泣いている子供

専門家に聞く!1・2歳のイヤイヤが起こる「3つの理由」

2022/03/03

自分の意思がはっきりしてくる一方で、その意思表示がうまくできないこともある1・2歳。「イヤイヤ(かんしゃく)」「たたく」「かむ」などの行動で意思表示をするときは、困りますね。
「イヤイヤ」はお子さんの成長にとって必要なことだとわかってはいても、少しずつ自分の気持ちを言葉や身ぶりで伝えられるようになってほしいもの。
お子さんの伝えたい意欲を伸ばし、うまく気持ちを引き出せるよう、おうちのかたができることを専門の先生にうかがいました。

<お話をうかがった先生>
塩﨑尚美(しおざきなおみ)先生
日本女子大学人間社会学部心理学科教授。浜松医科大学臨床心理研修生を経て病院やクリニックでの臨床に携わる。相模女子大学学芸学部人間社会学科講師、准教授を経て、2007年より現職。『探険!二歳児のココロ』(赤ちゃんとママ社)など著書多数。

甘えたいけれど自立したい葛藤の表れ

お子さんの「イヤイヤ」が激しいと、「十分に甘えさせてあげなかったから?」と今までの育児に自信がなくなるかもしれません。しかし、むしろこれまでに愛着関係ができているからこそ、お子さんは「イヤイヤ」をするのです。
「イヤイヤ」は1・2歳にとって究極の自己表現であり、親から距離をとる自立のプロセスでもあります。「甘えたいけれど自立もしたい」という葛藤の表れが「イヤ」という言葉に表れます。こういうときは、理由を追及せず、サラッと関わるくらいがちょうどいいでしょう。
大変な時期ですが、お子さんにとっては自立のために、自分で感情をコントロールをする大切な第一歩です。おうちのかたは、お子さんがうまく感情を表せるようサポートできるといいですね。

「イヤイヤ」は、自立への大切な第一歩

【前提】「イヤイヤ」は愛着関係ができている証拠

monzenmachi/gettyimages

愛着関係がしっかりとできているからこそ、お子さんは安心できるおうちのかたに、「イヤ!」と言えます。

イヤイヤの理由1  親から距離をとる自立のプロセス

自分と親の違いに気づき始め、「おうちのかたから離れたくないけれど、赤ちゃん扱いもされたくない」という複雑な心境になります。

イヤイヤの理由2  理想と現実のギャップに気持ちがついていかない

自分の理想通りに行動や表現ができず、そのギャップに気持ちがついていかずに、「イヤ!」となってしまいます。

「感情を整理して伝え、受け止めてもらう」ことがカギ

子供と母親を泣いています。
maroke/gettyimages

子どもが自分の感情をコントロールできるようになるには、3つのステップが必要です。
1つ目のステップは、自分の欲求を知ることです。大人と違って子どもは、「不快」を感じても、なぜ不快になるのか、自分の欲求をはっきりとわかっていない場合があります。
2つ目は、自分の欲求を相手にわかってもらうことです。
3つ目は、自分の欲求が相手に伝わったら、しっかりと受け止めてもらったり、返してもらったりすることです。
1・2歳は言葉が発達途上なので、うまく伝えられず「イヤ!」と言ってしまうことがあります。おうちのかたが言葉で代弁したり、子どもがうまく答えられるような聞き方をしたりすることで、自分の欲求を知り、伝える手がかりを見つけられるでしょう。   
また、自分の中のモヤモヤした気持ちをうまく処理してもらうことで、感情をコントロールすることができ、少しずつ「イヤイヤ」が少なくなってきます。

感情のコントロールには3ステップが必要

STEP1 自分の欲求を知る
STEP2 自分の欲求を表現する
STEP3 自分の欲求を受け止めてもらう

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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