近年増加中! “新型うつ” とは?~連載『はじめよう!フェムテック』

2023/11/14

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、タスクラブ編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった32歳。

<ゲスト>
●加藤雅俊 Masatoshi Kato
薬剤師・体内環境師・薬学研究者。大学卒業後、製薬会社に入社。研究所にて血液関連の研究開発に携わる。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見てまわり毎年患者数が増えている医療現場に疑問を抱く。薬に頼らずに若々しく健康でいられるための食事+運動+心のケアを一緒に研究し、1995年に予防医療を目指し起業。ホリスティックな観点から健康をとらえ、サロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。モデルや女優の体内環境のケア、プロ野球チームやアスリートのコンディショニングケアも担当する。最新刊の『ダイエットに 免疫力アップに 疲労回復に! こう食べれば身体が変わる アミノ酸食事術』(講談社刊) も好評発売中。

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。ゲストは、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんです。「最近、若者の間で増えているという“新型うつ”について伺いました。幸せな社会生活のためには、中高年の人も単なるジェネレーションギャップととらえず、その特徴を理解しておくことが必要だなぁと思いました」(伊久美)

教えて!“新型うつ” の特徴とその接し方

■東島アナ「前回に引き続き、薬剤師で体内環境師の加藤雅俊さんをゲストにお迎えしています。今回のテーマは、最近増加している “新型うつ” についてです。昨今メンタルヘルスの重要性についてはよく耳にしますが、新型うつという言葉は初めて聞きました。従来のうつとは、何が違うのでしょうか」

■加藤「最近の傾向と言えますが、うつの考え方が年代によって変わってきたということなのです。新型うつは、若者に多く自分を守るための行動をするのが特徴です。つまり “自分のせいではない、あなたのせい” という他責行動をします。従来のうつは、どちらかというと “自分のせい、自分が悪かった” という自責行動をとるのですが、新型はその逆になります」

■伊久美「自分を守るために、人のせいにするということですか」

■加藤「そうです。例えば、お客様からクレームがきた時に、新型うつの人は “私には問題はなかったです。マニュアルどおりに行っただけなのですが、お客様が〇〇だったから問題となりました” と答えるのです」

■伊久美「いや~、ちょっといいづらいけど(笑)、状況が思い浮かびますね」

■加藤「叱られると、“それでは、私はどうしたらよかったのですか? 対処の仕方を教えてくださいよ~”という反応がかえってきます。一言二言多いような感じで(笑)」

■東島アナ「よくあるシチュエーションだと思いますが、時代のせいにしておけないような感じもします」

■加藤「そうですね。ほかの特徴としては、従来のうつだと、うつうつとしている時間が長いのですが、新型は気分のよい時と悪い時の差が激しいのです。例えば、仕事以外は調子がよく、ゲームやカラオケなどを楽しんでいる時ははっちゃけているのですが、会社へ行くとズドーンと落ち込んでしまう、という状態です」

■伊久美「それは昔だと、わがままと言われたことですよね(笑)」

■加藤「かつて “月曜日に会社へ行きたくない病” が、新型うつと呼ばれるようになった感じです」

■東島アナ「新型うつは、従来型よりも自覚しにくいのかなぁと思いますが、もし周りの人が気づいたら、どのように接するのがよいでしょうか」

■加藤「その人を、愛で包み込むことです。新型うつのかたは、自分を守ってしまいます=認めてほしいということなのです。褒めると認めるというのは少し違って、認めてあげることで、その人はだんだん前向きになります。例えば、仕事でよい成果がでたら、その成果を褒めることです。認めてあげるというのは、“あなたの成績よかったからこの事業の成果も上がって、私は鼻が高いよ”というところまで伝えてあげることなのです」

■伊久美「私は、前職のベネッセ時代から、褒める・認める・励ますは、心がけています!」

エビデンスのある献立で、おいしく日々の不調を改善しよう

■東島アナ「新型うつとまではいかなくても、ストレスで気持ちが安定せず、イライラすることがあると思いますが、そういう時に摂取するとよいものはありますか」

■加藤「イライラやストレスが引きがねになって、不安を抱いたり心配になることはあります。不安と心配というのは、実は同じホルモンが出ています。そういう時によいのは “たらこパスタ”です!」

■伊久美「たらこパスタですか! 根拠はあるのですか(笑)」

■加藤「あります(笑)。パスタは小麦粉からできています。うつの原因はセロトニンの低下なので、セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を必要とします。トリプトファンは小麦粉に含まれていて、鎮静作用があると言われているのでパスタがおすすめです。そしてたらこは、セリンというアミノ酸が豊富で、これが生活リズムや脳の働きをサポートし、うまく脳を働かせてくれるのです。ですから、たらことパスタを組み合わせます」

■東島アナ「エビデンスがあるのですね。あとは何かおすすめのメニューはありますか」

■加藤「イライラやストレスを強く感じる時は “豚汁” です。先ほどもお伝えした鎮静作用のあるトリプトファンは、豚肉にも多く含まれています。あとは味噌にGABAというアミノ酸の1種が含まれていて、精神安定によいと言われています。例えば、高い山に登った時に恐怖を感じますが、登山を繰り返すたびに、だんだん恐怖心は薄らいでいきますよね。その怖いというホルモンを抑えてくれるのがGABAです」

■東島アナ「もうひとつ教えていただきたいのですが、心配事で、なかなか眠れなという話を聞きますが、睡眠を促すためによいものはありますか」

■加藤「うつのかたには、不眠症が多いんです。それにはセロトニンが絡んでいます。寝つきが悪い人には2つの原因があって、1つは深部体温が下がらないこと。深部体温を下げるアミノ酸グリシンが多く含まれているのは、えびや豆乳なのでそれを組み合わせた “えびグラタン” がおすすめです」

■伊久美「なるほど。不眠症の2つめの原因はなんですか」

■加藤「メラトニンという睡眠ホルモンと呼ばれる物質があります。セロトニンが昼間出てきて減っていき、夜になるとメラトニンに変わります。セロトニンが減っているうつっぽい人は、メラトニンに変換することができないため、結局眠くならないのです。つまりセロトニンを増やしていけば、メラトニンの量も増えます。セロトニンはトリプトファンとビタミンB6でできているので、セロトニンの入っている牛乳とビタミンB6が含まれているバナナを組み合わせた “バナナシェイク” はいかがですか?」

■伊久美「おいしいものばかり出てきますね。イライラには豚汁、不安にはたらこパスタ、不眠にはえびグラタンなど、メニューを聞いているだけで、うつが解消できるような気がします(笑)」

■加藤「もしかしたら、今感じている不調も、何かの栄養素が足りていないことが原因かもしれませんので、まずはエビデンスのある食品を摂り入れてみましょう。アミノ酸などの栄養素が薬になりますから」

■東島アナ「人それぞれ状況があると思いますが、おいしく試していただくというのもいいかもしれませんね。アミノ酸のパワーがすごいということは、お話によく出てきますけれども、もっと詳しく知りたいという方は、加藤先生のご著書をチェックしてみてください」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

今回のトーク内容の参考に!最新刊の『ダイエットに 免疫力アップに 疲労回復に! こう食べれば身体が変わる アミノ酸食事術』(講談社刊) も好評発売中。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

 
 

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