“フェルト作家”として作品集の出版を目指す主婦の奮闘
2019/03/17
趣味として作り始めたフェルト作品が評判を呼び、7年経った現在は作家として販売をしている主婦のmaruwa★taroさん。お客さまのオーダーに追われる毎日の中、常に新作の構想を練っているという彼女の夢とは?
■お話を聞いたのは…maruwa★taroさん(奈良県 39歳)。サンキュ!ブロガー。フェルト作家として作品をネットで販売。夫、高校生の娘、義母、猫2匹と暮らしている。
自己満足の作品がネットを通して他の誰かに認められるように
もともと物作りが好きだったmaruwa★taroさん。編み物やインテリア雑貨など、さまざまな物を作ってきました。フェルト作品もその中の1つ。
始めはただの趣味レベル。気付けば注文殺到に。
「はじめは小4の娘が学校に行っている間、趣味としてただ楽しく作っているだけでした。コミュニティーサイトで公開したところ、反響が大きかったので、試しで販売を行ってみたところ、あっけなく売れていきました」。それが7年前のことでした。
maruwa★taroさんの作品は、とても個性的。なんと、フェルトでリアルな食べ物を再現しているのです。パンケーキやドーナツなど、元からフェルトと質感が似ている物から、寿司やおせちなど「これがフェルト!?」と思わず二度見してしまう物まで作品はさまざま。インテリアディスプレーや撮影小物、おままごとなどに使いたいと、お客さまが後を絶ちません。
「初期のころと比べて格段にきれいに上手にリアルに作れるようになった」という今、maruwa★taroさんは「フェルト作家“maruwa★taro”のフェルト本(小物の作り方の本)」を出版するという夢を持つようになりました。
実績不足を痛感し、多数のコンテストにエントリー
確実にお客さまからの注文は入るけれど、それだけでは物足りない。“作家”として上のステージを目指すようになりました。
「誰が見ても驚くようなフェルト作品を生み出したいと思っています。フェルトの食べ物がリアルなんて不釣り合いですが、その“不意”を突きたいと思っているのです」。
作品1個あたりの制作時間は簡単なものでも20分弱、凝ったものだと3時間はかかります。注文が重なった時は、10時間ぶっ通しで制作ということも。
「トイレに行こうと立ち上がったとき、膝がガクガクして上手く歩けなかったこともありました(笑)。フェルト作業=好きなことなので、夢中になって朝になっていたなんてことはよくあることです」
その集大成として、本の出版を目指しているmaruwa★taroさん。
「今のところ、残念なことにどこからもお声は掛かっていません。…が、まだまだ諦めてはいません」。
夢にむかって、コンテストに積極的に応募!
そこで、作家としての実績を積むために、ハンドメイドのコンテストに出品。16年にはexcite主催のコンテストで銀賞や新作賞を受賞。そして昨年はminneハンドメイドアワード2018・最終ノミネート作品に選ばれました。
「残念なことに 夢に見た受賞とはならなかったけど 目標としていたコンテストに 1コマだけでも前に進めたことが大きな1歩に。もっと前に進みたい! そんな希望と野望が生まれた瞬間でした」。
よりよい作品作りのために活動の場を拡大中
「自分にはまだ成長する伸びしろがあると思っています。この先、まだまだ素敵な作品制作ができるように“今”の自分を鼓舞させ精進したいと思っています」というmaruwa★taroさん。
喜ばれる作品を生み出していくために、地域での親子向けのイベント撮影会を実施したり、フェルトの講師としてワークショップを開催したり、イベントに出店するなど、人と交流する機会を増やしています。
「私の作品を楽しみに待っているという声や作品を見た人の笑顔が私にとっての『やりがい』や『糧』になっています。本の出版という夢に向かって、これからもっと頑張って生きたいです」。
取材・文/杉澤美幸 構成/サンキュ!編集部