家庭料理の定番・肉じゃが。冷え込む季節はとくにおいしく感じるので、食卓での登場回数が増えるという人も多いのではないでしょうか。定番料理なのでふだん料理する際にはあまり細かいことを気にしない…ということもあるかもしれませんが、じつはちょっとした「ひと手間」で仕上がりを劇的に変えることができます。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、いつもの肉じゃががワンランクアップする「ひと手間」について教えてもらいます。
「炒める」工程は省かないで!
肉じゃがのつくりかたを見ると、具材をいったん炒めてから煮るようになっているレシピもあれば、炒める工程なしではじめから鍋に調味料や出汁を入れて煮始めるレシピもあります。当然ながら後者のほうが手間は少ないのですが…、できれば「炒める」工程は省かないでほしいのです。
というのも、仕上がりの旨味が全然変わってきます。一度炒めておくと、肉からしみだした旨味成分が野菜にもうつって、全体的に厚みのある味わいに。さらに具材の表面がコーティングされるので、あとで煮るときに煮くずれしにくくなりますし、また香ばしさが加わるいという利点もあります。
そのため、「ひと手間」かけることにはなりますが、やはり炒めてから煮るのがおすすめです。
でも、炒めると味がしみない気がする!?
肉じゃがをつくる際に炒めるメリットはわかったけど、具材の表面が油でコーティングされてしまうと、あとで煮るときに味がしみにくい気がする…という人もいるかもしれません。そんなときは、落としぶたの活用がおすすめ。
煮る工程で落としぶたをしておくと、同じ調味料と時間で煮ても圧倒的に味のしみやすさが違ってきます。さらに、水分が蒸発しにくく料理が焦げにくいという利点もあるので、ぜひ活用してください。もちろん、落としぶたをして、さらに通常の鍋ぶたをしてもOK。
ちなみに自宅に落としぶたがない…という場合は、アルミホイルやクッキングシート(オーブンシート)などで代用できます。その場合は、アルミホイルやクッキングシートの真ん中に小さい穴(1円玉くらいか、もっと小さくても可)をあけて使ってくださいね。
煮始めたら…逆に「手抜き」で
さて、いったん炒めたあと調味料や出汁を加えて煮始めたら、ここからさきは、逆に「手抜き」のほうがおいしく仕上がります。というのも、こまめに具材を混ぜるより、できるだけ「放置」するほうがおすすめなのです。
肉じゃがに入れる野菜は、じゃがいもを中心に煮くずれしやすいものが多く、お玉でグルグル混ぜてしまうと、あっという間にくずれてドロドロになってしまい、せっかくホックリやわらかくなったじゃがいもを味わえなくなってしまいます。
もし、鍋のなかの偏りが気になる場合は、お玉よりも木べらやシリコーンへらを使って、「混ぜる」というより「全体を返す」イメージで上下を入れ替えてあげましょう。
「ひと手間」でワンランク上の肉じゃがをつくろう
定番中の定番料理である肉じゃがですが、ちょっとした手間をかけるかかけないかで、味わいがグンと変わることがあります。今回ご紹介した、まず炒めて→落としぶたをして→放置!という手順のうち、もしひとつでも「ふだんあまりやっていなかった…」という工程があれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部