「事実」と「直感」で子どもに「気づき」を与える方法
2022/02/20
子どもとのコミュニケーションでは、聴くことだけではなく「伝えること」も必要です。
子どもに気づきを与える「メッセージの発信方法」について、子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザーの山名美穂さんに教えてもらいました。
見たままの事実を伝える
子どもは目の前のことや、自分に夢中になることが少なくありません。そういうとき、親から見た事実を伝えると、子どもの中に客観的な視点が生まれます。
例:
■友だちに「どいて!」って言ったよね。友だちが悲しそうに見えたよ
■カバンが床に置いてあるね
自分の言動が周囲に与えている影響に気づき、考え、行動するきっかけになります。
見たままの事実を伝え、自己肯定感を上げる
上では好ましくない状況を例に挙げましたが、見たままの事実を伝えて褒めたり、自己肯定感を上げることも可能です。
例:
■学校の用意が早くできるようになったね
■最近は、笑っていることが多いね
自分の成長や変化には、なかなか気づけないものです。親から伝えることで「自分は前に進んでいる」と知り、喜びや嬉しい気づきに繋がるでしょう。
これ、実はとても簡単なこと。「大きくなったね」とか言うだけで、子どもは結構喜んでくれたりします。
「直観」で感じたことを伝える方法もある
「親の勘」ってありますよね。話していて直観的に「ん?」と思うことがあれば、そのまま伝えるのもアリです。本人が気づいていない本音を引き出せることがあります。
コツは感じたその場で伝えることと、「思ったことがあるんだけど、伝えてもいい?」と子どもに許可を得てから言うことです。
例:中学受験をしたいと言う子どもに
親「ふと感じたんだけど、言ってもいい?」
子「うん」
親「話を聴いていて、本当に受験をしたいのかなって、思ったの」
子「……実は、仲のいい友だちがみんな受験するって言ってて……」
直観はマインドリーディングではありません。例えご自身の直観に確信があっても、決めつけや押しつけにはならないようにはしてください。
例:
×「絶対そんなこと思ってないよね」
×「それはウソ。お母さんには分かる」
子どもに「気づき」を与えるメッセージを伝える
これまで、わたしが書く記事の中では「子どもの話を聴いてください」「質問してください」とお伝えしてきました。
そして今回ご覧いただいたのは、こちらから発信して子どもの考えを促す方法です。見たままの事実を伝える、直観を伝える……。側にいるお母さまだからこそ、自然とできること。
聴くだけじゃない、伝えるスキルも使って、子どもに新しい視点と気づきをプレゼントしてあげてください。
■執筆/山名美穂…子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。子育てを楽にするメソッドを発信している。
編集/サンキュ!編集部
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