【2024年】SF小説のおすすめ20選！絶対読みたい名作や初心者向け作品も紹介！

現実とフィクションを「科学」でリンクさせるSF小説は、時間を忘れて物語に没入したいときに最適です。とはいえSF小説のバリエーションは幅広く、さまざまなテーマやジャンルがあります。SF小説初心者は、「どの作品から手を付けたらよいか分からない……」と迷ってしまうかもしれません。

そこで本記事では、おすすめのSF小説を20作品ピックアップしました。ほとんどが星雲賞やネビュラ賞・ヒューゴー賞の受賞作あるいは候補作なので、物語の面白さは折り紙付き！古典SF小説から2020年代の最新SF小説までチェックして、お気に入りの1冊を見つけてくださいね！

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SF小説とは

SFとは、「Science Fiction」の頭文字を取ったもの。すなわちSF小説とは、科学的な空想に基づいて作られるフィクション小説です。日本語では「空想科学小説」などと翻訳されています。

とはいえSF小説については厳密な定義がなく、評論家や作家によって解釈が異なるのが実情です。「これがSF小説！」と断言するのは困難ですが、「科学」が物語の根幹にあるものはSF小説に分類される傾向があります。

SF小説のジャンル

SFに分類されるサブジャンルには以下のようなものがあり、いずれも物語の中に科学的な理論や技術が盛り込まれているのが特徴です。

■ハードSF：現実の科学技術をベースにしたリアリズム重視のSF
■ソフトSF：科学以外の要素をベースにしたフィクション要素が強めのSF
■スペースオペラ：アクションや冒険要素が強い、娯楽系のSF
■サイバーパンク：人工知能やコンピュータが発展した、近未来のディストピアを舞台とするSF
■スチームパンク：蒸気機関が進化したレトロな世界を舞台とするSF
■タイムトラベル：時間移動が可能な未来を舞台とするSF

科学とフィクションが絶妙に融合したSF小説を読むことで、読者は人類の未来や可能性・科学の進歩による社会の変化について、深く考えさせられます。

SF小説の魅力

SF小説のどこに魅力を感じるかは、読者によって異なります。一概にはいえませんが、SF小説ならではの以下のポイントを刺激される人が多いようです。

■宇宙や未来の世界への興味・関心
■科学発展による不安
■異星人や地球外文明との接触可能性
■「もしも」の世界の実現

SF小説の舞台は、宇宙や未来が多い傾向です。物語の流れに身を委ねることにより、「現実とは異なるけれど、絶妙にリアルな世界」を追体験できます。

また「異星人がいたら……」「タイムトラベルできたら……」などと空想したことのある人は多いのではないでしょうか？

SF小説は、このような「もしもの世界」の出来事や人間の生活を描いたものもたくさんあります。ミステリー要素・アドベンチャー要素が含まれたSF小説は、エンターテインメントとしても魅力的です。

初心者向け！読みやすいSF小説5選

専門用語がたくさん飛び出すハードSFは、初心者には敷居が高いかもしれません。エンターテインメント性を重視した、軽めのSF小説から読んでみるのがおすすめです。

初心者でも手を出しやすい、人気のSF小説をご紹介します。

グラーフ・ツェッペリンあの夏の飛行船｜高野 史緒

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夏紀と登志夫は、異なる世界線の日本で暮らす17歳です。本来は交わるはずもない2人ですが、「幼稚園のとき一緒に飛行船グラーフ・ツェッペリンを一緒に見た」という共通の記憶があります。夏紀と登志夫は名前しか知らない相手との再会を強く願いながら、それぞれ別の世界で日常を過すのでした。

そんなある日、登志夫の暮らす世界では、世界中の研究所、観測所、実験施設などで原因不明の不具合が発生し……。

SFガイドブック『SFが読みたい！2024年版』にて、「ベストSF 2023（国内編）」第1位に選ばれた青春SF。タイムリープ・月基地・平行世界といった魅力的なSFキーワードが、物語の随所にちりばめられています。甘酸っぱい青春ストーリー＆ライトな文体なので、読後感のよい王道青春SFを読みたい人におすすめです。

■作者：高野 史緒
■出版社：早川書房
■出版年：2023年7月
■関連テーマ：パラレルワールド
■シリーズ：1冊

永遠の森 博物館惑星｜菅 浩江

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地球の衛星軌道上に建造された天体巨大博物館「アフロディーテ」には、世界中のありとあらゆる美術品・芸術品が収納されています。博物館は「ミューズ(音楽・舞台)」「アテナ(絵画・工芸)」「デメテル(動物・植物)」の3部門に分かれており、部署間のいさかいが絶えません。博物館に勤務する田代孝弘は、「アポロン（総合管轄部署）」にて部署間の調整に奔走していました。

天体巨大博物館「アフロディーテ」を舞台に発生する、さまざまな出来事がまとめられた短編集です。どのお話も基本的にハッピーエンドなので、シビアな現実を忘れたいときに最適！美しく繊細な物語は完成度が高く、「ベストSF 2020（国内編）」「第54回日本推理作家協会賞」を受賞しました。

■作者：菅 浩江
■出版社：早川書房
■出版年：2004年3月
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：3冊完結

夏への扉｜ロバート・A・ハインライン

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1970年、天才発明家のダン・デイヴィスは婚約者と親友に裏切られ、会社と発明品を奪われてしまいます。絶望したダンは愛猫ピートと共に冷凍睡眠に入り、30年後の2000年に目覚めました。未来の世界で、ダンは納得のいく人生を手に入れられるのでしょうか？

1957年に出版された、ロバート・A・ハインラインの名作の1つ。SF界の巨匠ならではの奇想天外なアイデアと、古き善き時代のムードを楽しめます。SFの名作というとハードで難解なものが多い印象ですが、ハインラインの作品は読みやすいものがたくさん。「夏への扉」もスリリングな展開で読後感がよく、SF初心者向きです！

■作者：ロバート・A・ハインライン
■出版社：早川書房
■出版年：2020年（アメリカの初版は1957年）
■関連テーマ：タイムトラベル、コールドスリープ
■シリーズ：1冊完結完結

スター・シェイカー｜人間 六度

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乗り物による移動ではなく、「テレポーテーション」で移動するのが当たり前となった世界の物語。赤川勇虎は、事故でテレポーテーション能力を失った青年です。ある日、不思議な少女ナクサを助けたことから、麻薬密売組織に追われる羽目になってしまいます。逃亡を続けるうちに新たな超能力が芽生えた勇虎は、宇宙の根幹に関わる秘密に触れてしまい……。

「第９回ハヤカワSFコンテスト大賞」にて、大賞を受賞した話題作です。「テレポーテーションが当たり前になった世界」という斬新な設定に、グイグイ引き込まれていきます。エンターテインメントとしての完成度が高く、ワクワク・ハラハラできるSF小説を読みたいときに最適。

■作者：人間 六度
■出版社：早川書房
■出版年：2022年1月
■関連テーマ：近未来、テレポーテーション
■シリーズ：1冊完結

人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル｜竹田人造

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「首都圏ビッグデータ保安システム特別法」の施行により、凶悪犯罪が激減した日本。借金の工面に苦労していた人工知能技術者の三ノ瀬は、AIスキルを見込まれて自動運転現金輸送車の強奪メンバーに加えられてしまい……。

人工知能技術者の三ノ瀬とフリーランス犯罪者の五嶋のドタバタを楽しめる、スラップスティックSFです。カーチェイスやドローンハッキングなどといった手に汗握るシーンが多く、最後まで飽きさせません。スピード感・パワーがあって、映画を見ているような気分で没入できます。第8回ハヤカワSFコンテストでは、優秀賞を受賞しました。

■作者：竹田人造
■出版社：早川書房
■出版年：2020年11月
■関連テーマ：AI
■シリーズ：1冊完結

古典的名作！一度は読んでおきたいSF小説5選

SF小説の人気は19世紀ごろから徐々に広がり20世紀半ばごろには「名作」と呼ばれる作品が多数登場しました。

発表から時間が経っても今なお色あせることのない、必読の古典SF小説をご紹介します。

幼年期の終わり｜アーサー・C. クラーク

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ある日地球上空に、巨大な宇宙船団を引き連れた「オーバーロード」がやってきます。彼らの目的は、人類の監視・監督。オーバーロードの庇護の下、人類は平和で理想的な黄金時代を迎えるのでした。しかしオーバーロードの来襲には人類が思いもつかない思惑があって……。

SF界のビッグ3の1人、アーサー・C. クラークの近未来SF小説。SF小説の金字塔といわれる、名作中の名作です。「人類としてのアイデンティティ」がテーマの根底にあり、ラストは非常に衝撃的。哲学的でやや難解な部分もありますが、SFファンなら必読の1冊といえるでしょう。

■作者：アーサー・C. クラーク
■出版社：早川書房
■出版年：1979年4月（アメリカの初版は1953年）
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：1冊完結

華氏451度｜レイ・ブラッドベリ

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「読書」が禁じられた未来で、モンターグは本を燃やす「ファイアマン」として働いていました。しかしあることをきっかけにモンターグは読書に興味を持ち、読書の価値を理解します。モンターグは社会の決まりに逆らって自分の価値観で生きようとするのですが…。

叙情的な表現を得意とする、レイ・ブラッドベリの代表作です。「本が禁じられた未来」という独特の設定は多くの人を引き付け、ディストピア小説のアイコンとして広く親しまれています。1966年には、同タイトルで実写化されました。「プロメテウス賞殿堂賞」「レトロヒューゴー賞」を受賞しています。

■作者：レイ・ブラッドベリ
■出版社：早川書房
■出版年：2014年6月（アメリカの初版は1953年）
■関連テーマ：ディストピア
■シリーズ：1冊完結

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?｜フィリップ・K・ディック

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第三次大戦が勃発し、世界は放射能灰に汚染された廃墟と化していました。多くの人が火星に移住する中、リック・デッカードは地球で人間に擬態した違法アンドロイドを見つけ、処分する仕事に従事しています。そんなある日、リックは火星から最新型のアンドロイド8体が地球に潜伏しているとの情報を掴みました。2体は処分されたものの、残りは6体は行方不明。リックはアンドロイド探しに奔走することとなるのでした。

映画「ブレードランナー」の原作として名高いSF小説。物語では「人間とアンドロイドを分けるものとは何か？」が終始問われています。ディック作品の魅力としてしばしば挙げられるのが、「信じていた現実が崩壊していく無力感（ディック感覚）」を味わえること。この作品も例にもれず、読み進めるうちに「現実とは」「真実とは」が分からなくなります。

■作者：フィリップ・K・ディック
■出版社：早川書房
■出版年：1977年（アメリカの初版は1968年）
■関連テーマ：ディストピア
■シリーズ：1冊完結

ファウンデーション 銀河帝国興亡史｜アイザック・アシモフ

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人類が宇宙に進出し、約25,000個もの惑星に居住している遙か遠い未来を描いたSF小説です。心理歴史学者ハリ・セルダンは、1万2千年続いた銀河帝国の崩壊と暗黒時代の到来を予測。来たるべき暗黒時代に備え、人類は第二帝国を建設するための核となる「ファウンデーション」の設立を決定します。

SF界のビッグ3の1人、アイザック・アシモフの代表作。「銀河帝国興亡史」というタイトルのとおり、ファウンデーションに関わる人々の試練や葛藤・人間ドラマが描かれています。

アシモフはボストン大学の生化学者でもあったことから、科学的厳密性が非常に高い作家です。重厚感のある壮大な宇宙史にはリアリティがあって、本物の歴史書を読んでいるかのような没入感を楽しめます。

■作者：アイザック・アシモフ
■出版社：早川書房
■出版年：1984年4月（アメリカの初版は1951年）
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：7作完結

月は無慈悲な夜の女王｜ロバート・A・ハインライン

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2076年、月が地球の植民地として搾取されている時代。コンピュータ技師のマニーは、月の行政府の高性能コンピュータであるマイクが、人間に近い自意識を取得していることを知ります。2人が友情を育む中、月は地球政府に対し独立を宣言。月の住人たちが自由を勝ち取るための戦いが始まります。

SF界のビッグ3の1人、ロバート・A・ハインラインの代表作。「植民地支配からの独立」「コンピュータと人間の友情」がテーマになっており、読み応え十分です。物語中で描かれる月面での生活環境や技術・社会システムなども興味深く、ラストまで一気に読み通せます。1967年には、ヒューゴー賞長編小説部門を受賞しました。

■作者：ロバート・A・ハインライン
■出版社：早川書房
■出版年：2010年3月（アメリカの初版は1966年）
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：1冊完結

世界観にはまる！宇宙が題材のSF小説5選

イマジネーションをかきたてられる宇宙は、SF小説では定番モチーフの1つ。宇宙を舞台にした、魅力的なSF小説をご紹介します。

工作艦明石の孤独 1｜林 譲治

■Amazonでの販売価格（2024年11月7日時点）：946円

ワープ航法の開発により、人類は60ほどの植民星系にまで版図を広げていました。人類がワープによって宇宙を自由に行き来する中、突然辺境のセラエノ星系で地球圏とのワープが不可能となります。工作艦明石は孤立するセラエノ星系150万市民の命運をかけ、調査に乗り出すのですが……。

重厚かつ複雑なストーリーテリングに圧倒される、ハードSF小説です。工作艦明石を軸にセラエノ政府、地球軍の思惑が複雑に絡み、ページをめくる手が止まりません。こちらはシリーズ1作目で、4巻で完結します。

■作者：林 譲治
■出版社：早川書房
■出版年：2023年4月
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：4作完結

叛逆航路｜アン・レッキー

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遙か遠い未来、宇宙を支配していたのは専制国家ラドチです。彼らは宇宙艦隊と生体兵器“属躰（アンシラリー）”を主力に、版図を広げていました。そして主人公である「わたし」は、宇宙戦艦のAI。最後の任務で裏切りにあって全てを失い、絶望の中復讐を誓います。

星雲賞、ヒューゴー賞、ネビュラ賞など、全世界で9つもの賞を受賞した大作です。複雑に練り込まれた世界観は、SF好き・空想好きな人の好奇心を刺激すること間違いなし！ただし設定はかなり複雑であるため、世界観に慣れるまでに相当のエネルギーを使うかもしれません。

■作者：アン・レッキー
■出版社：東京創元社
■出版年：2015年11月
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：4作完結

六つの航跡｜ムア・ラファティ

2,500人分の冷凍睡眠者と人格データを載せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた6人の乗組員が殺害されます。彼らはクローン体としてよみがえったものの、地球出発後25年間の記憶がありません。船に搭載されているAIも破壊されており、復活は不可能。誰が、何の目的でこのような状況を仕組んだのでしょうか？

ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞の候補に挙がったSF小説。宇宙が舞台ではありますが、精緻なSF描写は少なめです。どちらかというとミステリー色が強く、密室ミステリーを読んでいるかのようなワクワク感があります。

■作者：ムア・ラファティ
■出版社：東京創元社
■出版年：2018年10月
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：上下巻完結

銀河英雄伝説｜田中芳樹

■Amazonでの販売価格（2024年11月7日時点）：880円

遙か遠い未来の銀河系では、皇族や貴族が支配する「銀河帝国」と帝国支配に対抗する民主勢力「自由惑星同盟」による熾烈な戦いが続いていました。戦争は150年にも及び膠着状態となる中、銀河帝国にはラインハルト・フォン・ローエングラム、自由惑星同盟にはヤン・ウェンリーという天才が現れます。2人の天才の登場により戦況は大きく動き、宇宙の歴史そのものが変革を迎えるのでした。

日本のSF史において、外すことのできない名作SFです。宇宙戦争ものにありがちなロボットや超能力は登場しません。物語はイデオロギーの対立や権謀数術、人間関係に重点が置かれており、歴史小説のような面白さがあります。1988年には、第19回星雲賞日本長編部門を受賞しました。

銀河英雄伝説の累計発行部数は1,500万部を超えており、今なおコアなファンがたくさん。アニメやマンガ・舞台も制作され、メディアミックスに成功した事例としてしばしば名前が挙がります。2024年1月には、深夜アニメ枠でアニメの新シリーズが放送されました。

■作者：田中芳樹
■出版社：東京創元社
■出版年：2007年2月（徳間文庫の初版は1982年）
■関連テーマ：スペースオペラ
■シリーズ：16冊完結（外伝含む）

天冥の標Ⅰ　メニー・メニー・シープ｜小川 一水

■Amazonでの販売価格（2024年11月7日時点）：726円

舞台は、西暦2803年の植民地「メニー・メニー・シープ」。臨時総督のユレイン三世は、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えようとしていました。そんな中、最東端の都市セナーセーで未知の感染症が発生。感染源の引き渡しを巡って臨時総督と都市の統治者は対立し、臨時総督打倒の機運が高まっていくのでした。

2020年第51回星雲賞にて、「日本長編部門（小説）」を受賞したSF小説です。著者の小川 一水氏は、星雲賞を4度も獲得している実力派。1巻にあたる本作には随所に伏線がちりばめられており、物語の先が読みたくなること間違いなしです。シリーズ累計40万部という大人気シリーズなので、面白さは折り紙付き！

■作者：小川 一水
■出版社：早川書房
■出版年：2013年1月
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：10作完結

海外の名作！外国で人気のSF小説5選

海外の人気小説も、たくさん日本語に翻訳されています。ネビュラ賞やヒューゴー賞・星雲賞の受賞作を含む、おすすめの海外SF小説をご紹介します。

三体｜劉慈欣

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文化大革命によって物理学者の父を殺害された中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。地球外生命体との交信プロジェクトに加わった彼女は、密かに宇宙に向けて地球文明の情報を送信します。この情報を受信したのが、「三体星人」です。自らも滅亡の危機に瀕していた三体星人は、地球を侵略することを決め出発しました。三体星人が地球に到達するのは、約400年後。地球人は、三体星人との戦いを回避できるのでしょうか？

中国ファンから火が付いて、全世界的な人気を博した長編ベストセラーSFです。人類の存続と宇宙の運命について描かれた物語は先が読めず、グイグイ引き込まれます。じっくり本と向き合えるよう、時間のあるときに読み始めるのがおすすめ！作者の劉慈欣氏は、本作品でアジア人初となるヒューゴー賞を受賞しました。

■作者：劉慈欣
■出版社：早川書房
■出版年：2019年7月
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：3部作完結

エンダーのゲーム〔新訳版〕（上）｜オースン・スコット・カード

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昆虫型異星人バガーによる2度の侵攻を受けた人類は、3度目の侵攻に備えるべくバトル・スクールを設立しました。異星人との戦闘に耐えうる艦隊指揮官を育成するための訓練が行われる中、最高の成績を収めたのが天才少年エンダーです。エンダーは次々と厳しい訓練をクリアしていくのですが……。

MetaのCEO・マーク・ザッカーバーグ氏も愛読したといわれる、宇宙侵略ものSF小説。チートな天才少年が次々と苦難を乗り越えていく展開は、後のSF小説にも多大な影響を与えたといわれています。近年人気の「なろう系」に通じる部分があり、読みやすく爽快感のあるSFを探している人におすすめ！1985年にネビュラ賞、1986年にヒューゴー賞を受賞しました。

■作者：オースン・スコット・カード
■出版社：早川書房
■出版年：2013年11月（アメリカの初版は1977年）
■関連テーマ：宇宙
■シリーズ：上下巻完結

空のあらゆる鳥を｜チャーリー・ジェーン・アンダーズ

■Amazonでの販売価格（2024年11月7日時点）：2,640円

動物の声を聞き、会話ができる魔法使いの少女・パトリシアと、天才科学少年ローレンス。正反対の性質・指向を持つ彼らは、異質さゆえに惹かれあい友情を育みます。そんなある日、2人は未来から来たという暗殺者に襲われます。彼が語ることには、近い将来科学と魔法勢力の戦争が勃発し、パトリシアとローレンスがそれぞれの陣営の中心的役割を果たすというのです…。

魔法と科学の融合がテーマの、独創的なSF小説です。魔法が物語で幅を利かせるぶん、ファンタジー色はかなり強め。とはいえ主人公たちの成長や恋愛が丁寧に描かれていて、青春小説としても楽しめます。作者は本作で、ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞を受賞しました。

■作者：チャーリー・ジェーン・アンダーズ
■出版社：東京創元社
■出版年：2020年5月
■関連テーマ：科学、魔法
■シリーズ：1冊完結

わたしたちが光の速さで進めないなら｜キム・チョヨプ

■Amazonでの販売価格（2024年11月7日時点）：1,100円

7作のSF作品が収録された短編集です。「廃墟となった宇宙ステーションで宇宙船を待ち続ける老女の話」「人間のパーソナリティが図書館で保管されるようになった時代の話」「宇宙人とのファーストコンタクトを語る老女の話」などが、静かなタッチで描かれています。

どの物語も穏やかで優しいので、落ち着いた物語を読みたいときに最適。1つ1つ、大切に読みたくなる短編集です。本作に収録されている「館内紛失」は、第2回韓国科学文学賞中短編部門で大賞を受賞しました。

■作者：キム・チョヨプ
■出版社：早川書房
■出版年：2020年1月
■関連テーマ：－
■シリーズ：1冊完結

まとめ

SF小説は、科学的な根拠に基づいた想像力で語られる物語です。現実世界と絶妙にリンクしている作品が多く、フィクションでありながら現実であるかのようなリアリティを楽しめます。日常に疲れたとき・現実以外の世界に没入したいとき、良質なSF小説が気分のリフレッシュにつながるはずです！

このたびご紹介したSF小説は、古典的名作から最新のベストセラーまでさまざま。気分に合う1冊を選んで、充実した読書タイムを楽しんでくださいね！