フェムテックが広まれば、より風通しのよい幸せな社会になる ~連載「はじめよう!フェムテック」vol.9

2022/01/13

2021年10月26日(火)から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』(毎週火耀~木曜 午後7時53分~58分頃)。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」をさまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた3回分の内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

●パーソナリティー
伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。バツイチ29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当する。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第9週。2022年のスタートは、パーソナリティーの二人、伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサーの新春トークです。

【 Talk 1 】
■東島アナ「2022年もスタートしました。今年もフェムテックの考え方を広めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。昨年は大みそかに、『はじめよう!フェムテック』の2時間に渡る特別番組もあって、 伊久美さんにもご出演いただきましたね」

■伊久美「2時間の特番が放送されたって、すごいですよね! 私としてもうれしい年末の締めになりました。昨年の10月末から番組を担当していますが、まだまだ広められてないかなー。でも私の周りでは、フェムテックという言葉や意味を理解している人が少しずつ増えてきた感覚はありますね」

■東島アナ「その“少しずつ”が大事ですよね~」

■伊久美「そうそう、少しずつでも広がっている感覚ってすごく大事!フェムテック・グッズがどんどん商品化されて、女性の日常生活が快適になることは大賛成。でもその先に、‘社会全体で幸せになっていく‘というメッセージがあることを、この番組を通してしっかり伝えていきたいです」

■東島アナ「そのメッセージが正しく伝わるということは大事ですが、まず大前提として言葉の認知度をもっと上げていきたいですね。伊久美さんは、女子高生が“フェムってる”と言うくらい浸透させたいとおっしゃってましたよね」

■伊久美「まさに! JK語になるくらい当たり前になったらいいのですが。東島さんはパソコンの検索でフェと入力するだけで、フェムテックと変換されることが今年の目標だとか(笑)」

■東島アナ「そうなんです(笑)。一歩一歩ですが、広めていきましょうね。そう言えば、昨年は“ユーキャン新語・流行語大賞”に、“フェムテック”がノミネートされました」

■伊久美「今年は、大賞を狙いたいですね~!」

【 伊久美Voice 1 】

“フェムテックで、社会全体がハッピーになる”を、もっと伝えていきたい

毎週、年齢も職業も多種多様な友人たちがゲストで参加してくれて、それぞれのフェムテック概念を語ってくれました。自由度が高い考え方がすごく面白くて、リスナーのかたにもフェムテックを身近に感じていただけたかな、と思っています。これからも引き続きいろいろな友人に参加してもらいます。フェムテックの捉え方はさまざま。共通しているのは、“もっと日常を快適にハッピーにしていくことなんだなぁ”ということを感じていただけたらうれしいです」

【 Talk 2 】
■東島アナ「今夜のテーマは“フェムテックと慎みの考え方”についてです。フェムテックの話題といえば、女性特有の健康課題の解決とその概念に関することが大半を占めるわけですが、例えば、月経の話を職場で大っぴらに話すことに抵抗があるという声もありますよね。伊久美さんはどのようにお考えですか」

■伊久美「理想では、女性は臆せず月経の話をして、職場の男性もそれを理解してくれればいいなぁと思っていますが、現実はまだまだですよね」

■東島アナ「私の場合で考えると、おそらく職場の上長は、相談したらきっと受け止めてくださると思うんですが、その前段階で、私自身がなかなか言い出せない。それと、女性特有の症状というのは、大丈夫なときとつらいときの波があって、どのタイミングで言い出すかなども考えてしまいますね」

■伊久美「自分自身が“他の人は頑張っているのに”とか“私、情けないなぁ”とか、そういう気持ちにもなりますね。ただ、慎みや謙虚さは大事ですが、そこから自分の殻を破って一歩踏み出さないと、現状は変わらないでしょうね~。私の職場ベネッセは、比較的福利厚生もしっかりしていて女性社員に対して理解がある会社だと思いますが、実際に女性社員にアンケートをとってみたら、意外といろいろな不満が出てくるかもしれないです」

■東島アナ「思い切って言い出すことで、企業職場内の風通しも少しずつよくなっていくんですよね。より実践に向かっていくために、この番組がきっかけになるとうれしいです」

【 伊久美Voice 2 】

勇気をもって、女性特有の不調を男性上司に伝えてみよう

女性同士でさえも、なかなか気づいてあげられない月経や更年期の不調。男性は体の構造も違うので、女性の体調の変化に気づくのはなおさら難しい。長年、慎みが美徳とされてきた日本では、女性の体の不調についてはなかなか言い出しにくいかもしれないですが、ここは一歩踏み出して伝えてみよう。そのことが職場内、さらに社会全体の風通しのよさにつながっていくはずですから。

【 Talk 3 】
■東島アナ「今夜は“健康問題に対する女性同士のトラブル”をテーマにお話ししたいと思います。先日、男性の上司に、女性特有の不調を伝えにくいという話がテーマになりましたが、女性同士でも伝えにくいということがありますよね。女性特有の不調に対する感じ方に、個人や世代間のギャップがあるからかもしれません。“それくらいのことは我慢しなさい”とか“私の若い頃にはねぇ”など、たとえ言葉に出されなくても、相手がそう考えていることが、ありありと伝わってくる場合も……」

■伊久美「ジェネレーションギャップはあるかもしれないですね。私は年長者の立場ですが、正直に言うと、若い人たちに“もっと頑張れるよね?”と思ってしまったことは確かにあります。でも、ある時から、そういう考え方や態度を改めました。よく考えれば若い人の声を軽視しているようで失礼だなぁと。言い出すことのできる人が実はうらやましくて、いじけているみたいで格好悪いなぁ~と思ったんです。だから、相手をリスペクトして、まずは話を聞いて理解したいなぁと」

■東島アナ「それって理想的な関係ですね! 世代によって体の不調に対する対処の仕方や、仕事をスムーズに進めるプランにも違いがあると思うんです」

■伊久美「多分、上司も、自分が経験したことをもとに、若い人にアドバイスしてあげたい、という親切心からだと思います。ただ、その表現の仕方がうまく若い人に伝わらない場合は、二人の周りにいる、いろんな世代の人がフォローしてあげることも必要だと思います」

【 伊久美Voice 3 】

同性に不調を伝える場合は、お互いに敬意を忘れずに

女性同士で不調を共有するときは、“私なら我慢する”など、自分と比較せずに相手の話を聞く姿勢が大切。一人一人、生活環境や感じ方、年齢も違うのだから。お互いに敬意をもって相談しているつもりでも、なかなか理解し合えない場合は、当事者だけの問題にせず、周りにいる人に相談してみるのもいいと思います。

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!」

●次週のゲストは、ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社 APACマーケティング本部長 猪股可奈子さんです。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・火曜日~木曜日の19時53分~5分番組です。火曜日:ニッポン放送をキーステーションに、全国19局ネット、水曜日・木曜日:ニッポン放送をキーステーションに全国27局ネット、で放送中。聴き逃したかたは、お住まいのエリアのradikoでもお聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀

 
 

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