「国民の年下男子」ことチョン・ヘインが初めて本格的なラブコメディに挑んだ『となりのMr.パーフェクト』。
『還魂』の人気女優チョン・ソミンとの初共演ということもあり注目度が高く、胸キュンなストーリーにハマる人が続出しました。
そんな『となりのMr.パーフェクト』について、韓ドラマニアで韓ドラライターのJUMIJUMIさんに徹底解説してもらいましょう!

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韓国原題は『母さんの友達の息子』そこに隠された意味とは⁉︎
本作の韓国原題は『엄마친구아들(オンマチングアドゥル)』。「母さんの友だちの息子」という意味です。省略して「엄친아(オムチナ)」ともいいます。
韓国では母親が子どもを叱る際に「◯◯さん家の息子は頭も良くて親孝行で…。それに比べてあんたは!」というフレーズをよく使います。韓ドラでもよく見るシーンですよね。
そこから「母さんの友だちの息子は完璧な子ばかり」という皮肉とユーモアを込め、「엄친아(オムチナ)=完璧な男性」という意味で日常的によく使われています。
そこから日本タイトルは「Mr.パーフェクト」になったんですね!
ちなみに「母さんの友だちの娘」は「엄마친구딸(オンマチングタル)」。略して「엄친딸(オムチンタル)」です。
あらすじ:海外で暮らすソンニュが突然の訳あり帰国!幼馴染スンヒョの生活にも影響が…⁉︎
勝気でエネルギッシュなペ・ソンニュ(チョン・ソミン)は、成績優秀でアメリカの大学に留学。そのまま世界的大企業に就職して活躍しています。弁護士の彼氏とも結婚間近で、ソンニュの母ミスク(パク・ジヨン)はそんな娘が自慢でした。
ソンニュの幼馴染チェ・スンヒョ(チョン・ヘイン)は、世間の注目を一身に集める若手建築家。建築事務所アトリエインの代表で、ルックスも性格も良いという、誰もが羨む完璧な男性です。
母親同士が親友で隣の家に住み、幼い頃から兄妹のように育った2人。一緒にお風呂に入ったこともあれば、学生時代のお互いの苦い経験も知り尽くしています。
ある日、前触れもなくこっそり帰国したソンニュ。仕事を辞めて婚約も破談になったというから、母ミスクは大激怒!自慢の娘が突然ニートになってしまいました。
ソンニュ母娘のケンカに巻き込まれ、仲裁に忙しいスンヒョ。穏やかで充実していた生活が、ソンニュによって振り回されることになり…。
『となりのMr.パーフェクト』見どころは?
見どころ1:ラブコメ初挑戦のチョン・ヘイン×溌溂ヒロイン役がピッタリなチョン・ソミン!
「国民の年下男子」として幅広い世代から愛されるチョン・ヘイン。意外にも本格的なラブコメディは本作が初めてです。スンヒョはイケメンで成績優秀、仕事にも誠実で人々にも慕われる、まさにパーフェクトマン!こんな息子がいたら誰だって自慢したくなります。チョン・ヘインのイメージとピッタリですよね。
1988年生まれで30代半ばであるチョン・ヘインですが、前髪をおろした素朴な雰囲気の高校生姿も違和感ゼロ。逆に髪をかき上げお洒落なスーツを着こなす姿は大人の男性の色気がムンムンです!
久しぶりに再会したソンニュが、子どもの頃と変わらない接し方をしてくることで、ずっと秘めていた想いを掻き乱されていくスンヒョ。心情の変化を、丁寧に愛らしく、そして男らしく演じています。
ソンニュを演じたチョン・ソミンは『空から降る一億の星』や『還魂』などに出演。明るく溌溂とした役が似合います。
ソンニュは勝気で暴力的(!?)で自由奔放ですが、何に対しても一生懸命なエネルギッシュな女の子。アメリカに留学し世界的大企業で活躍しますが、そこで人生最大のピンチに直面していたのです…。
いつも全力で前だけを見ていたソンニュには「人生の再起動」が必要でした。普段はアグレッシブで強気でも、その裏に繊細で儚い部分を隠しているソンニュ。難しいキャラクターを、チョン・ソミンが愛嬌いっぱいに演じました。
見どころ2:「幼馴染っていいなぁ〜」家族同然の関係に心が温まる!
たくさんの思い出を共有し、昔からの自分を知ってくれている人が傍にいるというのは、とても心強いものですよね。
気を遣った会話は必要なく、冗談を言い合って痴話喧嘩になってもすぐに元に戻れる。そんなソンニュとスンヒョの関係が羨ましくなります。
2人のもう1人の幼馴染として登場するのはチョン・モウム(キム・ジウン)。ヒーローに憧れて救急隊員になった、ちょっと変わり者だけど正義感が強くかっこいい女性。
ソンニュとスンヒョのことを知り尽くしていて、すぐ揉める2人の間で特に仲裁するでもなく、ちょうどいい距離感と温度感を保つバランサーのような存在です。
良いことがあっても、悪いことがあっても、何もなくても、電話一本ですぐに集まる3人。そんな3人の関係性ややり取りを見ていて「幼馴染っていいな〜、幼馴染ほしいな〜」と思ってしまいました!
見どころ3:安心感がすごい両親キャスト陣!子を想う親の心情&母たちの友情も胸熱!
ソンニュの母ミスク役には『麗〜花萌える8人の皇子たち〜』『赤い袖先』のパク・ジヨン。
家事・育児を完璧にこなしてきた生活力の高いお母さん。怒りが爆発するとドラムを叩く癖があります。軽食店を経営するソンニュの父グンシクには、『ヴィンチェンツォ』『智異山〜君へのシグナル〜』『財閥家の末息子~Reborn Rich~』などで知られるチョ・ハンチョル。
スンヒョの母へスク役には『空から降る一億の星』『サイコだけど大丈夫』のチャン・ヨンナム。英語もフランス語も堪能で、バリバリ働く外交官。仕事が忙しく、親友であり隣に住むミスクにスンヒョの世話を頼んでいました。
救急医教授であるスンヒョの父ギョンジョン役にはイ・スンジュン。『力の強い女カン・ナムスン』『無人島のディーバ』などに出演しています。
熟年夫婦ならではの問題や、子どもを心配する親の心情、そして年齢を重ねても変わらない母たちの友情など、親世代のリアルなヒューマンストーリーを展開!韓ドラを支える錚々たる俳優たちが、ストーリーに奥行きを出しています。
筆者の感想:「自分らしく生きよう」胸キュンストーリーの裏に隠されたメッセージ!
一昔前までは「どんなに辛いことがあっても挫けずに前に突き進むヒロイン」が主流で、起き上がり小法師のような逞しいに姿に勇気をもらってきました。
しかし近年のドラマの傾向としては、ヒロインだって挫けることがあり、「辛い時は休んでいいんだよ」というメッセージが込められた共感性の高いものが増えてきています。
本作も後者のメッセージが強く込められていて、現代社会で生きていく厳しさも表現されています。しかしその一方で、生き方も働き方も多様化した現代だからこそ、たくさんの選択肢の中から自由に自分らしい生き方を選べること。どこにでも可能性が転がっていること。そんな前向きなメッセージも感じられ、見終わった時にはすごく安心した気持ちになり励まされました。
ずっと幼馴染だった2人が恋仲になるのは容易ではありません!その過程がとにかく胸キュンで、多分ニヤニヤしながら見ていたと思います(笑)。
いつもソンニュにヘッドロックされ絡まれるスンヒョが急に男らしくなったりするので、そのギャップには何度も引きずり込まれました。
そして彼らを取り巻く家族や友人たちの深い愛に涙し、とてもハッピーな気持ちで楽しめる作品でした。
『となりのMr.パーフェクト』は2025年5月現在、Netflixにて視聴可能です。
■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間50作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。