今年こそ、家族でフェスに行こう! キャンプの準備、必需品、楽しみ方を解説
2018/04/20
春から夏にかけて各地で開催されるフェス。最近は、ファミリー向けに特化したキャンプフェスも数多く開催されていますが、初めてだから家族で行くのはちょっと心配……という人も少なくないはず。そんなあなたのために、ファミリーでフェスに参加する場合のポイントや、フェスに行くための準備、子ども連れにおすすめのフェス情報についてアウトドアナビゲーターの渡部郁子さんに教えてもらいました。
近年増えているファミリーで楽しめるフェス
アウトドアナビゲーターの渡部郁子です。子どもといっしょに、いままで様々なフェスを楽しんできました。親子で初めてのフェス参加は、息子が生後3ヶ月の時のフジロック。それまで夫と一緒に何度も参加してきたフェスなのに、赤ちゃんがいることで、滞在中の体験も目線も行動も大きく変わったことを覚えています。
「こんな小さな赤ちゃんを過酷なフェス環境に連れて行っていいのだろうか?」と、行く前はかなり悩んだフェス参加でしたが、赤ちゃんだった息子は始終ニコニコしていて、貴重な体験とステキな思い出を作ることができ「行ってみて本当に良かった」と実感しました。今では年に数回、家族でフェスを楽しんでいます。
近年はファミリー向けのフェスもどんどん増えつつあります。子どもといっしょにアウトドアを体験したい、せっかくなら音楽があるともっといい、という方におすすめなのが、キャンプで滞在するタイプの音楽フェスです。まずはフェス選びのポイントについてお伝えします。
ファミリー向けキャンプフェスなら、春と秋がオススメ
年間を通して、全国各地で様々なフェスが開催されていますが、春は特に、ファミリー向けのフェスやイベントが多く開催されます。キャンプ主体のフェスもあれば、周辺宿泊施設と連携したフェスもあります。まずは気になるフェスがあるかどうか、チェックしてみましょう。
まずは日帰りで、フェスの楽しさを体験しよう
キャンプに適した季節といっても、初心者でいきなりテント泊はちょっと不安、という方も多いことでしょう。そういう場合は、気になるフェスに日帰りで参加してみましょう。
フェス会場を見て、フェスを実際に体験し、できればキャンプエリアなども確認して、他の人たちがどのように過ごしているかを見て、自分たちがキャンプする場合のイメージを膨らませてみましょう。
フェスによっては、キャンプ道具などのレンタルが充実していて、手ぶらでもキャンプ体験が可能なプランもあります。朝夕の気温、現地の食事情、フェスの内容など確認して、日帰りでも十分に楽しめたら、次はキャンプにチャレンジです。
フェスでは雨対策を絶対にお忘れなく!
フェスに参加するときにまず準備するべきものは、アウトドア用のレインウェア、防水対応のアウトドア用シューズ、荷物を濡らさないバックパックの3点です。
フェスの場所や季節によりますが、野外フェスに雨はつきもの。しかも傘をさすことが禁止されている場合が多いです。雨が降ったときに、衣服や足元、荷物が濡れてしまうと、場合によっては命の危険につながります。日帰りなどでテントの用意がない時は、雨の時に避難する場所、濡れないための対策などを検討しておきましょう。
キャンプ準備、場合によっては調理器具は後回しでもOK
テントや寝袋、調理器具などをレンタルできる、手ぶらプランがあるフェスが増えてきました。ただし、手ぶらプランは人気が高く予約を取るのが大変です。早めに計画を立てて、チケットの発売日をチェックしておくことが必要です。
自分でテントを用意する場合は、テントと寝袋、調理器具の準備を検討しましょう。フェスの場合、会場にはたいてい、おいしい屋台がありますので、調理器具は後回しでも大丈夫。テントは雨や風からしっかり守ってくれるものを、寝袋は朝晩の冷え込みから守ってくれるものを用意しましょう。
フェスに行けば、おいしいフェス飯があるから食事を作る必要がないし、テントの組み立て方が不安でも、まわりに教えてくれるベテランたちがたくさんいます。しかもフェスによっては、テントも寝袋もレンタルできる、ファミリー向け手ぶらプランを用意しているところが増えてきましたから、初めてのテント泊は、手軽にフェスで試してみるのがおすすめです。
フェスを子どもと楽しむコツ
子ども向けのコンテンツが充実しているフェスは、親にとっても楽しめるポイントです。たとえば昨年、フェス会場でフェイスペイントを体験したとき、会場で見つけたタンポポの花を頬に描いてとお願いした息子。仕上がりにとても喜んで、その後しばらく、おえかき帳にタンポポの絵を描き続けました。
それまであまり絵を描く行為に興味を持たなかった息子なので、私自身もとても驚きました。頬に描かれたタンポポの絵が、きっと彼の心に大きな感動を残したのでしょう。
ファミリーで楽しむのに最適なフェス一覧
最後に、ファミリーで楽しむのに最適なフェスをご紹介します。すでに開催済みのものや、チケット販売が終了しているものもありますが、そちらについては来年以降開催されたときのご参考にしてくださいね。
GO OUT JAMBOREE(2018.4/13~15)
アウトドアファッション誌「GO OUT」主催のフェス。富士山のふもと、静岡県富士宮市の「ふもとっぱら」で開催。まわりに宿泊施設は少ないので、宿泊の場合はテント必須。天気がよければ雄大な風景が魅力。
森、道、市場(2018.5/11~13)
日本全国からおいしいごはんやステキなモノが集まる「市場」を中心とした野外フェス。愛知県蒲郡市のラグーナビーチと遊園地ラグナシアを舞台に開催。チケットで遊園地も楽しめる。駅からシャトル送迎があり、車がなくても利用しやすい。
マンモス・ハローキャンプ(2018.5/12~13)
ラグジュアリーなアウトドア体験を提案するキャンプ場「PICA富士西湖」を会場に行われるキャンプ野外フェス。遊びや学びをテーマにした子ども向けコンテンツが中心。西湖周辺の民宿プランや手ぶらキャンプチケットもあり、初心者が利用しやすい。
ACO CHiLL CAMP(2018.5/19~20)
静岡県御殿場市で開催する子ども向け野外フェス。近隣ホテル泊や、手ぶらで設営済みのテント泊プランなどがあり、テントがなくても楽しめる。多彩なワークショップや、子ども向けを意識したラインナップが特徴。敷地内に温泉施設があるのも魅力。
道志村キャンプ Natural High!(2018.5/26~27)
山梨県道志村で開催される、ファミリー向けフェスの先駆け的存在のキャンプフェス。近隣に宿泊施設などがないため、宿泊の場合はテント必須。キャンプ場内に小川が流れ、豊かな自然環境が魅力。
頂 -ITADAKI-(2018.6/2~3)
静岡県吉田町の吉田公園に特設ステージを設け、期間中だけ特別に公園内でキャンプができる野外フェス。近隣駅からのシャトルバスもありアクセスがよい。持ち物はマイ箸、マイボトル、マイキャンドル、マイごみ袋など。廃油を利用する環境系フェス。
THE CAMP BOOK(2018.6/9~10)
「音、食、湯、まったく新しいキャンプフェス」をコンセプトに2017年から始まったフェス。今年は新潟県神立高原スキー場に会場を移して開催。
New Acoustic Camp(2018.9/15~16)
群馬県みなかみ高原で開催されるファミリーに人気の高い野外フェス。周辺の温泉施設での宿泊プランや、手ぶらテント泊プランなど、初心者にも参加しやすいプランが用意されている。ゴルフ場が会場なので、ふかふかの芝生でキャンプできるのも魅力。
朝霧JAM(毎年10/10前後に開催)
キャンプフェスの老舗。オールキャンプインシステムで、キャンプフェスの楽しさを提案している。富士山のふもと、静岡県富士宮市のふもとっぱらを会場に、天気がよければ雄大な風景が魅力。
◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。
公式ホームページ:http://www.watanabeikuko.jimdo.com/