お盆休みに家族で観てほしい映画5選【連載】ちはるの「爛熟MANGO」

2018/08/12

8月15日は終戦記念日。親子で戦争について考え、話し合ういい機会です。祖父を戦争で亡くしたというタレントの「ちはる」さんに、自身が抱える戦争への思いと合わせて、家族で観てほしい映画を語ってもらいました。

映画を通じて学ぶ、戦争の恐怖や悲しみ

私の母方の祖父は太平洋戦争で亡くなっている。二十代後半で4人の子供を残して戦死したお爺ちゃんのことを私はほとんど知らない。母に尋ねても、「私も小さかったし、父さんのことはあまり覚えていないから」と、進んでは語りたがらないのだ。戦前に撮ったものなのか、着物姿に丸い眼鏡をかけて、まるで文学者のように物憂げな表情を浮かべる青年。

若くして着物問屋を営んでいた彼には、どんな夢や希望があったのだろうか?そして、南シナ海で亡くなったとされる瞬間、一体どんなことを思ったのだろう。

毎年、お盆や終戦記念日が近づくと、ふとそんな事を考える。平和ボケした頭では想像できない戦争の恐怖や悲しみ。目を背けたくなるけれど、同時に知っておかなければならないと強く思う。今も続く人間同士の醜い争い、それらがどうして始まり、何を生むのか、そんなことを少しでも学べる映画をご紹介します!

人類史上もっとも大規模な虐殺――ホロコースト描いた作品

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]

『ライフ イズ ビューティフル』
若い時に観て、酷く感動した映画です。どんな過酷な状況に置かれてもこんな人間でありたい!と強く感じる愛と涙が溢れる名作です。

縞模様のパジャマの少年 [DVD]

『縞模様のパジャマの少年』
強制収容所での話を子供の視点で描いた良作。立場の違う少年らの友情がとても切ない。大人たちを皮肉るかのようなラストは必見です!

長きにわたる不毛な戦い、ベトナム戦争を描いた作品

プラトーン (特別編) [AmazonDVDコレクション]

『プラトーン』
学生時代に映画館で観て衝撃を受けました。オリバー・ストーンが実体験を元に描いた渾身の力作。ベトナム帰還兵たちが唯一認める映画だと言われています。

最初に父が殺された ―あるカンボジア人少女の記憶―

『最初に父が殺された』(Netflixオリジナル作品)
ベトナム戦争の余波でカンボジアも戦火に巻き込まれます。私が少女の頃に同じ年頃の女の子が経験した実話。アンジェリーナ・ジョリーが監督の作品ということで観たのですが、驚くほど素晴らしかった!少女の目線で描く悲惨な光景、心が震えます。

決して忘れてはならない、太平洋戦争を描いた作品

風立ちぬ [DVD]

『風立ちぬ』
この作品が好きです。観終わったとき、戦死した祖父の穏やかな笑顔が垣間見えたように感じました。辛く悲しい時代を精一杯駆け抜けた若者たち。「おまえも頑張れよ!」とエールを送られている気持ちになります。

他にも今ドラマでも話題の「この世界の片隅に」も大好きな作品です。のんさんの声がのほほんと切なく響きました。個人的に日本の戦争映画は、アニメの方が心により深く刺さる気が。皆さんはいかがでしょうか。

教えてくれたのは・・・

ちはる

テレビ、CF、著書の企画などで活躍中。『サンキュ!』にて連載「熟れすぎMANGO」を約11年半連載。12年、14歳年下の旦那くんと再婚。目黒で「チャム・アパートメント」を経営。

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