石田議員が語る女性の人生設計と子育てのカタチ~連載「はじめよう!フェムテック」

2022/05/01

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

●パーソナリティー

伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

●ゲスト

石田昌宏 Masahiro Ishida
自由民主党所属の参議院議員。奈良県大和郡山市生まれ、兵庫県西宮市出身。今年55歳。東京大学医学部保健学科卒業後、保健師・看護師として、聖路加国際病院、東京武蔵野病院に勤務。衆議院議員秘書を経て、1998年から社団法人日本看護協会政策企画室長、2002年から日本看護連盟にて常任幹事や幹事長を務める。2013年参議院選挙比例代表(全国区)にて初当選。厚生労働委員会委員長、党女性活躍推進本部事務局次長などを歴任。
http://www.masahiro-ishida.com/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第2フェーズ。ゲストは、先週に続き、自由民主党・参議院議員 石田昌宏議員です。「長年、看護師として現場で働かれていたご経験があるせいか、おっしゃることが現実的で説得力があります。いろいろとお話しができて、私たちが望む幸せな社会、フェムテックの実現に繋がるという希望がもてました」(伊久美)

今後ますます、働く女性にとってさまざまな選択肢が必要な時代へ

■東島アナ「前回に続き、自民党・参議院議員の石田昌宏さんにお話を伺っていきます。今回のテーマは、働く女性の人生設計における子育てについてです。まず、“出産するタイミングをいつにするか”という問題があります。キャリアアップのことを考えると迷いますよね」

■石田「そう思います。本質的に仕事をしながら子育てをするのはかなり大変なことなので、なかなかその負担を完全に解消することは難しいですよね」

■伊久美「何かアイデアをお持ちでしょうか」

■石田「最近、よく考えていることがあるのですが、これから出産しようとしている10代・20代の女性たちの寿命を考えると、おそらく2人に1人は100歳近くまで生きることになります。もし、彼女たちの人生設計で考えるなら、80歳くらいまで仕事をしているはずなのです。そうすると、相当長い間働くことになると思います。長く仕事をする人生ならば、“20代前半で大学を卒業し、その後はずっと社会人”という考え方を変えていかないと難しいですよね。例えば、高校を卒業後就職し、結婚を機に仕事を辞め、子育てがある程度一段落したら大学へ行くなど、いろんな選択肢があり、柔軟な考え方があってもよいのではないかと思うのです」

■伊久美「つい“仕事と育児を両立させよう”と考えがちですが、これだけ時代も変化しているのだから、人生設計と仕組みを変えていくべきですよね」

■石田「法律もそうなのですが、社会の在り方を変えていくべきだと思います。例えば、最近の看護学校には、“将来長く働くことになるから、手に職をつけたい”という思いをもって、子育て中のかたやシングルマザーが通学されています。それによって学校の中に保育機関ができるんです」

■東島アナ「そうなんですか! 一歩進んでいて、素晴らしいですね」

親以外の多くの人も子育てに参加する、喜びに満ちた社会を実現したい

■東島アナ「石田議員は、子どもを育てるのに適した環境については、どのようにお考えですか」

■石田「親だけでなく、多くのかたが子育てに関わることが大切だと思います。子どもにとっても、将来社会に出れば、いろんな人と接するわけですから、幼い頃から、さまざまなかたに囲まれて育つのが望ましいですよね。おじいちゃん、おばあちゃん、そして地域の人たちなどによる、もっと積極的な子育てが増えたらいいなぁと思います」

■伊久美「本当ですよね。私が関わっている『たまごクラブ』『ひよこクラブ』という雑誌では、数年前から“チーム育児”を提唱していて、パパやママはもちろん、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてお子さんがいないご近所のかたも、地域でチームとなって子育てをしていくという、まさに今、石田さんがおっしゃったことなのです。この考えはだいぶ浸透してきたのですが、実現となるとまだ課題があるなぁと感じています」

■石田「ちょっと昔のことになりますが、うちの子は自宅分娩でした。分娩が終わった後に、近所のかたがたが自宅に来てくださって。その経験があるせいなのか、子どもはちょっと大きくなって歩けるようになると、隣の家でご飯を食べたり、お風呂に入ってきたりして(笑)。近所のかたも、子どもが生まれた瞬間を見ていると、自分の子どものように思っていただけるようです。自然に地域が子どもを育ててくれるということは、こういう幸せな空気のことなんだなぁと思いました」

■伊久美「そういうハッピーな子育て環境、いいですよね。石田議員は今の社会で、どのような子育てが望ましいと思われますか」

■石田「一つに絞るのではなく、いろいろな子育てがあっていいと思います。先ほどお話した、家庭だけではなく、地域で子育てに参加するというのもありますし、もっと養子縁組などが、増えてもいいのではないかという議論も、国会の中で出ています。人間は、必ずしもDNAが繋がっていなくても、家族として接することはできると思うので」

■東島アナ「国会の中でというお話になりましたが、石田議員は、女性に手を差し伸べるようないろいろな取り組みについても考えていらっしゃるそうですね」

■石田「はい、今国会で、なんとか成立させたいと思う法律がありまして、それは、困難な情況にある女性にもっと支援をしたいということなのです。具体的にお伝えすると、幼い頃から親に虐待されてきて、大人の顔を見るだけで怖いと感じているという少女たちがいます。なんとか家から逃げてきた子どもたちに対して、婦人保護施設で保護するのですが、その根拠となる法律が、売春防止法なのです。売春をしかねない女の子たちを補導して更生するという法律の建付けがまだ残っていて、これはおかしいと思うのです。だから、施設の名前も“女性自立支援施設”と変更して、本当に困っている女性たちに、きちんとした支援をしていきたいと思っています」

■東島アナ「このことは別の分野のお話のようですが、広い意味で女性の幸せな社会生活を考えるという意味では、フェムテックですよね。このような取り組みが、今後どうなっていくのか、番組でも引き続きご紹介させていただこうと思います」

■伊久美「今回も石田議員から、たくさんのヒントをいただきましたが、今後もフェムテックに関するさまざまな課題や疑問について、ご相談させていただいてもよろしいですか」

■石田「はい、一緒に頑張りましょう!」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回のゲストは、森永乳業株式会社の古田雄一郎さんです。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki

 
 

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