2025年5月24日からNetflixで配信がスタートしたドラマ『未知のソウル』。
「彼女の出演作にハズレなし!」国民的人気を誇るパク・ボヨンが双子の姉妹を1人2役で演じ、さらに30代に入り大人の魅力急増中のパク・ジニョンと共演!見逃し厳禁の話題作です。
顔以外は正反対の双子の姉妹が人生を交換するという、設定を聞いただけでも興味を惹かれる本作。あらすじや見どころを韓ドラマニアで韓ドラライターのJUMIJUMIさんに徹底解説してもらいましょう!

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あらすじ:顔以外は正反対の双子姉妹ミジとミレ。大きな危機に直面し人生を交換することに…
田舎町で生まれ育った双子のミジとミレ(パク・ボヨンによる1人2役)は、実の母親ですら見分けがつかないほど瓜二つですが、性格や生き方は正反対。
明るく社交的な妹ミジは実家で母親と暮らしながら、入院中の祖母を献身的に介護しています。高校時代には陸上短距離の天才少女として脚光を浴びていましたが、怪我で断念。それ以来、新たな夢を持てないまま日雇い労働をしています。
内省的な姉ミレは、感情や弱さを見せない完璧主義。幼い頃から優秀で、母親の期待を一身に受けてきました。ソウルで一人暮らしをしながら金融公企業に勤務。祖母の入院費を毎月送り、家族の生活を支えています。
ある日ミレに会いに行ったミジは、ミレが職場で問題を抱え、精神的な限界を迎えていることに気付きます。見兼ねたミジは「人生を交換しよう」と提案し…。
互いの人生を生きることになった双子の姉妹。それぞれが直面していた過酷な状況や葛藤、今まで知らなかった本当の想いを知ることになり、何かが少しずつ変わっていき…。
『未知のソウル』見どころは?
見どころ1:双子姉妹を1人2役で演じ分けたパク・ボヨン。さすがです!!
ミジは明るく自由奔放ですが、怪我による挫折を経験して大きな壁にぶつかりました。母親は優秀なミレばかりに期待し、自分は愛されていないような劣等感も抱えています。
ミレは先天性の心臓病で幼少期のほとんどを病院で過ごし、「我慢と忍耐」が身に染み付いています。母親の期待というプレッシャーを抱え続け、辛いことからも逃げられずにいました。
本作の見どころは、なんと言ってもパク・ボヨンの1人2役。ミジとミレは表情や話し方はもちろん、笑い方、目の動き、声のトーンまで異なり全くの別人に見えます。
双子だけど全く違う性格で、全く違う生き方をしてきた2人。その背景までしっかりと反映された演じ分けには「さすが」の一言しか出ませんでした。
さらに言ってしまえば「ミレに扮するミジ」と「ミジに扮するミレ」まで演じ分けているので、パク・ボヨンの頭の中は一体どうなっていたのか…不思議でなりません!(笑)
人生を交換したことで起こる2人の心情の変化にも注目しながら、パク・ボヨンの圧巻の演技力を堪能してください。
見どころ2:再会を機に動き出す初恋。拗れ絡まった縁を解くことはできるのか…
ソウルで弁護士をしている同級生のイ・ホス(パク・ジニョン)は、ミジにとっては忘れられない初恋相手です。
しかし、その想いを伝えられたことはありません。ミジはそんなホスに「ミレ」として再会してしまいます。
ミレが社内の問題で悩んでいることを知っていたホスは、助けになろうと手を差し伸べ、ミレに扮するミジはホスと頻繁に会うようになり…。
高校時代と現在を行き来しながら紐解かれていく3人の関係性。それがこの先どのように進展していくのか、というのが大きな見どころです!
大人の余裕が漂う、正義感に溢れる大手法律事務所のエース弁護士。しかしその水面下では過去の大きなトラウマを抱え、「普通」でいるために必死にもがいているホス。
そんな難しい役柄を独特の優しい空気感で繊細に演じたパク・ジニョン。愛さずにはいられないキャラクターでした。
パク・ボヨンとの「未知のケミ」にも大いに期待してください!
見どころ3:近くにいるからこそ疎かになってしまう家族。崩れかけたその関係は…
本作でもう1つ大きなテーマになっているのが家族の愛と再生。
性格が正反対なあまりお互いを羨むことが多かったミジとミレは、そもそもすごく仲のいい姉妹ではありません。
幼い頃に大好きな父親が亡くなり、父親への恋しさを抱えて生きた2人。母親オッキは必死に2人を育ててきましたが、愛情を表現するタイプではなく、ミジとミレはそれぞれ母親に対する複雑な感情を抱えています…。
ホスも事故で父親を亡くし、家族は母親ブノンだけ。心優しい息子と、息子のことが誇らしい母親。一見すると完璧な親子関係に見えますが、この親子にも複雑な事情が…。
家族だからこそ言葉が足らず、思いやりが足らず、徐々にギクシャクしてしまうもの。そしてそれを後回しにし続けた結果、修復が難しい段階まで来てしまっていることがあります。
ミジとミレが入れ替わり、お互いの立場になって初めて知る想い。それを糸口に、崩れかけていた関係にも変化をもたらすことができるでしょうか?
ミジとミレの母親キム・オッキを演じたのは、『となりのMr.パーフェクト』や『サイコだけど大丈夫』などで知られるチャン・ヨンナム。ここ数年は「韓ドラの母」のイメージが定着してきました。
ホスの母親ヨム・ブノンを演じたのは、『愛の不時着』や『トラウマコード』出演の個性派キム・ソニョン。
そしてミジとミレを見分けられる祖母カン・ウォルスンを演じたのは、「韓ドラのおばあちゃん」と言ったらこの人、チャ・ミギョンです。
ベテラン女優たちの真に迫る演技に心を揺さぶられます!
『未知のソウル』筆者の感想:必要なのは他者を理解する優しさと自分を愛すること
田舎と都会、金髪ショートカットと黒髪ロング、ダボっとした派手でラフな服装とピシッとした地味なスーツ。
ハッキリ分かりやすいミジとミレの対比と、パク・ボヨンの高い演技力のおかげで、本当にそこに双子が存在しているように違和感がなく、作品にスッと入り込むことができました。
ミジに扮したミレが働くことになるいちご農場の農場主ハン・セジン役で登場するリュ・ギョンスにも大注目!『梨泰院クラス』で一躍脚光を浴びたのでヤンキーっぽい印象が強いかもしれませんが、本作では品があり温かい癒し系キャラクターを熱演しています。
人生には苦労や困難がつきもので、時には「あの人は人生楽しそうだな」「私がもっと◯◯だったら、もっと違う人生を歩めたかも」なんて考えてしまうこともあるでしょう。
兄弟姉妹など身近な存在は特に比較対象になりやすく、親子関係においてはお互いにどこか期待をしてしまいがちです。
本作を通して見えてくるのは、輝いているように見える人も、自分と同じように苦労や困難を抱えているということ。それを理解できれば誰にでも優しくなれるし、自分のことを愛し大事にすることもできます。
忙しい日々の中で疲れてしまった時、自分を見失いそうになった時、心に余裕がなく自分にも他者にも優しくできない時、きっとこの作品が答えを導き出してくれます。
作中でミジが呪文のように唱える言葉があります。
「昨日は終わり、明日は先、今日はまだ未知だ」
皆さんもこの言葉を胸に、未知(ミジ)な未来(ミレ)に向かって明るく前向きな一歩を踏み出してみませんか?
『未知のソウル』は2025年8月現在、Netflixにて視聴可能です。
■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間50作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。