2025年5月21日(水)よりDisney+で配信開始される最新韓国ドラマ『ナインパズル』。
『梨泰院クラス』のキム・ダミが天才プロファイラーを、『殺人者のパラドックス』のソン・ソックがエリート刑事を演じ、連続殺人事件の謎に迫っていく本格心理サスペンスです。
韓ドラマニアで韓ドラライターのJUMIJUMIさんが、『ナインパズル』のあらすじやキャスト紹介のほか、配信に先駆けて行われた制作発表記者会見についてもレポートしてくれます!

- 謎めいたパズルが事件を繋ぐ…?「ナインパズル」あらすじは?
- 実力派が勢揃い!主要キャストを紹介!
- 韓ドラマニアが見る、『ナインパズル』の見どころは?
- どこよりも詳しく!『ナインパズル』制作発表記者会見レポート!
謎めいたパズルが事件を繋ぐ…?「ナインパズル」あらすじは?
ソウル警察庁科学捜査課犯罪分析チームに所属するユン・イナは、10年前に叔父が殺害された事件の唯一の目撃者であり容疑者。イナはやがて、その並外れた観察力で犯罪的動機を暴く天才プロファイラーへと成長します。
ある日イナのもとに、10年前の殺人現場に残されたパズルのピースと一致する“新たなピース”が届き、それを合図にイナの周辺では殺人事件が起き始めました。
イナはプロファイラーとして事件の謎に引き摺り込まれていきます…。
捜査一課のエリート刑事キム・ハンセムは、イナを10年前の事件の容疑者として疑い続けていますが、新たな犠牲者を出さないためにイナと協力し捜査することに。
しかし犯人は警察を翻弄するばかりで…。
再び動き出す謎めいた連続殺人事件。互いを警戒し合うイナとハンセムですが、協力しながら事件の真相を暴くことができるのでしょうか…。
実力派が勢揃い!主要キャストを紹介!
キム・ダミ/ユン・イナ役
2018年の映画『The Witch 魔女』で1500倍の倍率のオーディションを勝ち抜き主演に選ばれます。映画も大ヒットし、この年の様々な映画祭で新人賞を総なめにしました。
パク・ソジュン主演ドラマ『梨泰院クラス』でヒロインを演じると、作品の世界的ヒットに伴いキム・ダミも世界的大ブレイク!
その後もチェ・ウシクと共演した『その年、私たちは』や、ピョン・ウソクと共演した映画『ソウルメイト』など話題作に出演。
どの作品でも唯一無二の存在感で強烈な印象を残しています。
ソン・ソック/キム・ハンセム役
どこかミステリアスで掴みどころがないような、不思議な魅力にハマる人が続出しているソン・ソック。
日本ドラマのリメイク作品『最高の離婚 〜Sweet Love〜』や、『D.P. -脱走兵追跡官-』『私の解放日誌』『殺人者のパラドックス』など、様々なジャンルの作品に出演。
2025年5月現在Netflixで配信されている『君は天国でも美しい』も、大ヒット中です!
キム・ソンギュン/ヤン・ジョンホ役
キム・ソンギュンは『D.P. -脱走兵追跡官-』をはじめ、2023年にDisney+独占配信で大ヒットを記録した『ムービング』、2025年のNetflix作品『悪縁』などに出演。
これまでに出演してきたドラマ・映画が50作品にも上ります。コメディ作品も特殊能力者も悪役も、こなせない役柄はない名バイブレイヤーです。
ヒョン・ボンシク/チェ・サン役
『D.P.-脱走兵追跡官-』『この恋は不可抗力』『ドクタースランプ』などに出演。『殺人者のパラドックス』ではソン・ソックと共演し刑事の同僚を演じていました。
一度見たら忘れられない⁉︎そんなキャラクターを得意とする名脇役です。
韓ドラマニアが見る、『ナインパズル』の見どころは?
配信に先駆けて解禁されたティザービジュアルは、トリックアートのように描かれ不気味な雰囲気を漂わせています。
傘をさす後ろ姿の女の子は10年前のイナでしょうか。木に引っかかった赤い風船、塀から垂れ下がる赤い紐、砂の城…など気になるものがたくさんあります。作品中の事件と関連があるものなのか⁉︎事件の謎を解くヒントなのか⁉︎ストーリーと照らし合わせるのも楽しそうです。
本予告映像からは事件の全体像は見えてきませんが、事件がどんどん大きくなっていく緊迫感が伝わってきました。
ユン・ジョンビン監督は、映画『工作 黒金星と呼ばれた男』やドラマ『ナルコの神』などを手掛け、二転三転して先が読めないストーリー展開を得意としています。
きっと本作も本格心理サスペンスとして見応えのあるものになっていることでしょう!
そして本予告映像では、まだ発表されていないキャストがチラチラと映っていましたが、とんでもない大物が揃っていました!!
彼らがどのようなキャラクターで登場し、どのように事件と関わっていくのか…⁉︎今からワクワクが止まりません!
どこよりも詳しく!『ナインパズル』制作発表記者会見レポート!
2025年5月某日。韓国で開催された制作発表記者会見に、オンラインで参加させていただきました。その模様を詳しくお伝えします!
記者が大勢集まる会場!フォトセッションからスタート!
まずはヒョン・ボンシクから順に、キム・ソンギュン、ソン・ソック、キム・ダミと1人ずつ登場し、ソロ撮影が行われました。
ヒョン・ボンシクはベテラン俳優ながら本作では捜査チームの末っ子という役柄。末っ子らしく、可愛らしい顔ハートポーズを披露!
キム・ソンギュンはラフに着こなしたスーツ姿がとてもお洒落です。
ソン・ソックはスタイリッシュだけど飾らない雰囲気の、彼らしい装いで登場!逞しい二の腕に釘付けです!
そしてキム・ダミ。小さな顔、細く長い手足、白い肌。一瞬で人々を惹きつける特別なオーラが出ていました!
会場に集まった大勢の記者たちのボルテージも一気に上がります!
ユン・ジョンビン監督も加わり全体撮影も行われました。
手を繋いだり、自然に肩を組んだり、ソン・ソックがヒョン・ボンシクの顔にハートを作ったりと、終始和気あいあいとしたムードが感じられました。
ソン・ソック「出演の決め手は監督のファンだったから」
◇この作品を選んだ理由が気になります。どのような点に魅力を感じましたか?
キム・ダミ:最初にシナリオを読んだ時、話の続きがすごく気になったんです。その場でいつまでも読むのをやめられませんでした。キャラクターも独特で、プロファイラーという役を演じるのは新しい挑戦にもなると思いました。
ソン・ソック:シナリオが魅力的なのもそうですが、決定的な理由は、私が以前からユン・ジョンビン監督の大ファンだったからです。なので監督からこのお話を提案してもらった時は、本当に光栄でした。
キム・ソンギュン:13年前に『悪いやつら』という映画で私をデビューさせてくれたのがユン・ジョンビン監督です。10年以上が経ってまた現場で監督と再会できることは、私にはすごく大きな意味があり、撮影している間も感激していました。台本も素晴らしかったし、大きな役割をくださって感謝しています。
ヒョン・ボンシク:台本を読んでいてとても面白く、引き込まれました。監督が「末っ子刑事」という提案をしてくださり、これまではずっと「班長役」だったので、末っ子になれて幸せでした。(笑)
ユン・ジョンビン監督「独特なイナ役、キム・ダミが演じれば受け入れられると思った」
◇ダミさんが演じたイナはどのような人物ですか?
キム・ダミ:10年前の叔父の殺人事件に巻き込まれる、唯一の目撃者で容疑者です。その時の衝撃で当時の記憶を失っている状態です。キャラクター設定をするときに、当時のまま止まっている部分が現在でも滲み出ている、そんなふうに考えながら役作りをしました。
◇トラウマがあるイナという人物ですが、演じる際に重点を置いた部分はどこですか?
キム・ダミ:当時のまま止まっている幼い子供のような感じを表現したくて、正直で感情のままに行動しワガママに見える性格、でもその中に弱さや痛みがあるキャラクターに見せたいと思いました。
◇監督はイナ役を決める時にキム・ダミさんが一番に思い浮かんだと聞いていますが?
ユン・ジョンビン監督:台本を読んだ時からイナというキャラクターはとても独特だと思いました。ためらいがなくストレートで感情に正直な人物です。誰が演じたらこのキャラクターが受け入れられるだろうか?と最初に考えた時に、以前からキム・ダミさんには健康的なエネルギーがあると感じていたので、キム・ダミさんが演じればユニークで変わった子というそのままの人物を皆さんに受け入れてもらえるのではないかと思いました。実際に演じてもらった結果、ちょっと変わっててユニークな個性を持ち、とても愛らしい人物として表現されていると思います。
ソン・ソック「イナとハンセムは“後にも先にもない関係”」
◇続いてソン・ソックさん。キム・ハンセムはどんなキャラクターでしょうか?
ソン・ソック:今でもイナが有力な容疑者だと思っている執念深く粘り強い刑事です。自分が唯一解決できなかった事件だと思っているので、10年間もこの事件のことばかり気にしていて、出世もできていません。ハンセムという人物に一番ピッタリな単語は「執拗」だと思います。
◇イナとハンセムは一般的なプロファイラーと刑事という関係ではないですよね。10年間も続く特別な関係ですが?
ソン・ソック:この関係を表現することが、ある意味「宿題」でした。近所の知り合いでもないし、兄妹でもないし、だからと言って敵でもない。一般的には経験できない、後にも先にもない関係なので、あまり考えすぎず、皆さんの想像力に任せたほうがいいのではと思いました。ダミにたくさん助けてもらいました。面白いアイデアが多くて、こうしたらいいんじゃないか?と色々話し合いました。
◇イナにとってハンセムはどんな存在ですか?
キム・ダミ:(しばらく悩んで)いなくてはならない存在?幼い頃からずっと傍にいた、どんな関係であってもいなければいけない存在です。
ソン・ソック:ハンセムにとってイナは、守ってあげたい存在でありながら、負けたくない存在。両面的な感情があり、それが最後まで続いていきいます。それが可愛くもあり、深い疑いの中でお互いを苦しめることもあり…。
『D.P.-脱走兵捜査官-』で共演していた3人の相性は?
◇ヤン・ジョンホはどんな人物ですか?
キム・ソンギュン:強い使命感を持っていて、犯罪被害者の葬儀にも足を運び、原理原則に従う。ある意味すごく面白くない真面目な人物なのですが、ストーリーの中では面白く仕上がっています。
◇チェ・サンはどんな人物ですか?
ヒョン・ボンシク:チームの末っ子(下っ端)で、MG力(※)に溢れる刑事です。凶悪犯を捕まえるかっこいい刑事になりたいのですが、今は防犯カメラのチェックばかりさせられる典型的な下っ端です。ワークライフバランスを守りたい、まさにMG世代(※)ですね。
※MG力、MG世代…韓国でミレニアル世代+Z世代(1981年〜2010年の間に生まれ)を指す。この世代はインターネットやソーシャルメディアなどを上手に活用する「デジタル原住民」とも言われています。これまでの価値観から抜け出し、社会の多様性を受け入れたり、自由なライフスタイルを求める傾向にある若者というイメージです。
◇ソックさん、ソンギュンさん、ボンシクさんは同じチームということでチームワークが大事だっと思いますが、驚いたのは、以前の軍隊を描いた作品(D.P.-脱走兵追跡官-)では序列が正反対でしたよね⁉︎
ソン・ソック:だから軍隊にいる時にはきちんとしなきゃいけないんですよ。社会に出たらどう順番が狂うかわからないんだから。軍隊では私のことをかなりいじめたので、ボンシクさんも「やっちゃった」と思ったのでは?(笑)
キム・ソンギュン:軍隊の時には私もボンシクさんにかなり怒られて傷ついたんですが、今回はMG世代として可愛く登場するので、撮影中はいつも笑いが止まりませんでした(笑)。
監督がキャストと仲を深めた方法はカカオトークだった⁉︎
◇キャラクターたちのアンサンブルを演出するにあたって、どのように表現しようとされたんですか?
ユン・ジョンビン監督:私は作品を作るときは、俳優さんたちとよく食事をします。そうやって仲を深めて、お酒を交わしながら話をして関係性を作っていきます。でも今回はソックさんもボンシクさんもお酒が飲めなくて、ダミさんはとても恥ずかしがり屋で、食事の場を設けるのがとても難しかったです。ダミさんはカカオトーク(韓国で主に使われているLINEのようなチャットアプリ)で質問をたくさんしてくるスタイルだったので、私はいつも返事をしていました。ボンシクさんもそうだったので、カカオトークを通して築かれた関係性だったと思います。
監督「現実と非現実の境界にある世界観を作る必要があった」
◇撮影時の映像を見ていると、従来の犯罪スリラーやノワール作品とは違うように感じます。どのような世界観を作ろうと考えたのでしょうか?
ユン・ジョンビン監督:台本を読んだ後に「果たしてこれは現実に起こり得る話だろうか?」「イナやハンセムのような独特な人物が現実にいるだろうか?」という質問を自分に投げかけました。結論としては、リアリズムの観点から見たら、少し視聴者は混乱するんじゃないかな?と思いました。それで現実と非現実の境界にある漫画の世界のように、トーンを上げる必要があると。現実とは少し違う世界であることを冒頭から視聴者にアピールできるように、美術や衣装などの多様な部分の世界観を設定しました。
◇ユニークな空間の中で演技をしてみてどうでしたか?
キム・ダミ:警察署にしてもこれまでに見たことのない雰囲気でしたし、ハンセムの家も独特で妙な雰囲気がありました。そんな中で演技をするのはとても新鮮で、面白かったです。
ソン・ソック:「妙な」という言葉がすごく合っていると思います。現実と非現実が共存しているので、衣装・美術・セットなどが演技をするのに非常に助けになりました。この作品は推理ものですが、単純に推理ものとはくくれない何かがあると思うんです。そう思わせるのは衣装や美術の力だと思います。
ソン・ソック「ダミとは似ている部分があり良いパートナーになれると思った」
◇ダミさんとソックさんは初共演でしたが、どうでしたか?
キム・ダミ:最初はソックさんの方から歩み寄ってくれて、お互いに頼らなければいけない関係だからたくさん意思疎通をしようと言ってくれました。そのおかげで自然に頼れるようになり、たくさん話すようになりました。現場では2人一緒のことが多かったので、色々な話をしながら楽しく撮影ができました。
ソン・ソック:私はこういうジャンル性の濃い作品は初めてだったのもあり、監督の大ファンだったこともあり、とても緊張しながら撮影に挑みました。だから頼るところが欲しかったんですね。それでダミにはたくさん話をしたんですが、私とダミは似ているところがあって、2人とも内気だったり淡白な性格で…彼女となら誤解なく話もできて、本当に良いパートナーになれるだろうと確信を持てました。
◇捜査チームの相性はどうでしたか?息は合っていましたか?
ヒョン・ボンシク:以前の作品でご一緒していたこともあって、とても楽しかったです。現場の雰囲気が良くてとても幸せでした。撮影の合間にはお互いにふざけ合ったりして。幸せな撮影現場でした!
とにかくネタバレ注意!余計な情報を入れずに作品を楽しむべし!
会見の中で何度も出てきたのが「ネタバレになるから多くは語れない」という言葉でした。
最後の挨拶でもソン・ソックが「ネタバレに気をつけて、1話から最後まで、犯人が誰なのかを一緒に推理しながら見たら、より楽しい時間になるはずです。そんな時間を持っていただきたくて一生懸命作りました。」と語り、監督もまた「ネタバレを避けることこそが、この作品を最も楽しむ方法です。」と言っていました。
監督・キャストの言葉を聞いていて、どれだけの情熱を込めて本作を作り上げたのか、その熱量を感じることができました。そして「現実と非現実の境界にある、これまでに見たことのない世界観の推理もの」という部分に非常に惹かれワクワクしています。
私は韓ドラマニアとして監督・キャストの熱意に応えるべく、一切の情報を遮って本作に没入したいと思います!
Disney+オリジナル韓国ドラマシリーズ『ナインパズル』は、5月21日(水)16時に初回第1話~第6話を一挙配信。
それ以後、毎週水曜日に新エピソードが配信されます。ご期待ください!
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『ナインパズル』
ディズニープラス スターにて2025年5月21日(水)独占配信開始
(C)2025 Disney and its related entities
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■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間50作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。