「原因」と「解決」◎2つの質問で子どもの話を引き出そう
2022/05/18
子どもに好ましくないことが起きたとき、思わず「どうしてそんなことが起こったの?」などと問い詰めてしまうことはないでしょうか。上手に質問をして話を引き出し、解決を目指したいですよね。
子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザーの山名美穂さんに、「原因究明」と「問題解決」の2種類の方法を教えてもらいました。
原因究明の「なぜ」「なんで」
ひとつ目は、「なぜ」「なんで」の質問。原因を究明したり、問題を見つけたりするためのものです。
例:
・なぜ、それをした/しなかったの?
・なんで、このことが起きたんだろう?
わたしたちがよく使う"Why?"のフレーズ、使い方には少し注意が必要。
子どもは責められているように感じたり、その結果、自分を守る発言を優先し本当のことが言えず、自分自身のことを責めて苦しむ……、なんてことも起こりえます。
そうならないためには、質問の目的が「うまくいかなかったことの原因を知り、ポジティブな解決策を見つけること」だという認識を、子どもと共有しておく必要があります。
問題解決の「そして、どうする」
もうひとつは、「どうやって」の質問。問題解決の思考を引き出します。ネガティブなできごとが起こった後、「どうすればうまくいくか」「どうやって成功させるか」を問います。
例:
・どうやって、解決しようか
・これから、どうしていけばいいかな
・なにをしたら、上手にできるだろう?
わたしたちは、「上手くいかなかった経験から学び、これからに活かしたい」と考えますよね。
起こってしまった過去ではなく、この先の未来に焦点を当てる質問をたくさんできるといいです。
子どもの答えが「がんばる」だけ。そんなとき、どうする?
質問に対する子どもの答えが「がんばる」だったら、どうすればいいでしょうか。
いきなり「がんばるって、具体的になにを?」と言うのは、避けたいところです。
まず「がんばって、どうなることを目指すか」を聞いてあげてください。その後「目指す状態に到達するには、具体的になにをするか」を引き出す質問をします。
例:テストの点数が、ふるわなかった場合
△:親「今回は思ったように結果が出なかったね。これからは、どうしたらいいかな?」
子「……次は、がんばる」
親「がんばるって、なにを?」
子「……」
↓
〇:親「今回は思ったように結果が出なかったね。これからは、どうしたらいいかな?」
子「……次は、がんばる」
親「がんばって、どうなりたい?」
子「80点以上取りたい。それで、お父さんにも褒められたい」
親「80点以上取って、お父さんにも褒められたいんだね。そうなるために、なにをしようか?」
自信をなくしている子どもには、「責めないで寄り添う」
子どもが「自分の失敗」に、とても傷ついてしまうこともあるでしょう。自信をなくしている子どもにとっては、どの質問も「責任追及」になりかねません。
その場合、質問はいったん控えます。まずは、子どもの「今の感情」に寄り添いましょう。原因という過去、解決や目的といった未来ではなく、「現在の気持ち」にフォーカスして。
そして「大丈夫だよ」と声をかけたり、抱きしめたり。いつもどおりでOKです。
励ましの声をかけるのであれば、「これまでも、いろいろ乗り越えてきたよね」といったふうに、漠然と伝えられるといいですね。
「〇〇のときは成功した」「□□はうまくった」と具体例を列挙するより、子どもが自分で成功体験を見つけやすくなりますよ。
■執筆/山名美穂…子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。子育てを楽にするメソッドを発信している。
編集/サンキュ!編集部
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