おもちゃを選ぶとき、基準って持っていますか?
どうせなら創造性が育まれるものや、考える力が身につくおもちゃを選びたいものですよね.
今回は「創造性」をテーマにワークショップの開発や研究をしている安斎勇樹さんと、幼児の発達心理学に詳しく、ワークショップデザイナーとして、子ども向けのイベントやワークショップを多数開催している臼井隆志さんに「子どもの学びを深める理想のおもちゃ」について、お話をうかがいました。
親・おもちゃ・子の関係で遊びから「学び」が生まれる

おもちゃの役割を考えたときに、「親」と「子」の間に「おもちゃ」があることで「親」「おもちゃ」「子」の3方向に関係が広がりますが、この「三項関係」が大切なのだと思います。
例えば、親が子どもに教えるだけでなく、子どもに遊び方を問うことで、子どもは説明しながら新しい遊び方に気づくなど、「学び」を喚起することができます。(臼井)
よいワークショップと良いおもちゃには共通点がある
いいワークショップには「ファシリテーター(進行役)が想像していなかった学び」があります。
おもちゃもそれと一緒で、遊び方がゆるやかに定められてはいるものの、「こうやって遊んだら終わり」とならないような、到達点が決まっていないものがよいと思います。(安斎)
「どれだけたくさん遊べるか」という観点で、「手を動かす量を想像する」というのもいいと思います。例えば、ブロックを選ぶときにも「並べる、くっつける、外す、ずらす」など、いろいろな動作ができるものがおすすめです。(臼井)
遊びを日常につなげることで広がりがうまれる
「日常に接続できる」という要素も、ひとつ大事になってくると思います。
ワークショップでも、「非日常的な空間で楽しかったね」で終わらないためには、「生活に戻ったときにどう活かせるか」というのが重要なポイントになります。(安斎)
遊びを‟点”として捉えるのではなく、日常の中に‟線”としてつながるようにしてあげられるとよいと思います。遊んでいるときの体験が、日常生活の中で再現できたり、再発見ができると、遊びと日常が分断せずにつながっていると想像でき、学びが広がります。(臼井)
日常生活と遊びをつなげる教材

いろんな使い方ができて、なおかつ日常生活につなげることができるおもちゃを探すとなると意外と大変。そんな時<こどもちゃれんじ>はいかがでしょうか?
たとえば2~3歳むけの<こどもちゃれんじ ぽけっと>4月号はサンドイッチをテーマにしたおもちゃ「サンドイッチショップ」が届きます。簡単に組み立てできるから子ども一人でも夢中で遊べ、遊びの中で考える力や観察する力が身に付きます。
考える力が身につくおもちゃの選び方を安斎さん、臼井さんに教えていただきました。ぜひ、おもちゃを選ぶときに参考にしてみてはいかがでしょうか。
教えてくれたのは…安斎勇樹さん、臼井隆志さん
安斎勇樹(あんざい ゆうき)さん
株式会社ミミクリデザイン代表取締役。東京大学大学院情報学環特任助教。企業などの商品開発、人材育成、地域活性化などの産学連携プロジェクトに多数取り組みながら、創造性を引き出すワークショップデザインとファシリテーションの方法論について研究している。
臼井隆志(うすい たかし)さん
慶応義塾大学総合政策学部卒業後、ワークショップデザインの手法を用い、子どもや親子向けの教育サービスの開発を行うワークショップデザイナー。伊勢丹新宿店の教育事業「cocoiku」に従事し、販売員へのファシリテーション教育や、0~6歳の親子教室「ここちの森」の企画開発などを行う。