イ・ジェウク主演『還魂』

【韓国ドラマ】イ・ジェウク主演『還魂』運命に抗う若き術士たちの成長を描いた壮大なアクションロマンスファンタジーを韓ドラマニアが徹底解説!

2024/11/07

2022年6月にNetflixで配信され、その斬新な世界観と壮大なアクションで瞬く間に話題作となった韓国ドラマ『還魂』。同年12月にはシーズン2『還魂:光と影』が配信され、シーズン1ファンはその展開に度肝を抜かれてしまいました!

2シーズンを通して主演を務めたイ・ジェウクは本作の大ヒットを経て、俳優デビューからわずか4年ながら世界から注目を集める韓流スターとなっています。

それでは『還魂』について、韓ドラマニアで韓ドラライターのJUMIJUMIさんに、詳しく解説してもらいましょう!

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韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間50作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極...

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あらすじ:盲目の少女の体に「還魂」してしまった天下一の殺し屋が、不良坊ちゃんの師匠に!?

舞台は大湖国(デホ国)。敬天大湖を中心にした歴史にも地図にも存在しないこの国では「水の気」を操る術士たちが日々鍛錬を重ねながら国を守っています。

天下一の殺し屋ナクス(コ・ユンジョン)は、大湖国の術士たちとの激しい争いの中で追い込まれ、最後の手段として魂を入れ換える「還魂術」を使いますが失敗…。盲目で病弱なムドク(チョン・ソミン)の体に入ってしまい、本来なら消えるはずのない水の気の能力も失ってしまいます。

幸い目は見えるようになっていたナクスは、能力が戻るまでムドクとして過ごすことに。偶然出会った大湖国4大名家の1つであるチャン一族のお坊ちゃんチャン・ウク(イ・ジェウク)の使用人として働くことになります。

出生に秘密があるウクは、生まれたばかりの時に父親に気門を塞がれており、病気にも弱く術を習得することもできません。わがままで怠け者で「何もできないお坊ちゃん」として知られています。

しかしウクがムドクをそばに置いたのには理由がありました。ウクはムドクの体の中に還魂したナクスがいると気付いていたのです。

ナクスこそが自分の塞がれた気門を開いてくれる師匠だと確信したウクは弟子入りを志願。普段はお坊ちゃんと使用人でありながら秘密の師弟関係となった2人は、運命に抗う修行を始めます!

還魂術とはどんな術?

ここで、本作の理解をもっと深めるために「還魂術」について説明しておきます!

「還魂術」とは人と人の魂を入れ換える術で、還魂術を使えるのは水気の術を極めた限られた術士だけです。還魂した人のことを「還魂人」といい、還魂人になると心臓の上の位置に青いアザのようなものができます。

しかしこの還魂術は禁術!

還魂人はその魂と体が合わないと暴走し、生きている人間の水気を吸い取る怪物と化してしまいます。水気を奪われた人間は石のように干からびて死んでしまうのです。

そして魂を入れ換えられるとなれば、年老いた者は若い体を、醜い者は美しい体を求めることでしょう。体を入れ換えながら永遠に生きていくこともできてしまいます。そうした人間の欲望はいずれ大きな争いを招きます。

このようなことから還魂術は禁止されているのですが、還魂を繰り返し永遠の力を得ようとする何者かにより密かに続けられていて、暴走した還魂人が現れる騒ぎが後を絶ちません。大湖国の術士たちは還魂人を捕まえ、その根源を断つために日々の鍛錬を積んでいるのです。

見どころ:師弟愛という究極のロマンス!見たことのない世界という究極のファンタジー!

見どころ1:ウク&ムドクの秘密いっぱいの師弟愛にムズキュン!

ウクはムドクの中にナクスがいることを秘密にする代わりに、自分の塞がれた気門を開き術を教えてほしいと頼みます。そうして普段はわがままお坊ちゃんウクとその使用人ムドクとして、裏では弟子ウクと師匠ムドクとして過ごす生活が始まります。

ムドクは大胆かつ破天荒なやり方でウクに修行をさせます。そのせいでウクだけではなく、時にはムドク自身も一緒に命の危機に陥ることも!

そして本来なら師匠が絶対的な力を持ち、弟子は黙ってそれに従うものですが、そこは筋金入りのわがままお坊ちゃんウク!師匠に対しても当たり前にタメ口を使い、文句もタラタラ…。痴話喧嘩や小競り合いも日常茶飯事です。
そんなちょっと変わった師弟関係ですが、共に修行を重ねていくうちに、お互いを心から信じ命懸けで守ろうとする運命共同体となっていきます。

弟子であるウクが成長していく姿に、何よりも喜びを感じるムドク。どんなに困難な状況でも、師匠ムドクの期待に応えようと奮闘するウク。

そんな2人の師弟愛は、一般的な男女の愛を超えた「究極の愛の形」のようにも感じられました。そしてその師弟愛は、最終的にはどこに行き着くのでしょうか…!?

師弟らしからぬ軽快なやりとりと深まっていく絆に笑って泣いて、ムズムズキュンキュンが止まりません!

見どころ2:大注目の豪華な若手キャストが演じる愛すべきキャラクターたち!

大湖国には「天下四季」と呼ばれる、誰もが憧れる名家の後継者4人がいます。

大湖国の神秘的な物や妖力のある物を保管している鎮妖院(チンヨウォン)の次女チン・チョヨン。春の花吹雪のように優雅で美しく母系継承の特殊な力を持つ、ちょっとわがままなセレブお嬢様です。女性アイドルグループOH MY GIRLのメンバー、アリンが演じています。

大湖国最大の企業(財閥グループのようなもの)である松林(ソンニム)の後継者パク・ダングは、夏のような明るいエネルギーに溢れたムードメーカー的存在。演じるのはNetflixで配信中の『悪霊狩猟団:カウンターズ』『今、私たちの学校は…』『良くも、悪くも、だって母親』など話題作への出演が続く注目俳優ユ・インスです。

術士名門家のうちでも最高峰!王族とも血縁のあるソ氏一族の天才貴公子ソ・ユルは、黄金に輝く秋の空のような高貴さを放ちます。ルックス・人柄・武術・勉学など全てにおいてパーフェクト!演じるのは男性アイドルグループNU'ESTやWanna Oneで活動していたファン・ミニョンです。

そして冬の雪のように眩しく輝くのがチャン・ウク。幼馴染のように育ってきた4人の友情や関係性も見どころです。

その他に大湖国の世子(国王の子・王位継承者)でウクの人生に大きく影響を及ぼすコ・ウォンを演じるのは、モデル出身俳優で『恋するアプリLove Alarm』『D.P.-脱走兵追跡官-』などに出演するシン・スンホです。

勢いのある若手俳優たちの新鮮で生き生きとした演技や、エネルギーに溢れるアクションは、本作の見どころとして外すことができません!

見どころ3:架空の時代・架空の世界!見たことのない世界観に没入できる!

還魂OST (Alchemy of Souls)(韓国盤)

本作は史実に基づいた時代劇ではありません。舞台となっている大湖国は歴史にも地図にも記されていない架空の時代の架空の世界です。

そのため登場人物たちが着ている韓服の色やデザインも目新しいものが多く、その美しさに目を奪われます。ダングは金髪でたくさんのピアスを着けていたり、チョヨンのメイクも独特です。

松林の中にある術士の教育機関である精進閣や王室内も、どこか不思議な雰囲気を醸し出しています。町の中心を流れる運河も韓国の作品では珍しい風景だと思います。

そして水気を操る術士たちが技を繰り出すシーンや、還魂術のシーン、様々な妖気が現れるシーンなど、映画のような大迫力で描かれるアクションシーンも必見!莫大な時間や費用、そして強いこだわりを持って制作されているのが伝わってきます。

音楽も古典的なものが使われておらず、世界観と相まって非常にスタイリッシュです。

ぜひこれまでご覧になってきた時代劇とは切り離して、「見たことのない新しい世界」を楽しんでいただきたいです!

シーズン2『還魂:光と影』もお見逃しなく!

衝撃的な終わり方をするシーズン1…。そこから3年後が描かれているのがシーズン2となる『還魂:光と影』です。3年が経ち「天下四季」4人の立場もそれぞれ変わりますが、抗うべき運命はまだ終わっていません。

シーズン1ではわがままで無邪気なお坊ちゃんだったウクも、シーズン2では苦悩を抱えた哀愁漂う大人の男に!イ・ジェウクの相反する魅力を楽しめると思います!彼らが辿り着く結末を見届けましょう。

筆者の感想:予想を超えたファンタジーレベル!2周3周したくなる、後引く作品でした!

韓ドラファンの間では、本作の感想は賛否両論が大きく分かれていました。あまり楽しめなかったという意見の方に多かったのは、「現実から大きくかけ離れた世界観やアクションについていけなかった」というものでした。

確かに筆者も、予想以上のファンタジー感の強さに「思っていたのと違った!」と驚きました。

まずは本作がファンタジーアクションであることを念頭に置き、韓国ドラマというより『ハリーポッター』を見るような感覚で入ることをおすすめしたいと思います。実際、ファンタジーアクションとしての壮大さやクオリティの高さは、SFアクション超大作の映画にも引けを取らないものになっていると思います。

壮大なファンタジーアクションの中でも、登場人物1人1人の感情の移り変わりがとても丁寧に描かれています。メインキャストを務める若手俳優たちのエネルギーに元気をもらいつつ、「若手」と表現するのが気が引けるほどの演技力に頷かされるばかりでした。そこは「さすが韓国ドラマ」です。

度肝を抜くCGアクションのインパクトに負けない見応えのある俳優たちの演技力を、筆者は讃えたいと思います。

また大湖国という世界や還魂術について、登場する機関や役職についてなど、一度で全てを理解するのは難しいかもしれません。登場人物たちのセリフも独特な言い回しが多い印象でした。

筆者も一度では足りず両シーズン共に2回視聴しましたが、やはり理解度の上がっている2回目の方がより面白く感じ、「この言葉の意味はこういうことだったのか」という気付きもたくさんありました。2回見終わった今は「もっと知りたい」という欲が出て、3回目を見始めようかと悩んでいるところです…!

知れば知るほど、分かれば分かるほど、また見たくなってしまう!そんな後引く作品でした。

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