少女

続かないのには理由がある!子の「やり続ける力」の育て方

2022/03/30

やる前から諦めていたり、途中で投げ出したり…。小学校入学を控えた今、「粘り強く続ける力」をつけたいものですよね。ここでは、「続かない」年長さんも自然に続けたくなる、「やり続ける力」の育て方をお子さんのタイプ別にご紹介します。

<お話をうかがった先生>
石田淳先生
(いしだじゅん)●株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼CEO。行動科学マネジメント研究所所長。日本の行動科学(分析)マネジメントの第一人者。『「続ける」技術』(フォレスト出版)『教える技術』(かんき出版)など著書多数。

お子さんのタイプ別診断&改善のための関わり方

「続かない」ときのお子さんの様子から、まずはお子さんのタイプチェックをしてみましょう。

●「あとで」と言ってやらない、面倒くさがるお子さんは→やる気切れタイプ
●ちょっとやって「無理」「できない」と投げ出すお子さんは→諦めタイプ
●すぐほかのことに目移りしてしまうお子さんは→注意力散漫タイプ

お子さんのタイプはいかがですか?
それではタイプ別に続かない理由と改善ポイントをみてみましょう。

やる気切れタイプのお子さんの続かない理由は…

続けることにやりがいを感じられないから。
「毎日やるのって大変だし、続けてもいいことがない」と感じ、やる気を失っています。まずは取りかかるハードルを下げて負担感を取り除いて。続けることで達成感が得られるようなしかけを用意すると、ウソのように「続けられる子」になりますよ!

諦めタイプのお子さんの続かない理由は…

「続けるとできるようになる」と思えないから。
「練習してもうまくなれない」「できる気がしない」と思い込んでしまっています。その子にできる課題をクリアする体験を繰り返して、「自分ならできるはず」という自己肯定感を育みましょう!

注意力散漫タイプのお子さんの続かない理由は…

周囲に子どもの気を散らすものが多いから。
「環境」に原因があるのかも。刺激の多い環境の中にいると、つい誘惑に負けてしまうのは、大人も子どもも同じです。続ける習慣を身につけるために、続けられる環境をととのえていきましょう。

叱っても効果なし!続かない原因の解消を!

フレンドリーな双子の兄妹
imacoconut/gettyimages

勉強やお手伝いが続かないと、「うちの子は飽きっぽい性格なのかな」と心配になるおうちのかたもいるかもしれませんね。でも、年長さんに限らず、「続けるのが難しい」のは普通のこと。ダイエットや資格の勉強がなかなか続かなかった経験は、おうちのかたにもあるのでは?
続かないお子さんを「なぜやらないの?」と感情的に叱っても、労多くして功少なし。勉強やお手伝いが嫌いになってしまうだけです。まずはお子さんのタイプ別診断を参考に、続かない原因を取り除きましょう。
新しい習慣を身につけるには、毎日の「行動を変える」必要があります。そのコツは「徐々に」変えていくこと。なかなか続かないことが多いのは、急に変えようとするからなのです。
少しずつ、少しずつのスモールステップが大原則。勉強でもお手伝いでも、最初は短時間で簡単にできることから始めて、目標をクリアするうれしさをたくさん味わわせ、続ける自信をつけていくことが定着につながりますよ。

これで続く!習慣づけ大作戦!

習慣づけのポイントもお子さんのタイプによって違うもの。
お子さんのタイプ別に習慣づけのポイントと実践アイディアをみてみましょう。

やる気切れタイプにおすすめ やりがいをつくって意欲を刺激!

勉強する親と娘
miya227/gettyimages

○毎日やるごとにシールやスタンプを
毎日やるごとにカードにスタンプを押す、シールを貼るなどの「ポイント制」は、多くのお子さんが夢中で続けたくなる、おすすめの作戦です。続けた結果が目に見えるので、達成感が味わえ、「明日も絶対やろう!」と続けたい意欲がグンとアップ!

○写真を活用
片付いた状態の部屋の写真を撮って、部屋に貼っておきましょう。何をどこに置けば部屋が片付くか、写真を見ればすぐわかり、「いつも写真みたいにきれいにするぞ!」とモチベーションも上がります。

○簡単にできそうなことを提案
いきなり「今日から毎日30分勉強しなさい」では子どもも大変。例えば最初は1日5分など、子どもが「簡単にできそう」と思える目標を立てて。「これなら続けられる」と自信がついてきたら、徐々に時間を増やしましょう。

○習い事に飽きたときは「発表会までがんばろう」と誘って
習い事を続けることは自信につながります。「発表会までがんばろう!」「○級を取ろう!」などとゴールをお子さんと決めて、それまでは続けるように誘ってみて。目標を達成すると、そのあとも続ける気になることも。

諦めタイプにおすすめ 「できた!」を繰り返し体験させる

日本の住宅街にある小さな公園の写真
shirosuna-m/gettyimages

○必ずできる課題で自信をもたせよう
すぐ諦めてしまう子には、その子が必ずできる課題を与え、続けられたことをほめて自信をもたせましょう。ステップアップは様子を見て、難しいようなら一段やさしい課題に戻して。継続するうちに必ず力がついてきますから、焦らずに。

○鉄棒や縄跳びの練習は毎日の小さな目標を決めて
お子さんが鉄棒、縄跳びなどの練習をする前に、本やインターネットで習得法を調べてみましょう。そのうえで、「今日はこの高さまで足を上げよう」「今日は3回跳ぶ練習をしよう」と必ずできる目標を決め、できたらほめて、次へと進んでくださいね。

注意力散漫タイプにおすすめ 続けられる環境をつくる

白い壁のあるリビングルームの部屋に取り付けられたテレビの壁をモックアップ。
Vanit Janthra/gettyimages

・テレビは消す
・おもちゃやゲーム、マンガなどは目に入らない場所に
・おうちのかたは一緒に読書などを
・必要な勉強道具以外は置かない
・シンプルな文具なら集中できる

○学習習慣は環境が決め手!
学習習慣を身につけるには、まず、どこでもいいので勉強する場所を決めましょう。勉強するときは、マンガやゲームなど勉強に関係のないものはそばに置かないこと。勉強時間中は、おうちのかたも読書をするなどしてお手本を見せると理想的です。

○テレビは勉強後の「ごほうび」として活用
「○分勉強したらテレビを見よう」「毎日お手伝いをしてシールがたまったら、いつもより長くテレビを見ていいよ」などと約束すれば、テレビを見ることも楽しみに勉強が続けられることも。

○ひとつの遊びを続ける体験を
遊びがなかなか続かないお子さんも、「こんな材料を使ったら?」などとおうちのかたがアイディアを出すと、遊びが発展していきますよ。ひとつの活動にじっくり取り組む楽しさを体験できるように、おうちのかたが手を貸しましょう。

今日から使える!子どもが続けたくなる言葉かけって?

ちょっとしたひと言があるかないかで、子どもの意欲は変わるものです。
子どもが続けたくなる言葉かけのポイントをご紹介します。

具体的にほめる

漠然と「すごいね」ではなく、続けてほしいと思う行動を具体的にほめましょう。具体的にほめると、ほめられた行動を「またやろう」と思え、よい習慣を効果的に後押しすることができます。

続けられたことをほめる

やった量が少なかったり、雑だったりしても、続けられただけでたいしたもの。続けていけば力はついていきますから、まずは続けられたことをほめましょう。やった日にシールなどを貼るときも、ほめ言葉を添えるのを忘れずに。

感謝の気持ちを伝える

「自分がこれをやると、家族は助かるんだ」と思うことができれば、「明日からもちゃんとやろう」と子どもは張りきります。また、「いつもありがとう」と伝えることで、「これは自分の仕事」という責任感が芽生えます。

絵本を読む母と娘
maruco/gettyimages

「やればできる」という自信をもつことができれば、子どもは自然に続ける気になります。そして、お子さんの自信のもとになるのは、おうちのかたのほめ言葉。「子どもに適した課題を与え、できたことをほめる」を実践すれば、子どもの自信は大きく育っていきます。
周囲の助けも借りるとラクですよ。例えば、おじいちゃん、おばあちゃんに「1週間毎日お勉強したんだって?すごいじゃない」などとほめてもらうと、お子さんは「来週も続けるぞ」とやる気になると思います。
学習習慣をはじめ、お子さんのこれからのいい習慣づくりに、今回の特集をぜひ参考にしてみてくださいね。

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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