年の実績で105日でした。弊社で初めて育休を取った男性社員は7カ月間取得しまして、復職してすぐに、事業所の所長に抜擢されています」

■伊久美「以前、番組に来てくださったゲストのかたが“男性が育休を取ると、キャリアに影響があるので取りづらい”とおっしゃっていました。そんな声もある中、復帰してすぐに所長に抜擢されるというのは、全く差別をしていないということです。このような事例ができると“育休を取得しても、キャリアへの影響はなく大丈夫なのだ”ということがわかり、育休取得率が増えます。非常によい結果につながります」

■東島アナ「7カ月育休を取得できるということは、代わりに社内のバックアップ体制が必要になってくるかと思うのですが、体制がしっかり整っているということなのでしょうか」

■藤田「実は制度という形はとっていないのです。日頃からチームで作業することが多いので、チームワークや連携のよさが大きく働いているのかなぁと思っております」

■東島アナ「これは伊久美さん、大きなポイントですね!」

■伊久美「私がこの会社で一番好きなところです。本当に、制度とか仕組みとかそういうことではなく、自然にフォローし合っている。そこは見事だなぁと思いますね」

■東島アナ「これは社風いうことなのでしょうか」

■藤田「そうですね。うちの会社は、人を一番に考えているのかなぁと思います」

■東島アナ「男女に関係なく助け合っているというお話でしたが、フェムテックの視点で、今後女性がさらに活躍するために、藤田さんはどのような会社になっていけばよいとお考えですか」

■藤田「当社は “あたりまえをあたらしく。” をミッションとしています。フェムテックに関しては、これまで女性が当たり前に我慢してきたこと、例えば生理やホルモンバランスの変化による不調などに対して、新しくプラスに変わっていけばよいのかなぁと思っております」

■伊久美「“あたりまえをあたらしく。”というコピーがいいよね。いろいろなことに当てはまりますね」

■東島アナ「そう思います。最後に、今後、鈴木商会が目指すところを教えてください」

■藤田「はい。資源リサイクルや産業廃棄物という言葉や仕事は、皆さんの日常生活の中ではあまり目に届かないのかなぁと思います。ですが、きれいにしたり限られた資源を有効利用したり、環境に貢献するという点では、皆さんのすぐそばにある仕事だということを、もっと知っていただけたらと思っております。最近の例では、車のフロントガラスはリサイクルしづらいものとされていましたが、北海道の小樽で有名なガラス工房さんとコラボして、小樽ガラスの食器を製作するなど、身近に感じていただける取り組みに挑戦しております」

■伊久美「限りなく循環させる。これは非常に尊いことですので、みんなで実現していきたいです。そういう社会にしたいと思っています」

■東島アナ「“捨てられたものが、その先どうなっていくのだろう”と考えることが重要だなぁと思いました」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回は、『サンキュ!』の山本沙織編集長をゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にニッポン放送でオンエア。お聴き逃しのかたは『radiko』のタイムフリー機能で、放送1週間後までお聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

 
 

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