韓国版『梨泰院クラス』感想/あらすじは!?パク・ソジュン主演の大ヒットドラマを徹底解説!
2024/11/05
豪華俳優陣と共演した時代劇『花郎』やラブコメドラマ『彼女はキレイだった』『キム秘書はいったい、なぜ?』など、主演作を立て続けにヒットさせ世界的な人気を得たパク・ソジュン。
そんな彼がこれまでの高貴で洗練されたイメージを覆し、ラブコメで見せてきたキュートでコミカルな演技を封印して挑んだのが『梨泰院クラス(イテウォンクラス)』です。
2020年の韓国ドラマ再ブームに乗り日本でも大ヒットした作品なので知っている方も多いと思いますが、まだ観ていないという方も遅くはありません!
1人の男の生き様に心を打たれ、自分のこれからの生き方に影響を与えるような必見ドラマ『梨泰院クラス』について、韓流マニアで韓国ドラマライターのJUMIJUMIさんに徹底解説してもらいましょう!
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人生を懸けた復讐劇!大切な物を奪われた男が信念を貫き、悪しき権力に挑む!
高校3年のパク・セロイ(パク・ソジュン)は国内最大の外食チェーン・チャンガグループに勤める父の転勤で、田舎町に引っ越します。
転校先ではチャンガグループ会長の息子チャン・グンウォン(アン・ボヒョン)がクラスメイトを虐めたりとやりたい放題。学校側も見て見ぬフリです。誰よりも責任感が強く間違ったことが許せないセロイは、グンウォンを殴ってしまいます。
謝罪を求めるチャンガグループ会長チャン・デヒの前でも、セロイは信念を貫き謝罪を拒否したため退学処分に。そんな息子を讃えた父も20年勤めたチャンガグループを辞める羽目に…。
セロイは父と小さな食堂をつくり、再出発に向けて準備をしていました。しかしそんなある日、父はひき逃げ事故に遭い亡くなります。その犯人がグンウォンであることを知ったセロイは、グンウォンに暴力を振るい殺人未遂罪で刑務所へ。
そしてグンウォンがひき逃げ事件の犯人だという事実は、チャン会長の金と権力で闇に葬られました。
夢も希望も大切な家族も失ったセロイですが、初恋の相手オ・スアの一言で「チャンガグループを倒し復讐する」と覚悟を決めます。
服役中もたくさんの本を読み経営について勉強し、出所後も7年かけてお金を貯め、ソウルの中でも一際賑やかな街・梨泰院に「タンバム」という小さな居酒屋を建てたセロイ。
セロイを慕う仲間も加わり、彼の人生を懸けた復讐劇がいよいよ幕を開けます!
見どころ1:正義感と信念の塊!不器用だけど実直なセロイの生き様に惚れる!
今の時代に必要とされるコミュニケーション能力、空気を読む・相手の顔色をうかがうなどの状況把握能力はほぼゼロ。「ごめんなさい」の一言で解決できる問題も、自分が間違っていないのであればその信念に反くことはありません。
超がつくほどの頑固さと不器用な性格のせいでトラブルを招き、店を窮地に陥れることも多く、決して経営者に向いているとは言えません。
しかしどんな窮地に立たされても責任から逃れようとはせず、卑怯な手は使わずに正々堂々と真っ向勝負!相手が誰であろうと変わらぬ態度で真っ直ぐに向き合います。そして部下のミスは自分のミスだと、大きな包容力で仲間を守ります。
結果的にはその信念を曲げない心の強さと正義感溢れる男気が人望を集め、セロイの至らない部分を仲間たちが補いながら共に成長していくのです。
人目を気にしてその場その場の雰囲気に合わせながら、自分を変えて生きていける器用さが求められる時代。上手にトラブルを避けて楽に生きていくのは悪いことではないし、むしろ必要だとも思います。
ですが今の自分に「信念」というものがあるだろうか?自分の想いを貫き通す強さがあるだろうか?そしてセロイの父のように、我が子が信念を貫くことを応援してあげられるだろうか?そんな考えを巡らさずにはいられません。
ドラマを見た方はセロイの生き様から何かを感じ、学ぶことがあるのではないでしょうか。
セロイを演じたパク・ソジュンは、これまでの洗練されたカッコ良さを封印。印象的なイガグリ頭と無骨で荒々しい男らしさ、そしてビジュアルだけではなく生き様や佇まいから「本物の強い男」という雰囲気を醸し出しています。
新たな魅力と演技者としての幅広さを見せたパク・ソジュンは、この作品で多くの男性からも支持されました。
見どころ2:最強であり最凶の悪役!チャン親子の狂気に震える!
セロイが復讐を誓った相手、それがチャンガグループのチャン会長と息子のグンウォンです。
韓国ドラマでは財閥などの金持ちや政治家などの権力者が、お金や権力を行使して真実をねじ伏せるようなストーリーはよく見られます。この作品でも事の発端はまさにそれですが、この親子の「悪さ」は自分が得をしようとする単純なものではなく、目障りなものをとことん蹴散らす不気味さがあります。
グンウォンは会長の息子という鎧を着て傍若無人に振る舞っているだけで情けない部分も多く、憎めないところもありますが、人をイライラさせる天才です。
チャン会長は激動の時代に屋台から商売を始め、韓国最大の外食チェーンにまで育ててきました。利益のためならどんな手段も厭わず、金や権力で自分の思うままにしてきました。
自分と同じように強い信念を持つセロイ、しかし自分とは違い正しい道を突き進む姿が余計に気に触るのかもしれません。
セロイはこの最強で最凶な親子に、そして強大なチャンガグループに勝つことができるのでしょうか!
見どころ3:セロイと共に成長する、個性豊かなタンバムの仲間たち!
タンバムで働く仲間たちはとにかく個性豊かで、それぞれ苦労を重ねながらセロイと共に成長していきます。
マネージャーとして働くのは、IQ162の天才でSNSスターのチョ・イソです。勝つためなら何でもする・欲しいものは何をしても手に入れるという思考を持ったソシオパスでもあり、ズバズバと物を言いかなり生意気ですが、持ち前の抜群のセンスでタンバムを人気店へと導いていきます。
セロイの夢を一緒に叶えるため、そしてセロイを手に入れるため、隣で必死に支え続けます。
刑務所でセロイと同期だったスングォンはホールを担当。ギャング出身のため暴力事件を起こしセロイを困らせたりしますが、タンバムのムードメーカーでもあります。
料理経験のない料理長ヒョニは、手厳しいイソに認めてもらうため必死で料理を練習し、立派な料理人へと成長していきます。
チャン会長の次男でありながら家を出て自立した生活を送るグンスも、タンバムのアルバイトとなります。兄グンウォンとは違い真面目で誠実。セロイのことを慕っていますが、タンバムの人間として生きるのか、チャンガの人間として生きるのか…という選択を迫られます。
ただの人気店ではなく、外食チェーンのトップに立ちチャンガグループを潰すという目標を立てたセロイ。仲間たちと共に困難を乗り越え成長しながら、チャン会長の背中に一歩一歩近付いていく姿に、胸をワクワクさせられます!
見どころ4:イソかスアか!?セロイの心を射止めるヒロインは?
セロイが転校先で出会ったオ・スアは、セロイの父が支援している孤児院で育ちました。セロイの初恋の相手です。
スアは幼い頃に親に捨てられ、周囲から哀れな目で見られながら育ちました。「自分が頼れるのも自分を慰めてくれるのも自分だけ」と、信念と葛藤しながらも利益になる道を選択し、チャンガグループに就職します。
自分の心に素直で現代の若者らしい、ある意味最も共感できる登場人物ではないかと思います。
スアはセロイの気持ちを知っていながら、自分がチャンガグループの人間であること、つまりはセロイの敵であることが理由で曖昧な態度を続けています。
そこにイソが現れスアに対して堂々と宣戦布告!セロイを取り合う女2人のバッチバチのバトルは、見ているこちらがヒヤヒヤしますがとても面白いです。
最終的にセロイを射止めるのは誰なのか?最後まで予想不可能です!
見どころ4:世界を圧縮した街・梨泰院の情景も必見!
この作品の舞台となっている梨泰院は実際にある街で、ソウル市のほぼ中心に位置します。
すぐ隣に米軍基地があるため外国人を相手とした飲食店やお土産店が増え、今では韓国を訪れた外国人が必ず立ち寄るほどの観光名所となりました。
作品の中で「世界を圧縮したような街」という表現がされていますが、街ゆく人々の人種も多種多様。今日はどの国にしようかな?と選べるほど、異国情緒溢れる飲食店が軒を連ねています。
ナイトクラブやLGBTのためのバーなども多いので「人々が自分らしく自由に生きている街」という点からも、梨泰院が舞台に選ばれたのだと思います。
まさにそんな雰囲気がドラマ中でも表現されています。様々な人種やマイノリティを持つ人々が集い、いつも活気に溢れる小さな世界・梨泰院。その情景もたっぷりお楽しみ下さい!
印象的なシーンで度々使われた南山タワーを望む歩道橋、タンバムとして使われた居酒屋、グンスが住んでいた寮など、梨泰院の街を歩けばロケ地がそのまま残っています。
旅行に行けるようになったらぜひ訪れたいものですね。
『六本木クラス』として日本でリメイクされました。リメイクされるということは、それだけ原作が良い!ということです。
今からでも遅くありません!ぜひセロイの生き様を最後まで見届けて下さい!
■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間30作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。