"子どもの読書が習慣化"したわが家で、親として感じたこと
2020/03/29
主婦の身近な話題なら何でも書く、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
子どもの読書習慣で「親がすべきこと・できること」について考えられる方も多いのではないでしょうか?今回は、実際に子どもの読書が「習慣化」したことによって見えてきたことについて、わが家の話をご紹介したいと思います。
毎日の読書で成績は上がったのか?
読書と成績の関係、今のところはっきりとはわかりません。肝心の答えが出ず申しわけないです。
通知表などの結果だけでいえば、読解力に関しては「上昇した」印象を受けます。ただ、現在の学力を「本を読んでこなかった場合」と比較ができないので、一様に読書で成績が上がるとはいえません。
ちなみに、子どもにも直接「読書の効果を感じることがあるか?」ヒアリングしてみましたが、「わからない」とのことでした。
わが子にも、今後必ずアップダウンはあるでしょうし、「本を読めば右肩上がり」と思うのは安直ですよね。読書で得られた良い結果としては、次の2点があげられそうです。
1.文章読解への苦手意識は減少
とはいえ、国語の文章題への苦手意識は薄らいだように思います。子ども自身も、「不得手」という気持ちが、「面倒」という気持ちに変化したようです。
「嫌い・苦手」が「まぁ、好きじゃないけどさ……」になったなら、彼の気持ちにも少し余裕ができたということではないでしょうか。
2.読んだ物語がテストに出た
小学生が無料で受けられる全国テストがあります。
当然、初見の問題を解くのですが、一度「本で読んだ話が国語のテストで出た」ことがあります。
学校外のテストなので、通知表には反映されませんが、今後も同じことが起こる可能性を考えると、読書量が多いほうが勉強面で有利だと思います。
学力面以外でいいことあった?
学力面以外で、読書の効果を感じられたポイントは次の4つ。
以下も、必ずしも読書習慣のおかげと断言できるものではありせんが、ひとりの母親の、体感的な話としてお読みください。
1.語彙が増えた・話すのが上手になった
ここ1年くらいで、話すときに使う単語が急に増えたように思います。順序だてて説明するのも上手になった。
実際、読書の効果を実感するのは、子どもと話しているときです。読書体験を通して成長していく姿を見ていると、最初の「学力を向上させたい」野望は薄らいでいきます。
2.知識が増えた
子どもは本からたくさんの知識を得ます。戦争についてだったり、外国の文化だったり。
自分の学校にはないけど、「一般的に音楽室には作曲家の肖像画が貼ってある」ことも本で知ったようです。
3.知識が視野を広げる
児童書には、ケンカやいじめ、家庭環境、貧困などのトピックが頻出します。
子どもが、それらのエピソードと、自身の日常生活を重ねて考えているように見えるときがあります。登場人物が自分の気持ちを代弁してくれることもあれば、まったく未知の立場から、自分とは違う考えを教えてくれることも多々ある。
人間(あるいは擬人化された動物や物)はさまざまな環境で、多様な思考と感情を持って生きている。その知識が、日常生活での視野や考え方を広げているように感じます。
大仰かもしれませんが、「読書体験は実生活の経験値を上げる」のではないでしょうか。
4.内省的になった
また「自分を省みる・分析する」ことも出てきました。自身の感情的な言動の根底に、どのような思いが内在しているのか。少し時間はかかっても、ことばで説明できるケースが増えてきました。
先日はわたしに対する八つ当たりは、「話を聞いて欲しい」気持ちからくるものだと明言。小学校高学年に見られる、いわゆる「甘え」の認識や表現は、本当に子どもによってバラバラです。
もともと冷静に自分の気持ちを言える子もいると思います。ただ、自分の子どもの「気持ちを言語化・明文化するスキル」が上昇するスピードを考えると、読書習慣が大きく関係しているのではないかと、わたしは感じます。
「読書」の勘違いと注意点
読書量と文章作成能力は比例しません。「本を読んでも作文は上手にならない」ということ。どれだけ本を読んでも、うちの子の読書感想文は一向に上達しない。反対に、作文好きのわたしは、ほとんど本は読みません。
文字を読むことと、書くことは別。本好きの作文下手がいるのは、音楽好きの音痴がいるのと同じです。そこは、切り分けて考えるのがいいと思います。
ほかの楽しみを奪わない
筆者の子どもは、少年漫画からもことばや知識を、たくさん得ています。「読解力向上には児童書を」と1回目に書きましたが、子どもが好きなら漫画も絵本も図鑑もウェルカム。
わたしは、ゲームも子ども同士を繋ぐ大切なツールだと思っています。本を読ませたいがために、ほかの娯楽を奪ったり過度に制限したりはしていません。
最後に
本を用意したり、チェックしたり褒めたり……。あるいは読書を定着させようと導くこと自体、わたしを「過保護な親」と感じるかたもいるでしょう。しかし、まだ小学生。
「強いる」形にならなければ、物事が軌道に乗るまでは背中を支え、多少押してあげてもいいと、わたしは思うのです。ペースを掴めばひとりで走り出すから。
だれに言われなくても、本が大好きな子もいるし、どうがんばっても、それほど本を好きにならない子もいるでしょう。そのあたりは、お子さんをいちばん近くで見ている保護者のかたが見極めて、工夫してあげてください。
ただひとついえるのは、「本を読んで損はない」。まず親がすべき・できることは、本を身近な存在にすることではないでしょうか。
「子どもに読書習慣を」と考えるなら、ゲーム機を隠して引き離すより、児童書を近づけて仲よくさせることのほうが大切だと、わたしは思います。
■この記事を書いたのは…山名美穂
サンキュ!STYLEライター。主婦の身近なトピックをマルチジャンルで執筆中。ウェブ記事執筆・掲載実績多数あり。ブログ・小説も書きます。文章大好き主婦。
※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※記事の内容は筆者の個人的経験談と感想によるもので、お子さまの読書習慣や学力向上を確約するものではありません。