ストレスと上手に付き合うコツは?~連載「はじめよう!フェムテック」

2022/12/10

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。30歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

<ゲスト>
●加藤雅俊 Masatoshi Kato
薬剤師・体内環境師。大学卒業後、製薬会社に入社。研究所にて、血液関連の研究開発に携わる。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見てまわり毎年患者数が増えている医療現場に疑問を抱く。薬に頼らずに若々しく健康でいられるための食事+運動+心のケアを一緒に研究し、1995年に予防医療を目指し起業。ホリスティックな観点から健康をとらえ、サロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。モデルや女優の体内環境のケア、プロ野球チームやアスリートのコンディショニングケアも担当する。

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。今回のゲストは、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんです。「前回は、健康維持のために日常生活の中でできる運動や、皆さんがきになっている高血圧についてお伺いしました。私は薬を飲むことに、これまで罪悪感をもっていたのですが、辛い時は薬を飲んでよいと、先生にアドバイスしていただいて、もやもやしていた気持ちがすっきりしました。今回はストレスとの向き合い方について、教えていただこうと思います」(伊久美)

心のデトックス=声出しとアロマの活用でストレスを発散!

■東島アナ「今回のテーマは、“心の健康”についてです。著書の中でも、“心と体、両方が健全であることが大切”と書かれています。人間関係、仕事、家庭、いろいろと悩みの種はあります。先生は心の健康を保つためには、“声を出すこと”が重要だと考えていらっしゃるのですよね」

■加藤「そうです。体が健康でも心が病気であったら意味がありません。心の健康に大きく影響を与えるのはストレスです。ストレスを感じたら、心の毒出しとして、声をいっぱい出してほしいのです。けがをした時も“痛い!” と、声を発した方が、痛みも軽減しますしストレスを発散できるのです。じ~っと黙って耐えていると、ず~っと痛いですよね」

■伊久美「よかった~。私、大袈裟に声出すタイプなので(笑)でも多くの方は静かに耐えるタイプ。皆さん、恥ずかしがらずに声出してくだいねー!」

■東島アナ「女性がストレスを感じた時に体に起きる不調は、どんな症状が多いですか」

■加藤「“便秘・肌荒れ・月経不順”ですね」

■東島アナ「月経不順は、当りまえに受け入れてしまっている女性も多いと思いますが、ストレスが原因なのですね。女性特有の不調に向き合うためには、声を出すだけでは解消されないと思いますが、他におすすめの方法はありますか」

■加藤「おすすめは、“アロマ(香り)”です。私は薬剤師なので、アロマは“脳に塗る薬”だと思っています。脳を一時的に落ち着かせる薬はありますが、脳に直接効く薬ってないのです。でも、アロマの香りは脳に効果的です」

■伊久美「日頃、なんとなく気分で使っています。たくさん種類があるので迷いますが、おすすめのアロマはありますか」

■加藤「木の香りですね。木の香りを嗅いで、嫌な感じがする人はいないと思います。特に日本人はそうでしょう。これは、木の中に“αピネン”という成分があり、疲れた時に嗅ぐとほっするからなのです。ですから、温泉へ行ったり、土いじりをしたりして、自然に戻ろうとするのは本能なのです。脳が木の香りを嗅ぐように、すすめてくれているのです」

■伊久美「木の香りの中で、自分が好きなアロマを選んでよいのですか」

■加藤「はい。よくセミナーでラベンダーを配って、生徒さんに好きかどうかを聞いています。脳疲労がある人ほど、ラベンダーの香りを好みます。別の例ですと、お腹がすいている時は、焼き肉はいい香りですよね。でも、お腹がいっぱいになると、もうその香りを嗅ぎたいとは思わないと思います。よい香りだと感じる時、その香りはあなたに必要なのです」

■伊久美「アロマの効果は、科学的にも認められているのですよね」

■加藤「はい。香りとさまざまな病気について多くの論文が発表され、効果が実証されています」

■東島アナ「アロマは、自分の疲れ具合のバロメーターになりますね。今まで、心が疲れた時に何に頼ったらよいのかわからなかったのですが、今後は気軽に取り入れていきたいと思います」

ストレスって、実はあってもよいもの?

■東島アナ「引き続き“心の健康”についてお伺いしたいと思います。そもそも、ストレスはないほうがよいのですよね」

■加藤「実は、ストレスはあったほうがよいのです。ストレスがあるから、“改善しよう”、“もっと便利にしたい”という意欲が生まれます。100均へ行くと、いろいろな便利グッズがありますよね。いつも感心しているのですが、きっと開発した人はストレスがあったから、商品を改良しようと思われたのでしょう」

■伊久美「ストレスがあるからこそ、成果が出るのですね」

■加藤「人間は成果が出るとうれしくなるので、脳からご褒美として“ドーパミン”が与えられます。ドーパミンがないと、人間は頑張ることができないのです。例えば、登山は大変ですが、達成すれば辛かったことを全部忘れてしまいますよね」

■東島アナ「体内で、そういう循環が起こっているのですね」

■加藤「わかりやすい例ですと、友人にジェットコースターに乗ろうと誘われ、“始めは嫌だなぁと思っていたのに、乗ってみたら楽しい! もう1回乗りたい”と思うようになる。あれが、ストレスがドーパミンに変わった瞬間です」

■東島アナ「なるほど!ストレスとうまく付き合えれば楽しいですね」

■加藤「本当に辛くてストレスを感じているなら、そのことから逃げてよいのです。ただ、ちょっとしたストレスで逃げてばかりいると、忍耐力がなくなってくるので、脳内のドーパミンが減っていきます」

■伊久美「ストレスにも種類があるのですね」

■加藤「そうなのです。過去の失敗を悔やんでもどうしようもないですし、ずっとそのことを考えているとウツっぽくなります。ですから、過去に悩むのではなく、未来に向けて悩むのはよいストレスになります。“達成しよう”とするためのストレスは、喜びとなってドーパミンに変換される。そして、人間は自信をつけていくのです」

■伊久美「よいお話を伺えました。日々、ストレスを溜めずに少しずつ発散させながら、前向きな目標や理想をもち続けていくことが、心身の健康によさそうですね」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回は、元宝塚で女優の植野葉子さんをゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

 
 

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