【デッデー・ポッポー】よく聞くハトの鳴き声にはじつはちゃんと意味があった!?
2023/02/14
公園や木の上などでよく見かける鳥といえば鳩ですが、鳩にはたくさんの種類がいて鳴き声にも微妙に違いがあります。ただただ「ポッポー」と鳴いているだけに聞こえる鳩の鳴き声にもしっかり意味があり、意味を理解していることで鳩の行動を読み取ることができるのだとか。
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鳩の種類と鳴き声の特徴
まずは、鳩の鳴き声の特徴と種類について紹介します。
ドバト
よく公園で見かける鳩はドバト(カワラバト)といいます。鳴き声は「クックー、クックー」「ゴロッポ、ゴロッポ」などで、羽色が灰色のほかに緑や赤が混じったものもいて、首元がギラギラしているように見えるものもいるなど多彩です。基本的には草食性ですが、人の食べ物を食べるなど、雑食に近い食性を見せるものもいます。
また、ドバトはもともと海が迫った断崖絶壁の割れ目など、高い場所に巣をつくる習性があるようです。そのため、人里で繁殖した後もマンションなどの高層の建物や、観光ビルなどの商業施設にも巣をつくり糞害が問題視されているという側面も報告されています。鳩の糞尿は金属を腐食させる性質があり、それが建造物の汚染に繋がる例も報告されていました。また、人による餌付けも問題になっていて、人が餌付けすることによって鳩がその場所に巣をつくり、結果糞害に悩まされるということもあるのです。
キジバト
早朝に「デッデー・ポッポー」という鳥の鳴き声を聞いたことはないでしょうか?あの鳴き声の正体はキジバトと呼ばれる鳩です。キジバトは日本では非常にポピュラーで、日本各地に生息していますが世界的には限られた地域にしか生息していない貴重な鳥になります。
キジバトには北海道から九州まで生息しているキジバトと、奄美群島や沖縄に生息するリュウキュウキジバトがいます。どちらも生態はほぼ同じですが、リュウキュウキジバトのほうが若干色が濃いという特徴があるのです。キジバトはキジの雌によく似た羽色をしているため、それが名前の由来になったといわれています。ドバトとの違いは、ドバトは公園などで群れている姿が一般的なように集団行動をする鳩ですが、キジバトは単独またはつがいでの行動をするとされており、また、警戒心もドバトより高いといわれています。
シラコバト
シラコバトは「シラバト」「ノバト」とも呼ばれる鳩で、キジバトの仲間ですがキジバトよりやや小型で細い体型をしています。首には白い横線があり、日本ではおもに埼玉県東部を中心に生息しています。昭和31年に国の天然記念物に指定され、昭和40年には埼玉県によって「県民の鳥」に指定されました。
鳴き声は「クッ、クー、ク」といったもので、飛ぶ際には「ウーッ」という声を出すこともあります。日本以外にもヨーロッパ全体から北米へ分布しているといわれています。樹木の上に巣をつくり、卵を産むようです。
アオバト
北海道から九州までの広葉樹林に生息している鳩で、あまり見かけることがない珍しい種類です。ほぼ全身が黄緑色のため鳩らしくない見た目をしています。なので、一目見ただけでは鳩の仲間と判断するのは珍しいかもしれません。
鳴き声も「アオーアオー」という大きいけれど変わった声で鳴きます。また、海水や温泉水などの塩分を含んだ水を飲むという特徴を持つ、世界的にも稀な鳥です。なぜそのようなことをするのかという生態もいまだ多くは謎に包まれていて、非常にミステリアスです。
キンバト
宮古島より南の南西諸島に生息している鳩で、ほかの地域で見られることはほとんどありません。鳴き声は「ホッコロロ」といったとても特徴的なもので、ほかにも「ウーウーウー」と繰り返し鳴くことがあります。樹木の上に枯れ枝などを組み合わせた皿状の巣をつくります。
カラスバト
全身が真っ黒のカラスのような鳩です。首の回りは鳩の仲間らしく緑色に光る部分があります。体は大きいですが頭は小さく、尾が長いです。「ウッウー、ウッウー」と野太い声で鳴き、八丈島では天然記念物に指定されています。
鳩の鳴き声の意味は
鳩の鳴き声の中でも、キジバトの「デッデー・ポッポー」という鳴き声は雌に求愛をしたり縄張りを主張するための鳴き声だといわれています。「でも、この鳴き声はよく聞こえてくるけど、鳩にも繁殖期があるんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、鳩は基本的に年中繁殖が可能です。なので、季節を問わずあの「デッデー・ポッポー」という鳴き声が聞こえる方もいるでしょう。
また、鳩は一定の場所への執着心が非常に強いです。一度巣をつくるとただ追い払ったりするだけではでていかず、すぐに戻ってきてしまいます。縄張りと認識した場所を荒らされるのも嫌い、威嚇をする際には「カッカッカッ」「クックッ」と鳴いたり、頭を振ったりなどの動作を取ります。
リズム感抜群の鳩の鳴き声
鳩の鳴き声の中でも、キジバトの「デッデー・ポッポー」という鳴き声はリズムが特徴的です。あの鳴き声は8分の9拍子、付点4分音符というテンポを取って鳴いています。また、「鳩」という童謡が日本にはありますが、あのように「ぽっぽっぽっ」とリズムよく鳴くのはドバトとされています。
リズム感が抜群なキジバトですが、同じキジバトでも音痴な個体があるようで、リズムはとれているのに音程があっていないキジバトもいるそうです。キジバトは先述したように単独行動をする鳩のため、同じ種類を見つけやすくするためや、リズムをうまくとって鳴いて求愛をするためにこのように鳴いているのではないかといわれています。
まとめ
じつは意外と種類が多く、また鳴き声にも違いがある鳩。そんな鳩をかわいらしいと感じる人もいるかもしれませんが、早朝の鳴き声に悩まされている人も少なくないでしょう。
野生動物を保護する「鳥獣保護管理法」という法律によって、野鳥への攻撃が規制されているため、鳩をはじめとした野鳥は、捕まえたり傷つけたりすることができません。この法律の保護下にある動物は、たとえ直接でなくとも危害を加えることを許されていないのです。
Amazonを始めとするECサイトを確認すれば、鳩を寄せ付けないためのさまざまなグッズが販売されていますが、より確実に対策したいなら鳩対策のプロに依頼することもひとつの手。鳩の習性を知り尽くした専門家に任せて、万全の対策で鳩を迎え撃ちましょう。