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熱中症に要注意!アウトドアでの子どもの暑さ対策

2019/05/28

暑さが本番になると、外で遊ぶときに「熱中症」が気になりますね。毎年5月頃から熱中症患者が多発します。子どもは熱中症になりやすいと言われていますが、どのように防いだらいいのでしょうか?

アウトドアナビゲーターの渡部郁子さんに、熱中症の起こるメカニズムと、熱中症の予防、子どもの熱中症対策について解説してもらいました。

熱中症とは?

人間の体は、常に37℃前後に体温を保つ機能が備わっています。体温が上昇すると、発汗により体の熱を逃したり、皮膚表面の温度を上げて皮膚からの放熱を促したりなど、体温を調節しながら平熱を保っています。

ところが、暑さが続いたり、暑い中で運動したりすると、汗で体の水分が失われ、体内の血液の流れが低下。これにより、体の熱が放出できず、どんどん熱がたまることになります。

体から水分が減少し、筋肉や脳、内臓に十分な血液が行き渡らなくなると、体にさまざまな症状が出てきます。これが熱中症です。

子どもは熱中症になりやすい?

gjohnstonphoto/gettyimages

汗腺が未発達な子どもは、大人よりも体温調節が苦手なので、熱中症になりやすいといわれています。また、子どもは暑さなど気にせず、外で走り回りたがるもの。大量に汗をかいたり、顔が赤くほてっているときには休憩を促して、こまめに水分補給を呼びかけるなど注意が必要です。

統計的には、熱中症による救急搬送者数は、65歳以上の高齢者が50%。成人が40%で、18歳未満の子どもと乳幼児の数はそれほど多くありません。一方で、気になるのは乳幼児の死亡例の半数が車内で起きていること。車への置き去りは絶対にやめましょう。

熱中症を予防するためには?

環境省の熱中症予防サイトによると、熱中症を引き起こす要因は、環境、からだ、行動の3つ。環境要因は、気温が高い、湿度が高いなどのほか、閉め切った部屋、風が弱い、などが挙げられます。

からだの要因は、体温調節が苦手な高齢者や乳幼児などのほか、病気や寝不足などの体調不良も引き金となります。行動要因は、激しい運動や、屋外での長時間の作業などのほか、水分補給ができない状況なども当てはまります。

熱中症の予防には、このような要因をなるべく排除することが大切です。寝不足や体調不良などに注意して、無理のない生活を心がけること、日差しを遮るグッズや快適ウェアなどを上手に活用して、暑い夏を乗り切りましょう。

暑い時期の子どもの外遊びで気をつけること

父と母と娘が川で遊ぶ
Hakase_/gettyimages

暑くなってくると、外遊びの場所を選ぶときに、木がたくさんあるかどうかを重視しています。木陰のある場所は涼しい風が通るからです。いっしょにつき添う親にとっても、木陰があるかないかによって、体への負担が大きく違います。

また、日頃から外遊びをさせて、暑さに徐々に慣れるように気をつけています。突然暑くなった日や、湿度が高い日に、熱中症が多く発生するとのこと。暑くなってくると、外で遊ばせるときのつき添いも大変ですので、親自身も、毎日少しずつ体を慣れさせて、暑さに負けないように気をつけましょう。

また、お出かけする際には熱中症対策として最低限、以下のアイテムを持つようにしましょう。

水筒

象印 ( ZOJIRUSHI ) 水筒 直飲み ステンレスマグ 360ml ボルドー SM-KC36-VD

こまめに水やお茶などの水分を補給できるように、水筒を持ち歩くようにしましょう。保冷タイプの水筒なら、途中で中身がなくなってしまったときも、自動販売機などで購入した飲み物を補充することで、いつでも冷たい飲み物を楽しめて便利です。

帽子

mont-bell(モンベル) WIC.ライト ハット ライトブルー Mサイズ 1118344

日差しと暑さから頭部を守る帽子。子どもは頭にも大量に汗をかくので、吸水速乾のアウトドア用を選ぶのがおすすめです。

吸水速乾性能の衣類

Columbia(コロンビア)リラクシングモーメンツユースフルジップフーディー パーカー キッズ PY2032 125SeaSalt XS

遊んでいて汗をかいてもすぐに乾く、アウトドア用の吸水速乾ウェアも暑い時期には重宝します。最近のアウトドア用ウェアのなかには、UV効果や虫よけ効果があるものも。

サンダル

子供ビーチ サンダルします。
Yo_co/gettyimages

暑いときの水遊びは楽しい&凉しくなれるので、熱中症対策にも有効。いつでもすぐに水遊びができるように、サンダルやぞうりを持ち歩くと便利です。ただし、水に入ると全身が濡れてしまうので、サンダルを使うときは着替えもマストで用意したほうが無難でしょう。

濡れタオル

タオルを持ち歩くときは、ふつう乾いたタオルですが、暑いときは濡れタオル(ハンカチ)も用意するのがおすすめ。体を拭けば気化熱による作用で、心地よい涼しさを感じることができます。

もし子どもが熱中症になってしまったらどうする?

熱中症を疑うときは、すぐに涼しい場所に移動させ、服装をゆるめて水分、塩分を補給し体を休めましょう。意識がないときは、迷わず救急車を呼んでください。

熱中症にならないためには、暑さに慣れておくことも大切。暑さが本格的になる前に、毎日しっかり外で遊んで、暑さに負けない体づくりをしておきましょう。暑い夏もアウトドアで楽しく過ごせるといいですね。



◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。

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