美は自分だけでなく周りの人をも幸せにする!それがフェムテック ~連載「はじめよう!フェムテック」vol.6
2021/12/20
2021年10月26日(火)から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』(毎週火耀~木曜 午後7時53分~58分頃)。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた3回分の内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
●パーソナリティ
伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。バツイチ29歳の長女一人。
東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当する。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。
●ゲスト
岡部久仁子 Kuniko Okabe
スタイリスト。雑誌やTVで活躍。クライアントの個性や心身の状態を瞬時にキャッチして、その人にとって新鮮さを実感できるスタイリングを提案することがモットー。現在、テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』では、キャスター陣を担当している。その他、通販の商品企画や、ファッションセミナーで講師を務めるなど、幅広く活動中。http://www.stylistokabekuniko.com
まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第6週。ゲストは、スタイリストの岡部久仁子さんです。「久仁ちゃんとは、約23年のおつきあい。優しさと厳しさを兼ね備えた女性で、ときには私のことも、ビシッと叱ってくれる“お姉さん”です。昔から、彼女自身が映画や女優さんのことが大好きで、その美しさの理由を追求し続けてきた人。だからこそ、“女性の美しさ”を語らせたら、右に出る人はいないと思っています」(伊久美)
【Talk 1】
■東島アナ「岡部さんは、フェムテックを“美で人を幸せにすること”と捉えていらっしゃるそうですが、詳しく教えていただけますか」
■岡部「“美で人を幸せにすること”と“健康”はセットだと考えています。外見を整えるというのがスタイリストの仕事なんですが、スタイリングされる側が心身共に健康でないと、どんなにスタイリングをしても美しさは半減してしまう。だから美しくなる前に、人間は健康であることが第一だと思うんです」
■東島アナ「美を磨く前段階として、心身の健康から整えていこうということですね」
■伊久美「久仁ちゃんは、シニア層がターゲットの雑誌のお仕事も多いようですが、女性はいくつになっても、きれいでいられると思いますか」
■岡部「現実的には、いろいろと難しい問題はありますよね~。加齢によって体形も変化して、若いころのようにハリのある“ちょうどいい”っていう状態になかなかならない。太ってしまう人がほとんどだけど、痩せてしまって悩んでいる人も結構多いです」
■東島アナ「自分にとっての理想体形、“ちょうどいい”になれない、わかります!」
■岡部「とはいえ、裸やすっぴんで外を歩くわけではないので(笑)、ちょっとだけ手を加えれば、何倍もすてきになれる。ただ、その努力をするには、心身が健康でないと気力が起きないと思うんです。健康であるなら、少しの努力はしてほしいですね。絶対にきれいになれるし、心も明るくなるから。それにきれいにしていると、その生き生きしたオーラで、周りの人のことも幸せな気持ちにできると思います」
■伊久美「久仁ちゃんがいつも話している“スタイリングで変わる幸せ”ということですね。改めて、人って心がけとスタイリングで、前向きになれるんだなぁと思いました」
【岡部Voice 1】
心身が健康であってこそ、美しくなろうという意欲が湧く
私はいつもスタイリングするとき、「体は元気?活力はありそう?」など、その人が今どういう心身の状態なのかをチェックします。自分なりに分析をして、その人が、スタイリングによって、より元気に幸せになれることを心掛けています。いくつになっていても、健康でさえあれば、“おしゃれしたい”という気持ちになれると思うんです。
【Talk 2】
■東島アナ「岡部さんが考えるフェムテックの課題は、“美を諦めないこと”というお考えなんですね」
■岡部「女性は年齢を重ねると、二言目には “もう年だから” と言うようになって、いろんなことを諦めてしまう人が多い。人生100年といわれる時代になりましたが、50歳や60歳で、年だからと諦めてしまうのは早すぎます。“これからが第2ステージ” なんだ、と思い切って美しさに磨きをかけていってほしいと思います」
■東島アナ「年相応とか、自分が置かれている立場を考えすぎてしまう人は多いかもしれませんね」
■岡部「女性は結婚したら“妻”になり、出産したら“母”になる。役割による制約に縛られているのか、それとも、その立場でいることが安心だと思っているのか? でも、50代になったら役割から解放されて、ひとりの女性として、やってみたかったファッションや髪形を、周りの人からあれこれ言われずにできるんじゃないかと…」
■伊久美「50代からこそ、自由であるべきですよね。でも、本当は諦めたくないけど、あきらめてしまう人も多いと思う。そういうかたたちに、何か励ましやアドバイスはありますか」
■岡部「プロの力を借りてみることですね。今までおしゃれに関心を持てなかった人がやっても、急に上手にはできないでしょ。変な物を買っちゃったり…(笑)。お洋服はお店のスタッフに相談して見てもらうとか、髪をすてきにしたかったら、美容師さんに相談するとか。
プロのアドバイスに、だまされたと思って従って実戦してみる。そうするうちに、だんだん自分に何が似合うのかがわかってくるはずです」
■伊久美「自分だけで考えるのは、確かに限度がある。より美しくなるためには、プロのアドバイスに耳を傾けて、自分で研究してみることも大切ですね」
【岡部Voice 2】
年齢を理由に“美を諦めないこと”が大切
女性のライフスタイルには、いろんな役割がある。妻になり、母となって役割が増えれば制約も多くなって、やりたいことをたくさん我慢してき人も多いはず。50代になってやっと役割から解放されたのに、今度は年齢を理由に、自分で制限をつくって諦めるなんて残念です。女性が立場に縛られず、もっと自由になれる社会を、つくっていかないといけないなぁと思います。
【Talk 3】
■東島アナ「岡部さんは、フェムテックの将来を考える上で、“美を褒め合うこと”が重要だと思われているそうですね」
■岡部「私は友人とランチをするときに、その人のことを考えて“何を着ようかな~”とじっくり考えます。それなのに、相手が髪を振り乱して、メイクもしないで現れたら、がっかりします。“私のこと大事に思っていないんだなぁ”と感じてしまう。もし、相手がきれいな感じで登場してくれたら、わぁ~とうれしくなって褒めまくります(笑)。友人がおしゃれを楽しめるということは、心も元気なんだということがわかるので」
■東島アナ「相手がきれいで輝いていると感動するし、こちらもなんだかハッピーになりますよね」
■岡部「おしゃれって自分のためだけじゃないんです。相手を喜ばせて幸せにするためでもあるんです。“こんな色着てみようかな” “こんなピアスつけてみよう”と、思いを巡らせることがおしゃれだと思うので。そして、相手がおしゃれをしてきたら話題にする。“わぁ、そのニットいい色!その口紅の色似合うね” なんて言われるとうれしいですよね。そして、お互い幸せな気分になると思うんです」
■東島アナ「自分なりに工夫しておしゃれをした日に、結果、人に褒めてもらえたらうれしいです」
■伊久美「おしゃれって、みんな自分のためにしていると思っていませんでしたか? だけど、それは人のためでもある。この話、目からウロコですよね。世の男性たちにも言いたい(笑)、若くてもシニアでも、褒められて嫌な気分になる女性はいませんよ。久仁ちゃん、これからも、“お互いを褒め合う運動”、 続けていきましょう!」
■岡部「そうしましょう! 日々、そういう小さな幸せを広げていくことで、心は健康になっていくと思うんです」
【岡部Voice3】
美を褒め合うことで、お互いに元気になれる
褒めることは相手を楽しい気分にさせ、ますます美しくなろうとするパワーを与えてくれると思う。女性は褒め合うことで、幸せを実感する生きもの。だから、シニアになっても、ずっと褒め合い続けることを続けていきたい。それこそがフェムテック=女性の幸せにつながるのではないでしょうか。
合言葉は「はじめよう!フェムテック!!」
●次週のゲストは、映画コーディネーターの坂野ゆかさんです。
【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・火曜日~木曜日の19時53分~5分番組です。火曜日:ニッポン放送をキーステーションに、全国19局ネット、水曜日・木曜日:ニッポン放送をキーステーションに全国27局ネット、で放送中。聴き逃したかたは、お住まいのエリアのradikoでもお聴きになれます!
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来のつき合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀