ゴキブリ発生の原因にも!?鳩の「糞害」は深刻な被害をもたらす危険性がアリ
2023/02/18
公園や木の上などでよく見かける鳥といえば鳩。鳩が早朝から鳴いていて「うるさいなあ……」と思わされることがありますが、じつはそれ以外にも人に害を与えることがあるそうです。
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朝は鳩がよく鳴くタイミング?
鳩の鳴き声や鳥の鳴き声は早朝によく響きます。鳩などの鳥の仲間は朝非常に早く起きるため、早朝4時~5時などは特に鳥の声を聴くことが多いのではないでしょうか。しかし、朝以外の日中ももちろん鳩は鳴いています。
では、なぜ朝によく鳴くと感じるのかといえば、朝日中は人間も活動しているので鳩の声が気にならないという点が挙げられます。また、早朝は空気が澄んでいるために鳩の鳴き声が響きやすいという点もあるようです。
騒音以外にもある鳩の害
鳩の鳴き声は、朝に熟睡している人にストレスを与える騒音被害となります。では、鳩の鳴き声が気にならない人にとっては鳩は無害なのかといえば、そうではありません。鳩のもっとも厄介な害は、鳩がそこら中にまき散らす「糞」なのです。
恐るべき鳩の糞害
鳩が落とす大量の糞によって、さまざまな害が発生します。糞は単純に臭くて汚いだけでなく、以下のような二次被害まで発生させる危険さえあるのです。
【1】感染症の原因になる
鳩の糞には多数の病原菌や寄生虫が含まれています。鳩の糞が乾燥して空気中に飛散すると、欠片と一緒に舞った病原菌が口から侵入していき、感染症に罹りかねないのです。中でも「オウム病」は、重症化すると肺炎に似た症状を起こす危険な病のひとつとなっています。
【2】景観が著しく悪化する
鳩の糞が大量に落ちていると、景観が著しく損なわれてしまいます。せっかくきれいにした場所も、鳩の糞まみれになっては台無しです。特に、食品加工工場のような清潔さを重要視する場所が糞害に遭ってしまうと、商品のイメージにさえ傷がついてしまいかねません。
【3】金属を腐食させる
鳩の糞には酸成分が含まれており、もし金属部分に鳩の糞が大量に落ちてしまうと、金属が腐食する原因になりかねません。海外では鳩の糞によって鉄骨が腐食してしまい、その結果橋が崩壊したという大事故さえ発生しているほどです。
【4】害虫を呼び寄せる
害虫の代名詞であるゴキブリは、鳩の糞さえ食べてしまいます。そのため、鳩の糞が大量に落ちているベランダは、ゴキブリにとっては格好の餌場となるのです。外部から餌を求めてやってきたゴキブリが、そのまま屋内に棲みつく危険性も考えられるでしょう。
このように、鳩が糞をすることでさまざまな二次被害が生まれてしまいます。鳩は糞が放置されている場所を安全地帯だと認識する習性もあるため、鳩の糞を見つけたらすぐにでも掃除しておきましょう。
鳩に困ったときの対策方法
鳩の鳴き声は騒音被害、糞害は健康被害などに繋がるため、鳩対策をおこなう必要があります。鳩の駆除をおこなう前に、駆除に関しての注意点を把握しておかなければなりません。ここでは鳩駆除に関する注意点と対策方法について見ていきましょう。
鳩を守る鳥獣保護管理法
野生動物を保護する「鳥獣保護管理法」という法律によって、野鳥への攻撃が規制されているため、鳩をはじめとした野鳥は、捕まえたり傷つけたりすることができません。この法律の保護下にある動物は、たとえ直接でなくとも危害を加えることを許されていないのです。
そのため、鳩からご家庭を守る場合、鳩を殺さずに追い払うか、そもそも鳩が近寄らないようあらかじめ対策しておく必要があります。しかし、鳩は一度棲みつくとなかなか退散してくれないため、追い払うのには一苦労でしょう。
そこで、鳥獣保護管理法に配慮した上で鳩が家に寄りつかないようにする方法の一部を、下記にいくつかご紹介していきます。鳩の鳴き声で苦しめられないためにも、鳩が初めてやってきた段階で対策を取るようにしましょう。
グッズを使った鳩対策
鳥獣保護管理法を順守した上で、鳩を追い払うには忌避剤などの駆除グッズを使った方法があります。まずは自分でできる方法やおすすめの商品からプロに依頼する方法まで紹介するので、自宅に合ったものを選んで対策してみてください。
●忌避剤で追い払う
現在では、鳩を寄せ付けないための忌避剤が数多く発売されています。スプレータイプのものからゲルタイプのものまで種類もさまざまなので、場所や被害状況に合ったものを選ぶようにしましょう。
なお、忌避剤はあくまで鳩の侵入を未然に防止するための道具であり、既に鳩が居座ってしまっている場合はあまり効果がありません。そうした場合は、プロに頼んで対策してもらうか、防鳥ネットで物理的に侵入を阻止する必要があるでしょう。
坊ハトグッズはとにげ~るは鳥類に効果があるといわれる植物エキスを配合している忌避剤で、ハーブ系の匂いがします。ネットなどの器具をあまり使いたくない人におすすめで、鳩の「一度嫌な思いを感じたらもうその場所にはあまり近づかない」という性質を利用しています。使う際に分糞の臭いが残っていると鳩がまた戻ってきてしまう可能性があるため設置する場所はきれいに掃除をしましょう。その際は菌やダニに感染しないようしっかり手袋とマスクをつけておこなってください。
●手すりに止まれないようにする
ベランダの手すりは、止まりやすくて過ごしやすい場所と鳩に認識されてしまうことがあります。一度そこが快適だと覚えた鳩は、にげていってもまた舞い戻ってくることが多いです。そのため、鳩が手すりに止まれないような工夫をしてみましょう。
ホームセンターなどでは、猫や鳩が手すりにとまれないようにするプラスチック製のトゲなどが市販されています。また、超音波を発する動物撃退器や鳩の天敵であるヘビやフクロウなどの置物を置いておくのも鳩が近づきづらくなるでしょう。
さらに効果的なのが防鳥ネットです。ベランダに防鳥ネットを隙間なく設置しておくことでも、侵入できない鳩が手すりへ止まるのを諦めてくれるでしょう。
害獣よけとげマットは設置するだけで鳩やカラス、コウモリなどの糞害や鳴き声による害をもたらす鳥や生き物を寄せ付けなくするとされます。接着剤や紐、ネジなどで簡単に固定ができ、屋根や柵、ベランダなどに鳩が留まるのを防いでくれます。
これは強い超音波で鳩を遠ざけるグッズです。鳩などの動物は不快な超音波を感じるとその場所を避ける傾向があるため、その習性を利用したものになります。赤外線センサーが鳩を感知すると反応し、超音波を出す仕組みになっています。防水機能搭載のため雨の日でも使うことができます。
置くだけで鳩やカラスを寄せ付けなくするとされる鳥よけのフクロウモデルです。鳩やカラスはフクロウや鷹などの猛禽類が天敵のため、それを利用したグッズとなります。リアルで頑丈なつくりのほか、羽根が少しの風でもリアルに動くため鳩やカラスを威嚇するにはうってつけの商品となっています。
透明鳥よけネットは鳩がベランダなどに侵入し、糞による汚れや鳴き声による安眠妨害を防ぎます。透明のため、あからさまにネットがついているという感じでもなく、ネットがあることによって景観が損なわれることも防いでくれるものです。
●プロに依頼する
ここまでご紹介した鳩対策は、鳩を直接排除するものではなく、あくまで鳩が近寄りにくい環境をつくるものです。そのため、鳩の性格次第では効果が薄く、どれだけ対策しても鳩が寄ってきてしまうケースも十分考えられます。
個人での対策が難しいと感じたら、鳩対策のプロに依頼することもひとつの手段です。
鳩の習性を知り尽くした専門家に任せて、万全の対策で鳩を迎え撃ちましょう。
まとめ
鳩の鳴き声は毎日うるさいと、人によってはとても気になるものとなります。特に庭に木がある人や、マンションに住んでいる人、庭にベランダがある人などは鳩が巣をつくりやすく、毎日の鳴き声に悩まされている人もいるでしょう。鳩の鳴き声があまりにも気になる場合は、ハト駆除の業者に鳩を追い出すのを依頼するのがおすすめです。その場合、少し料金はかかりますが鳩の鳴き声に悩まされる確率もぐっと減ります。